ピカルディーの三度

著者 :
  • 講談社
3.08
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本棚登録 : 105
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062142755

作品紹介・あらすじ

「おれは、おれの知らなかった恋愛を先生がくれると思った」音大受験を控えた「おれ」と「先生」のレッスンは排泄の儀式から始まった-論議を呼んだ表題作「ピカルディーの三度」を含む5篇を収録。三島賞作家が描く「愛と禁忌」の最新小説集。

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。やはり表題作のインパクトが一番強い。主人公は音大受験を控えた男の子、和声を習うために訪れた作曲家の「先生(※男)」は、彼に洗面器で排泄することを要求する。BLな上にスカトロか!と一瞬ドン引きしかけますが、これが実際にはずっとプラトニック。彼らは抽象的な精神論しか語らない。最終的に先生の作曲した曲も、主人公が綴る文章も、自分の内部から出てきた排泄物=ウンコみたいなもんだという結論にいたって、なんとなくこちらも納得してしまった。

    他の短編も、なんだかわからないけど痛々しくて可哀想っぽい相手を好きになり、慰めてあげたいのかもっといたぶりたいのか自分がいたぶられたいのか、よくわからない屈折した恋愛感情を描いたものが多かった。個人的には「俗悪なホテル」が寓話ぽくて好きだったかな。

    ※収録作品
    「美しい人」「ピカルディーの三度」「俗悪なホテル」「万華鏡スケッチ」「女小説家」

  • 面白かった。もっとインパクトがほしい。

  • 短篇集。収録作の「万華鏡スケッチ」を再読したくて。他は初読。どの作品も好きだけど、どこが好きなのか説明するのがとても難しい。登場人物たちの突飛でいてまともな思考回路が好き(それだけじゃないけれど)。書くことや愛や性や信仰について、は難解で理解できないけど、それでも面白い。この作者にしか書けない小説だと思う。

  • 表題作は、排泄のイメージばかり先走った印象。

  • 著者の初期作品でしょうか。
    厳しい言い方だが、中身の無さを、独特で抽象的な文体で誤魔化してはいないだろうか。

  • まったく読んだことのない作家さんだったので、芥川賞受賞作を読む前に何か一冊、と思いタイトルだけで選んだ作品。確かに表題作は音楽(関係)のものではあったけど...観念的過ぎて私には合わなかった。どことなく山田詠美さんの描く世界を彷彿とさせたものの、当たり前だけど行き着くところはやっぱり違う。表題作以外には、時代や場所が特定できない浮遊感がある作品があったり、なんというか習作集を読んでいるような気持ちになる。

  • 「女小説家」がおもしろかった

  • とっかかりは変態的だけれど、すごい純愛物語でキュンとくる。

  • 悲しいことに感情は完璧に伝わらないし受け取れないもの。感情の重み、温度、色、は受け取る相手の感情と勝手に融合され別のものになってしまうから。人は自己満足のために「好き」を必死に伝えようとします。でも言葉で伝えれば伝えるほど不安が募る。で、行き着くのが例の行為です。

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    体は人の目に映るもの、心は深く潜って見えないもの。
    糞便はその両方だ。
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    文学として描かれ見事昇華していました。自分の存在を承認してもらいたくて仕方がない、その欲求を言葉でないもので伝えようとする。努力する「僕」はとても意地らしく切なかったです。

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プロフィール

1976年、東京都生まれ。98年『二匹』で文藝賞を受賞しデビュー。2005年『六〇〇〇度の愛』で三島賞、07年『ピカルディーの三度』で野間文芸新人賞、12年『冥土めぐり』で芥川賞受賞。

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