リベルタスの寓話

  • 講談社 (2007年10月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062142762

みんなの感想まとめ

戦争の愚かさや残酷さをテーマにした作品で、特に東欧の歴史を背景に描かれた物語が印象的です。中編が二つ収録されており、表題作では異国モスタルでの猟奇殺人事件が描かれ、主人公の御手洗潔が電話を通じて推理を...

感想・レビュー・書評

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  • 8

  • 東欧の歴史の勉強になったが、寓話の意味することは理解できなかった。

  • 中編2つを収録。

    表題作はいろいろと要素を入れすぎな感。RMTについて書かれている必然性があまり・・・

    これ、長編でもっとふくらませて欲しかった鴨。

  •  著者お得意の西洋伝奇もの、ボスニアーヘルツェゴビナ、セルビア、クロアチアとういきな臭い民族闘争の地にちなんだ二作。、表題作はクロアチアの自由都市ドゥブロヴニクの伝承さながらの怪奇殺人を例によってスウェーデンから離れられない御手洗が解き明かす。血液型の差異という絶対的防壁に守られた重要容疑者をどうやって追い詰めるか。そこに一見猟奇的死体損傷の真の意図がからんでいる。確かに理論的には可能ではあるけれど相当に危ない橋だよなこれは。併収されているのはやはりクロアチア人の復讐譚で、深川の芭蕉記念会館というまた場違いな場所での完全密室殺人物。こちらはまさに島田荘司の面目躍如というか、他の誰もこんなことはあほらしくて考えないという機械仕掛け。筆力はあるのだからもうちょっとまともなプロットを立ててはどうかなと思うけど。

  • 御手洗潔も、石岡君もあまりでてこなかったけどトリック、思いもよらないものだった。背景に戦争がありつつの物語り。
    戦争とは、どんな時にも不幸を生む。絶対に避けるべき事象。

  • ボスニア、ヘルツェゴヴィナと日本で起きる、民族主義的なエピソードに基づく作品二点。

    どちらも相変わらずグロテスクで意味不明に見えて、それなりに説明がつきおちつく物語なのですが、今回はあくまで「それなり」という感じ。
    ベースとなる寓話もそこまでだし、二話目に至っては、なんでアレがそこから落ちてくるのか意味不明すぎる。

    ただ、一作目は結末は兎も角、事件の全貌はかなり好き。
    意味不明でグロテスクながら、なにか倒錯的なこだわりを感じさせる、一種の狂気の美しさというか、アート的にすら感じるこの感じ。

    長いのにどんどん読んでしまう面白い作品でした。
    でも、それぞれ結末にちょっとがっかり。
    題材が強烈に不可思議でグロテスクに魅力的なだけに、凡庸な結末が少し残念でした。

  • 旧ユーゴスラビアの民族紛争を下敷きにした御手洗ミステリ。御手洗モノと言っても本人はちょこっとアドバイスするにとどまり、日本は石岡くん、外国ではハインリッヒが動きます。謎自体はなかなかトリッキーですが、いかんせん背景が民族紛争なため内容は暗め。考えさせられるものになっています。

  • RMTの話は難しすぎて読み飛ばしまくりました。必要性をあまり感じない…。哀しい殺人事件。

  • 二作品入っているのだが舞台にしろ文化的な背景にしろ全然違うものだったのでなぜか感じたすごいお得感。だって一つ目の舞台は旧ユーゴで民族浄化絡みの殺人で、二つ目の舞台は日本の俳句会館ですよ。作者の膨大な下調べと知識を裏付けする本で、別次元のストーリーを体験できるという読書の楽しみを謳歌しました。

  • つまらない本が続き、完読できない状況が3冊ほど続いてたので、軽いものを読もうと思って島田荘司を。発表された順でいうのなら、クロアチア人の手が最初に出て、次にリベルタスが上梓されている。物語の完成度としては、リベルタスが圧倒的に高い。クロアチア人が、いわゆる本格派でありえない設定に対して、リベルタスは虚構とはいえ歴史ミステリーの香りをもっている。そのせいで、ハードカーバー版ではリベルタスを先にもってきたのでしょう。本格派の謎に挑むには、リベルタスのほうが簡単。実際、読んでいてすぐに想像がついた。クロアチアは、あいかわらずのトンデモ設定なので苦笑。それでも、読者を飽きさせず読ませる手法は素晴らしい。リベルタスというブリキ玩具が本当にあったのではないかとWIKIで調べたくらい。そこについては、著者後書きをご覧ください。

  • 民族紛争について色々考えさせられた。そういう意味ではとても良い作品です。

  • 死体のグロインパクトに内容がついていなかなかった感じ

  • いいねぇ~。

  • 『リベルタスの寓話』
    御手洗潔シリーズ

    NATO監視下のサラエボで起きた殺人事件。民家で殺害された内戦中に虐殺を働いたセルビア人民族主義者クラバッシと2人の遺体、モスリム系のクルポの遺体。腹を裂かれ内臓を取り出された遺体。セルビア、モスリムと対立するクロアチア人の犯行か?NATOに協力を求められたハインリッヒ。容疑者は末期がんで入院中のクロアチア人ディンコ。しかし犯行現場に残された犯人の血痕の血液型とディンコの血液型は別。攻めよせるオスマン軍を撃退したある少年の内臓を詰めた人形・リベルタスの寓話に隠された秘密。ネット世界で取引された仮想の金貨の秘密。

    『クロアチア人の手』
    御手洗潔シリーズ

    クロアチア内戦中に親友であったボジョビッチの密告で妻と娘を殺害され片腕を失ったイヴァンチャン。内戦終了後日本の俳句協会に招かれて来日したボジョビッチとイヴァンチャン。泥酔した2人を部屋に送り届けた俳句協会の委員。隣り合った2人の部屋。翌日密室のイヴァンチャンの部屋で発見されたボジョヴィッチ。顔と腕をピラニアに食われた遺体。ボジョビッチが見た動く腕の夢。同じ朝交通事故に会い爆死したイヴァンチャンと思われる男。静寂恐怖症と周囲に漏らしていたイヴァンチャンの腕に隠された秘密。

  • 御手洗シリーズ。
    ハインリッヒサイドの「リベルタスの寓話」と石岡君サイドの「クロアチア人の手」の2編。両方とも御手洗は電話でのみの登場です。
    2編とも旧ユーゴスラビアの民族紛争がテーマになっています。
    「リベルタス」の方がかなり重い内容だったので「クロアチア」の石岡君には癒されました。御手洗に邪険に扱われて本気で悲しそうな石岡君が可愛かった。御手洗とはもう終わりかもしれないなんて悲しいこというなよ(笑)
    今回も御手洗の推理は超人的すぎて、なんでそこまで電話だけでわかってしまうのかが謎でした。最近の御手洗はもはや最後に謎を解明するだけの存在になってしまっていて悲しい。

  • 中編が2つでした。
    旧ユーゴスラビアって大変だったんだなぁ。

  • 同じテーマを含んだ中篇小説が2話。
    「リベルタス~」は内臓系(どんな系統だ)。リベルタスのお話が面白くって、そっちのほうが読みたかった。
    「クロアチア人~」は石岡ファンおまたせ。石岡くんがPCを使いこなしてますよー!奇抜でいいんですけど、トリックがくどいかなぁ。

  • 複雑な歴史を持つクロアチアにまつわるミステリ二編。
    島田荘司らしい奇想と見事な着地。重い話しながら、読みにくくはない。
    著者が提唱する二十一世紀本格のお手本のような作品。

  • 昔は大好きだったのよねー
    島田荘司

  • 米澤穂信さんの「さよなら妖精」を読んでから、旧ユーゴスラヴィア関連のお話に敏感なワタクシ。

    島田さんのこのお話も、ボスニア・ヘルツェゴビナで起こった猟奇殺人事件について書かれたものと知り、さっそく読んでみました。

    「リベルタスの寓話」
    クロアチア共和国の前身・自由自治国家ドゥブロブニクに伝わる機械人間リベルタスの物語と、オンラインゲーム仮想通貨の融合によってできあがった作品です。
    うぅん、島田さんて本当にあらゆるジャンルに精通してるんですねぇ。

    「クロアチア人の手」
    クロアチア俳人の男性二人の過去と殺人事件。
    負の連鎖は、かくも人をとらえて離さないものなのだろうか・・・。 


    ディンコは時間があったの?なかったの?とつっこみたい部分もあったり、血液型についての謎も大体わかってしまったりしたのですが、民族浄化・同民族自立のための虐殺といった哀しい人の所業や、それを行う・行われる人の想いの複雑さが絡み合って、とても虚構とは思えないものがありました。
    突然の出来事に戸惑いつつ、なぜ?なぜなの?と思いながら、この国の人々は殺されていったのでしょうね。
    その答えがいつか出てくるものなのか・・・。
    誰も答えてはくれないこの問題を、せめて常に胸に掲げておこうと思うのです。

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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