いつかは恋を

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 38
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062142861

感想・レビュー・書評

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  • 57歳、小さな町工場の女社長の恋。 母親、嫁、妻、社長といろんな顔を使い分けてきたが旦那の死後女の顔がのぞく。
    男にとってもアラ還の恋は心が弾むものだ。
    渡辺淳一みたいにどぎつい描写もないラブロマンス。 

  • ★2010年24冊目読了『いつかは恋を』藤田宣永著 評価B+
    珍しく50才以上の金型会社の女社長のラブロマンスの物語。友人の書評から、その評価を見て、購入。読んでみることにしました。
    最初は、年齢を含め、様々な条件設定に戸惑いましたが、長い人生を乗り越えてきた男女の味わい深い物語は、様々な示唆に富み、一気に読み終えてしまう面白さがありました。そして、まだまだ私にも分からない夫婦のお互いの思いも描かれていて、10年後にまた読んで見たいと思いました。
    この小説はやはり中年以上の読者でないと堪能できない部分が多く、その意味では非常に特殊な作品だと思います。

  • 夫亡き後、小さな町工場を支えてきた久美子に、不思議な魅力を持つ寺坂との運命の出会いが訪れる。57歳、もう、恋は過去に捨ててきたはずなのに-。中年男女の日常を彩る密かな心模様を、しっとりと描く長編恋愛小説。
    若い作家が描く若者の恋愛話ではなくて、久しぶりに大人の恋愛小説を読んだという気がした。大田区の町工場付近が舞台で展開も地味だけれど、グイグイ惹きつける作者の力量はさすがというほかない。
    (B)

    • ちゃいなおやじさん
      貴殿のブログ評価に惹かれて、読んでみました。良い作品だと私は思いました。年齢を考えるとちょっとどうかと言う設定ではありましたが、作者の読ませ...
      貴殿のブログ評価に惹かれて、読んでみました。良い作品だと私は思いました。年齢を考えるとちょっとどうかと言う設定ではありましたが、作者の読ませる力は十分で、あっという間に読み切りました。こんな小説も読んで、評価してしまう歳になったんだなあと実感してしまいました。中年でもあのドキドキ感はやっぱり欲しいですよね。
      2010/05/11
    • uchinekoさん
      藤田宜永は「左腕の猫」という短編集を読んだことがあって、その時は「自分が猫好きだから共感するのだろう」と思っていましたが、本作でその技巧に脱...
      藤田宜永は「左腕の猫」という短編集を読んだことがあって、その時は「自分が猫好きだから共感するのだろう」と思っていましたが、本作でその技巧に脱帽しました。直木賞受賞作も読んでみたいと思います。
      2010/05/14
  • 54歳、夫を亡くした零細工場の女社長の恋物語。

    人生の酸いも甘いもかみわけた50代。その経験を生かしながらも、「乙女の気持ち」を抱いてピュアに恋する感じがよいです。
    「一緒に家庭を持つ」とか相手に多くを期待しない・・ただお互いがいればよい。こんな恋愛は50代だからできるのかもしれませんね。

    「ミドルエージの後半は男が男として、女と出会う最後の時期のような気がします」・・「最初の恋」を描く物語は多々あれど「最後の恋」を描くものはあまりないですね。最後の恋に情熱を燃やす二人がステキ。

    「寺坂のことばかりを考えるようになってから、自分がいかに孤独だったのかということを実感した」・・深い孤独があったからこそ訪れた恋の重みがわかるのかもしれません。

    小説中に大人(中年以上)がベタベタすることを蔑視する若者が描かれ、「差別だ」と主人公が語ってますが全く同感。いくつになっても好きな人とはベタベタしたいものです。

  • 夫の死後大田区で金型工場を営む女社長の恋物語。

    推理小説や冒険小説の分野から純愛ものも書き始めた著者だが、ストーリー云々よりも「人生の後半をどう過ごすか」について考えるきっかけになった。




    作成日時 2008年01月14日 17:59

  • 4/6 57歳の女と同世代の男の恋物語。

  • 57歳、もう、恋は過去に捨ててきたはずなのに――
    夫亡き後、小さな町工場を支えてきた久美子は、タクシー・ドライバーの
    寺坂と知り合った。妻の顔、嫁の顔、母の顔、社長の顔。長い間、さまざま
    な顔を使い分けてきたが、今、恋する女の顔を取り戻し、新たな人生を歩める
    だろうか。

  • いい、すごくいい。大人の恋愛を描かせたら5本の指に入るこの人。50代だって、ラブラブしたいときがあるんだよ(まだなってないけど)。結婚とかに縛られることなく、一緒に居たいと思うんだ、きっと。いいなあ、こんなトキメキは死ぬまで持っていたい。恋愛だけではなく、嫁として、母として、社長として、の多面をもたざるを得ない主人公。それぞれのエピソードも読ませる内容。いいなー、やっぱり藤田さんだ。

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著者プロフィール

1950年福井県生まれ。早稲田大学文学部中退。パリ滞在中エール・フランスに勤務。76年『野望のラビリンス』で小説デビュー。95年『鋼鉄の騎士』で第48回日本推理作家協会賞長編部門、第13回日本冒険小説協会大賞特別賞をダブル受賞。その後恋愛小説へも作品の幅を拡げ、99年『求愛』で第6回島清恋愛文学賞、2001年『愛の領分』で第125回直木賞受賞。17年には『大雪物語』で第51回吉川英治文学賞を受賞した。その他『タフガイ』『わかって下さい』『彼女の恐喝』など著書多数。2020年逝去。

「2021年 『ブルーブラッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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