院政の日本人 双調平家物語ノート2

  • 講談社 (2009年7月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062142878

みんなの感想まとめ

歴史の深淵を探るこの作品は、古代から平安時代にかけての王朝交代を描き出し、血と権力の関係を解き明かす力強い視点を提供します。著者の独自の時間概念や「人間観」に触れることで、社会の構造を新たに理解できる...

感想・レビュー・書評

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  • 著者のことは私昔からかなり尊敬していたんですけど、この本を読んだらなおさらその気持ちが強くなりました。
    橋本先生やっぱり素晴らしい!知の巨匠だ天才だ!

    この本は、著者の代表作のひとつである「双調平家物語」を書くにあたり橋本先生の歴史考察をまとめた本です。

    平家物語についての考察のはずなのに話は古墳時代まで遡ります。
    というのも、双調平家は裏の主題として「平安時代的な政治構造の終焉」を描いているから。
    平安時代的な政治構造とは、藤原氏などの有力者が天皇に娘を贈り、これを后にして皇子を得、この皇子を天皇と立てるという構造のことを言います。
    院政の時代にこの構造は一時あやふやになりますが、清盛の時代に復活する。それが「幕府」という朝廷とは別個のシステムがつくられることにより、この平安時代的な構造が消滅するのです。
    で、その構造の始まりが古墳時代なのです。。

    面白いのは、当時日本人が手本にしていた中国の政治にはそんな基本原則はないそう。 この構造は日本オリジナルなんですって。

    ということで、このゴールに向かって橋本先生の長い長いお話が展開されるのですが、あまりにも長く、あまりにも面白く、けれどもあまりにも話が広がりすぎ登場人物が多すぎるので、今回は大化の改新あたりまでの私のなるほどポイントを書き留めておくことにします。
    (かなりきざみます)(続きは再読時に)

    とにかく脱帽モノなのは、先生ったら、年表とともに重要人物の年齢表を1年刻みで作ったそう。なんと、700年分も!
    更に、母方まで書き込まれた天皇家系図を作成して、時代ごとに年齢をあてはめると・・・
    系図が示すものは、ヒトが作られていくプロセス、ではなく・・・権力が作られ維持されていくプロセス、なんですね。
    (普通の系図は男系を主として作られるので、母やその祖父が誰かがよくわからない場合があるのだけど、摂関政治というのは、藤原氏が天皇の外祖父になることによって実権を握るシステムなので、祖父がわかる系図でなければ意味がないのです。)

    そこでわかったことは、皇女の力、でした。
    次の天皇になる皇子は傍流の天皇である父の子であることよりも、嫡流の皇女である母の子であることがより重要視されているのです。
    だからたとえば一旦皇統が絶えた場合、かなり昔の天皇の血縁を探し、その正統性を強固なものとするため嫡流筋の皇女を后とし、その后から生まれた皇子を皇太子に立てるということをして、豪族達から天皇として認めてもらうということをしています。
    だから逆に、力があったはずの推古天皇でさえ、血統が(蘇我氏系の)傍流筋との理由で皇位継承に関する発言権は弱く、自身の血統である山背を推挙することもなく、押坂彦人系本流に戻そうと言う動きに繋がるのです。

    平安時代的な政治構造の土壌が飛鳥時代あたりまでには出来上がっていたんだよ、というお話。女帝の役割の基盤もこの時代に出来上がっているし。。
    小説家ならではの想像力を加えた見解がとても良かったです。

  • 時間切れ

  •  ここまで読んでくると、社会に対する橋本的時間概念んがどのように構築されてきたのか、橋本版双調平家が、なぜ、明日香以来の古代史から平安時代にいたる王朝交代について、延々と記述されているのか、納得できるような気がする。
     大きな年表では直接読み切れない血と権力の関係を解きほぐす「根性」とでもいうべき努力に現れた「人間観」。この二冊の分厚いベンキョウノート。ああ、橋本治がいるなあ、と痛快な感激がやってくる。

  • 学術本としては文章がめんどくさいし読み物としては中身がめんどくさい。

  • 平家の没落は摂関家の時代の終焉でした。次の武家の世はまだまだ完成されてません。

  • とても面白い!
    今まで分からなかったところが良く分かる!

    ただ、
    最後まで読んでも別にためにはならない!!
    でも最高に面白いです。

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著者プロフィール

橋本 治(はしもと・おさむ):1948年、東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。小説、戯曲、舞台演出、評論、古典の現代語訳ほか、ジャンルの垣根を越えて活躍。著書に『桃尻娘』(小説現代新人賞佳作)、『宗教なんかこわくない!』(新潮学芸賞)、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(小林秀雄賞)、『蝶のゆくえ』(柴田錬三郎賞)、『双調平家物語』(毎日出版文化賞)、『窯変源氏物語』『巡礼』『リア家の人々』『人はなぜ「美しい」がわかるのか』『ちゃんと話すための敬語の本』『思いつきで世界は進む』他多数。2019年、逝去。

「2026年 『「わからない」という方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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