モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

制作 : 大前 研一 
  • 講談社
3.92
  • (314)
  • (430)
  • (264)
  • (54)
  • (11)
本棚登録 : 4065
レビュー : 450
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062144490

作品紹介・あらすじ

時代遅れの成果主義型ver.2.0は創造性を破壊する。21世紀版『人を動かす』モチベーション3.0はワクワクする自発的な動機づけ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 「ハイコンセプト」に惹かれて、ダニエル・ピンク氏の著書を手に取ってみた。日々の仕事に嫌気がさしている。モチベーションが上がらない社会人必見の1冊。

    ・ある活動に対する外的な報酬として金銭が用いられる場合(モチベーション2.0)、被験者はその活動自体に本心からの興味を失う。if-then(交換条件つき)の報酬ともいうが、「これをしたら、あれをあげよう」は、自律性を奪う。お小遣いで釣って息子にゴミを出させる。するとほぼ確実に、その子はお小遣いなしではゴミを出さなくなる。最初の金額のもたらした興奮が冷めてきたら、相手を従わせるために、やがてその額を増やさざるを得なくなる。
    ただし、これをnow that(思いがけない)報酬に変えれば、影響は少なくなる。「素晴らしい仕事をしたから、ご褒美にご飯でもご馳走しよう!」。あわせて、①具体的でない報酬、②有効な情報(褒め言葉)を与えるとモチベーションは下がりにくい。

    ・ルーチンワークなどのそれほどやりがいを感じられない仕事には管理が必要。非ルーチンワークのように興味を喚起する仕事は、自発性が頼りとなる。

    ・報酬には本来、焦点を狭める性質が備わっている。解決への道筋がはっきりしているルーチンワークには効果的。前方を見据え、全速力で走らせるために有効だ。一方、右脳的な仕事、柔軟な問題解決や創意工夫が要求される仕事に対しては条件付き報酬がむしろマイナスに影響するおそれがある。

    ・自己決定理論。人には生来、能力を発揮したいという『有能感』、自分でやりたいという『自律性』、人々と関連を持ちたいという『関係性』の3つの心理的欲求が備わっている。

    ・タイプI(intrinsic)とタイプX(extrinsic)。タイプIは外部からの欲求よりも内部からの欲求をエネルギーとする(モチベーション3.0)。タイプXは外部からの欲求によってエネルギーを得る(モチベーション2.0)。あなたに活力を与えるもの、朝起きてから1日頑張る活力の源は、あなたの内側から生じているか?それとも外部から強制されているか?

    ・タイプIにとって、主な動機づけは、活動における自主性、やりがい、目的。タイプXの行動は石炭(使い切り)、タイプIの行動は太陽(再生可能)だと言える。

    ・自律性を維持するには、「何をするのか(task)」「いつするのか(time)」「どのようにするのか(technique)」「誰とするのか(team)」かがカギ。特に「誰とするのか」は先に生まれた家族のようなもので、その組織に入る前に慎重に選ばなければならない。

    ・マスタリー(熟達)とは何か価値あることを上達させたいという欲求だ。
    ・mustとcan。従業員のmustとcanが一致しないと、職場で欲求不満が起こりやすい。課せられた業務が個人の能力を超えると不安が生まれる。逆に能力以下の業務を課せられれば退屈になる。

    ・マスタリーは「マインドセット」だ。目標には2つある。
    達成目標:フランス語で優をとる
    学習目標:フランス語を話せるようになる
    得意だとは感じていなくても、学習目標があれば、生徒は粘り強く頑張れる。結局のところ、彼らの目標は学ぶことであり、頭が良いと証明することではない。

    ・マスタリーは「苦痛」だ。長期目標を達成するための「忍耐力」と「情熱」が必要。懸命な努力の重要性は理解されやすいが、目標を変えずにたゆまず時間をかけて努力を「継続」することの重要性はあまり認められていない。

    ・マスタリーは「漸近線」だ。目標には近づくことはできるが、達することはできない。それが欲求不満を引き起こし、到達しようとし続ける。喜びは、実現することではなく追求することにある。マスタリーはどうしても得られないからこそ、達人にとっては魅力的なのである。

    ・マスタリーへ近づく5ステップ
    ①意図的な訓練には、実力を挙げるという1つの目的しかない
    週に1度、10年間テニスをしていても、毎回同じことしかしなければ、実力はあがらない
    ②とにかく反復
    バスケットボールの名選手は、チーム練習後にシュート練習を10本しかしない?
    ③批判的なFBをもらう
    「下手くその 上級者への 道のりは 己の下手さを 知りて一歩目」
    ④改善すべき点に厳しく焦点を合わせる
    得意なことに何度取り組んでも上達しない。上達する人は、弱点に取り組む。
    ⑤訓練の過程の精神的、肉体的疲労を覚悟する
    マスタリーは「苦痛」だ。

    キーワード:自己Ctrlをするには、「有能感」「自律性」「関係性」を高める

  • ショッカーがモチベーション3.0について語っていて,いまさらながら読んだ.

    報酬や賞賛のために行動するという外的要因型のモチベーション2.0はルーチンワークには効果的である.

    しかし,近年の複雑化する社会のなかで必要となってくるのは創造的な非ルーチンワークである.そういった社会では,自発的に行動し(自律性),自らの意味のある知識や技能を鍛え(熟達),自己の利益を超えた行動(目的)が,人々の行動の動機付けとなる.

    この自律性,熟達,目的をキーワードとして,考え出されたものが外的要因型のモチベーション3.0であり,これからのモチベーションの基本形である.

    教育について述べている部分もあり,一つ前に読んだカーンアカデミーの本に通ずる部分もあったり,テイラーの管理論や組織論について述べられる部分は,ユーザ体験について書かれた Subject to change の組織デザインコンピテンシーに通ずるものがあり,2010年頃のサービスや行動に対する考え方のトレンドがわかってきた.

  • 組織にも、自分にも役に立つ「やる気」というモチベーションについて書かれています。動機付けの方法として機能してきたOS、生理的欲求や、前時代のアメとムチ(2.0)が、現代の人々の考えに合わなくなってしまっている。そのためOSを書き換える必要があり、その(3.0)の内容を書かれています。
    人を管理する「マネジメント」の考えから脱却して、自律的に仕事をさせるには、また自分がそうするためには、どうすれば良いのか。
    今の自分の働き方は、このままで良いのか、どこが良くて悪いのか。整理しながら読みました。

  • 科学の知識とビジネスの現場にはギャップがある。
    ビジネスにおける現在の基本ソフト(OS)は、外部から与えられるアメとムチ式の動機づけを中心に構築されている。これはうまくいかないし、有害な場合も多い。アップグレードが必要なんだ。
    科学者たちの研究成果がその方法を示している。この新しいアプローチには3つの重要な要素がある。
    <自律性>―自分の人生を、自ら導きたいという欲求、のこと。
    <マスタリー(熟達)>―自分にとって意味のあることを、上達させたいという衝動、のこと。
    <目的>―自分よりも大きいこと、自分の利益を越えたことのために活動したい、という切なる思いのこと。

  • 仕事とは「しなくてはいけない」からすることで、遊びとは、「しなくてもいいのにすることである」

    自分のために製作しているときは、創作に純粋な喜びを感じて、時間が経つのも気付かずに夜通しでも取り組んでいられます。

    四半期のガイダンスに多くの時間を費やす企業は、それほど頻繁にガイダンスを行わない企業と比べて、長期的な成長率が極めて低い傾向にある。

    ポジティブなフィードバックは内発的動機付けを高める効果がある

    人間の本質をもっと性格に評価し、組織運営にとってもっと効率的な出発点となる見解。仕事に興味を抱くことは、遊びや急速と同じくらい自然である。クリエイティビティや創意工夫の才は、すべての人に広く備わっており、適切な条件のもとなら、誰もが責任を漢字、責任を求めさえする。

    ROWEの戦略を導入した職場では、たとえ他社から現在より高い給与を提示されても、転職する可能性はきわめて低い。自分の好きなように仕事をする自由のほうが昇級より価値があり、得難い物だ。それに、社員の配偶者やパートナー、家族がROWEを何よりも喜ぶ

    Fedexが24時間で荷物を届けるように一晩で何かを伝える必要がある、創造的な怒濤の24時間で好きなことを好きなメンバーとともに取り組む。

    金よりも重要なのは、このようにクリエイティブな人を引きつける仕組み。社員は通常業務より、この20%の時間の方がはるかに効率よく仕事をします。ニュースを読んだり、Facebookをしたりなんて絶対にしないよ。

    在宅勤務のほうが快適で、監視されず、自立性志向の手法がいっそう幅広い人材を引きつける。仕事をしたいけれども通勤はままならなく、自分にあった方法で仕事をしたいと望む人々から絶大な人気があり、2倍以上の人材が通常の会社より高学歴社になる。

    マネジメントの目標は通常、効率性、メリット、価値、優位、焦点、差別化のような言葉で表現される。こうした目標も重要だが、人の心をかき立てる力には欠けている。ビジネスリーダーは、日常ビジネすの営みに、名誉や真実や愛、正義や美のような深遠で魂を揺さぶる思考を吹き込む方法を探す必要がある。人間味あふれる言葉を用いれば、おのずと行動もそうなる。

  • 1.0 生存のための行動、生理的欲求
    2.0 アメと鞭 外的動機付け、単純作業で短期的には効果がある
    3.0 内発的動機 クリエイティブなヒューマニックな作業

    2.0
    「仕事とはしなくてはいけないからすることで、
     遊びとはしなくていいのにすることである。」

    交換条件つきの報酬は自律性を失わせる

    アメとムチの致命的な7つの欠陥
    1.内発的動機づけが失わせる。
    2.かえって成果が上がらなくなる。
    3.創造性を蝕む
    4.好ましい言動への意欲を失わせる。
    5.ごまかしや地価身を、倫理に反する行為を助長する。
    6.依存性がある。
    7.短絡的思考を助長する。

    マネジメントはがたが来ているテクノロジーだ
    中心となる管理体系は依然としてコントロールである。
    主な手段は、あいかわらず外発的動機づけだ。
    →「指針を与えなければ、人間はどこに行ってしまうかわからない」
     →これが本当に人間の本質だろうか?

    権限委譲はモチベーション2.1に過ぎない
    フレックスタイム、ドレスアップも
    柔軟性を持たせる→柵を広げ、時おり門開けているに過ぎない。
    コントロールする姿勢には大差ない

  •  金銭などの報酬でモチベーションを高めるやり方は時代遅れの「モチベーション2.0」であり、自己実現などの内発的動機でモチベーションを高める「モチベーション3.0」の時代がやってきたとする本。自分の考えていることに近い部分があり、読んでいてテンションが上がった。第3部以降はいらねえだろうと思うけど、それまでは間違いなく面白かった。

  • 仕事がら、人や組織に新たな行動を取ってもらう、行動を変えるといった場面がしばしばあります。
    その際、「何がこの人/人達の行動を突き動かしているのだろう」と考えて取り組まないと、上手く事が運ばないなと感じています。
    この本はその、人間の行動原理「モチベーション」に関する本。
    モチベーション1.0を生理的動因(食欲、安全等)、2.0を「アメとムチ」(報酬と罰)と定義し、これまでの2.0とい”OS”が機能しなくなってきている、という問題提起から論じています。
    そしてモチベーション3.0という新しい時代に突入しているとして、「自律性」「マスタリー(熟達)」「目的」という三つの構成要素を上げています。
    本書全体の構成としては、2.0の欠点と3.0の概念の説明にページの多くが割かれてます。
    3.0の構成要素を満たすための新しい仕組みとしてどのようなことが考えられるのか、実例としてどのようなものがあるのかということについては、あまり触れられていないのが残念。
    これから試行錯誤して作り上げられていくのだろうなと、理解しました。
    逆に、そのような未来予測的な部分を排して、研究で得られた事実を冷静に説明しているというのが、著者の誠実さの表れかもしれません。
    いずれにしても、働くということに関する人間の意識が変わっていること、それに対して新しい仕組みが必要だということが、本書を読んで理解できました。

  • 人にすすめられたが読んで良かったと思える良書。
    今時の人のモチベーションを説いた話。
    アメとムチは過去の物ときりすて、
    自律やマスターするといった動機付けこそが
    新しい目的の持ちようと。
    仕事ならやらされているのか自発的なのか。
    そこに報酬も関係すると。

  • 【前提】

    今の時代、「モチベーションを下げるような会社はダメだ」といって会社の愚痴をこぼしていれば済んでいた時代ではない。



    ⇒自分のやる気は自分で管理する必要がある。

    すなわち、企業が提供するニンジン(外発的動機付け)ではなく、自分自身の心から湧きあがるモチベーション(内発的動機付け)で動く必要がある。

    そもそも、外発的な報酬(ニンジン)を動機付けに利用すると、その瞬間に仕事に対する興味が失われ、パフォーマンスは向上しない。



    【モチベーションを高める方法】

    ①自己実現のために邁進する

    ・自分自身で定めた目標のために邁進していくことが重要(熟練の観点)

    ・自身の目標と社会・世間の目標が合致する目標を設定するとよい(目的の観点)

    ※目標設定にあたっては、決して成功(金儲けなど)を目的にしてはならない。

    ※成功する人は成功をゴールにしていない。スティーブ・ジョブズの目的は「宇宙に衝撃を与える」こと。資産形成だとか金稼ぎではない。



    ②邁進する際の留意点

    つまらないと思うことはやらない。

    ・「努力そのものや、取り組んでいることそのものが楽しい、わくわくする、どんどんやりたい」といった気持ちを持てることを見つけて実行していくことが大事

    ・自発的に勉強する、仕事をする。仕事や勉強を趣味にする



    ⇒しかし、仕事を選り好みしてはだめ

    ・どんな些細なことであっても、それは将来につながる大事な仕事であることを認識すること(セレンディピティを磨く)

    ・どんな仕事でも、常に「より良い方法はないだろうか」と試行錯誤して、考えながら楽しむこと

    ※そもそも世の中にはクリエイティブな仕事があるわけではない。仕事をクリエイティブにする人がいるだけである。

    ・不確実性を楽しむ。人生は偶然による発見の連続であり、無駄なことなどない。常に何かに結びついているのだというマインドを持つ(セレンディピティ)

    ・何か起こったら「なるほど」と言ってみたりするとよい(「ヒドい法務部に入ったと思ったが、ここで組織風土の変革に取り組んだ経験は将来どこかで役立つはず!!なるほどこの会社に入社してよかったな!!」)





    ・積み重ねの数字を目標にする(たとえば月100本の契約を見た)

    ・目標はブレークダウンして、目標達成に必要なことを、例外なく毎日こつこつとやる。



    Flow状態を創出する

    ・一人になる時間を作り、五感に注意を向け、手の感触や視覚に意識が集中することで思考に邪魔が入らないようにする

    ・締め切りを意識して、それまでに何とかやるという気持ちにする

    ・やる気になるための自分なりの儀式を作る

    ・仕事には自分なりのオリジナリティを加える。やり方に工夫をする。

    ・変化に注目する。昨日の自分とは違う今日の自分に気づく。



    20%ルール

    ・緊急度はそれほど高くないけど重要度が高い第二領域が意外に重要

    ※ドラッガーが偉大な功績を残せたのも、1年のうち1カ月分を自分の専門分野(第一領域)とは別の領域(第二領域)の勉強に利用したから

    ・第2領域に20%ルールを適用させる



    【ルーチンワークへのモチベーションの高め方】

    その作業が必要だという論理的な根拠を示す

    その作業は退屈であると認める

    その人のやり方を尊重する



    【他人のモチベーションを高める】

    ①自律

    ・自由に好きなようにやらせる。課題(Task)、時間(Time)、方法(Technique)、チーム(Team)を任せる(ただし、聞いてきたら答える)。

    ・責任も取らせる。ただし、失敗しても大丈夫という環境を作ることが重要

    ・誰もがその人生の主人公であることを認識したうえで、人と接することが重要

    ・その人が活躍するにふさわしい場を用意し、自分なりの表現ができるようにさせてやる。

    ※企業の中には、まるで死んだような状態で自分を押し殺している人がいる。そうした人たちにイキイキと活躍するための舞台を用意することは、その人たちを活かすことでもある。

    ②報酬

    ・基本的な金銭報酬は必要不可欠。

    ・賞賛(評価、承認)やポジティブなフィードバックを行う(5対1の原則)

    ・評価は成果ではなく、プロセスに対して行う。

    ・できる限り褒めるのではなく、その人がやったことを認めた方がよい。または感謝することでもよい。

    ③関係性のデザイン(仲間になりたいという脳の本質的な欲求に対応している)

    ・チームとしての一体感を醸成するために、喜びや苦しみを共有する仕組みがあるとよい。二人担当者制の活用するなど

    ・メンバー同士の関係性をデザインする(上級生が下級生を教えるという仕組みを導入した寺子屋のマネージャーのように)

    ④マスタリー

    ・その人の本当にやりたいことを感じ取り、熟練するためのポイントを見つけだし、フローを邪魔する他人の目を取り除いてやる。

    ・その人のやりたいことは、その人と個別に話をするのが最も有効であるに違いない

    ・仕事は「熱すぎず、冷たすぎず、難しすぎず、易しすぎない課題」(ゴルディロックスの仕事)を与えること






    【今後やるべきこと】

    (1)フロー状態の分析と応用

    ・フロー状態を生みだしていたのはどのようなときだったか? その時どこにいたか? 誰と一緒だったか?

    ・一日のなかで、フローに達しやすい時間はあるか?一日の予定を変えることはできるだろうか?

    ・最適経験をもっと増やし、ぼんやりしたり、集中できない時間を減らすにはどうしたらよいか?

    (2)目的を決め、日々の目的にブレークダウンする

    目的①:世界最強の法務部を作る

    目的②:この世のすべての人々の関係をWin-Winにする

    (3)長期休暇を取る

    (4)勤務評定を作成する

全450件中 1 - 10件を表示

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すかのその他の作品

ダニエル・ピンクの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ロバート キヨサ...
平野 敦士 カー...
ブライアン・トレ...
ウォルター・アイ...
チップ・ハース
有効な右矢印 無効な右矢印

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すかに関連するまとめ

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すかを本棚に登録しているひと

ツイートする