モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

制作 : 大前 研一 
  • 講談社
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レビュー : 455
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062144490

作品紹介・あらすじ

時代遅れの成果主義型ver.2.0は創造性を破壊する。21世紀版『人を動かす』モチベーション3.0はワクワクする自発的な動機づけ。

感想・レビュー・書評

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  • 「ハイコンセプト」に惹かれて、ダニエル・ピンク氏の著書を手に取ってみた。日々の仕事に嫌気がさしている。モチベーションが上がらない社会人必見の1冊。

    ・ある活動に対する外的な報酬として金銭が用いられる場合(モチベーション2.0)、被験者はその活動自体に本心からの興味を失う。if-then(交換条件つき)の報酬ともいうが、「これをしたら、あれをあげよう」は、自律性を奪う。お小遣いで釣って息子にゴミを出させる。するとほぼ確実に、その子はお小遣いなしではゴミを出さなくなる。最初の金額のもたらした興奮が冷めてきたら、相手を従わせるために、やがてその額を増やさざるを得なくなる。
    ただし、これをnow that(思いがけない)報酬に変えれば、影響は少なくなる。「素晴らしい仕事をしたから、ご褒美にご飯でもご馳走しよう!」。あわせて、①具体的でない報酬、②有効な情報(褒め言葉)を与えるとモチベーションは下がりにくい。

    ・ルーチンワークなどのそれほどやりがいを感じられない仕事には管理が必要。非ルーチンワークのように興味を喚起する仕事は、自発性が頼りとなる。

    ・報酬には本来、焦点を狭める性質が備わっている。解決への道筋がはっきりしているルーチンワークには効果的。前方を見据え、全速力で走らせるために有効だ。一方、右脳的な仕事、柔軟な問題解決や創意工夫が要求される仕事に対しては条件付き報酬がむしろマイナスに影響するおそれがある。

    ・自己決定理論。人には生来、能力を発揮したいという『有能感』、自分でやりたいという『自律性』、人々と関連を持ちたいという『関係性』の3つの心理的欲求が備わっている。

    ・タイプI(intrinsic)とタイプX(extrinsic)。タイプIは外部からの欲求よりも内部からの欲求をエネルギーとする(モチベーション3.0)。タイプXは外部からの欲求によってエネルギーを得る(モチベーション2.0)。あなたに活力を与えるもの、朝起きてから1日頑張る活力の源は、あなたの内側から生じているか?それとも外部から強制されているか?

    ・タイプIにとって、主な動機づけは、活動における自主性、やりがい、目的。タイプXの行動は石炭(使い切り)、タイプIの行動は太陽(再生可能)だと言える。

    ・自律性を維持するには、「何をするのか(task)」「いつするのか(time)」「どのようにするのか(technique)」「誰とするのか(team)」かがカギ。特に「誰とするのか」は先に生まれた家族のようなもので、その組織に入る前に慎重に選ばなければならない。

    ・マスタリー(熟達)とは何か価値あることを上達させたいという欲求だ。
    ・mustとcan。従業員のmustとcanが一致しないと、職場で欲求不満が起こりやすい。課せられた業務が個人の能力を超えると不安が生まれる。逆に能力以下の業務を課せられれば退屈になる。

    ・マスタリーは「マインドセット」だ。目標には2つある。
    達成目標:フランス語で優をとる
    学習目標:フランス語を話せるようになる
    得意だとは感じていなくても、学習目標があれば、生徒は粘り強く頑張れる。結局のところ、彼らの目標は学ぶことであり、頭が良いと証明することではない。

    ・マスタリーは「苦痛」だ。長期目標を達成するための「忍耐力」と「情熱」が必要。懸命な努力の重要性は理解されやすいが、目標を変えずにたゆまず時間をかけて努力を「継続」することの重要性はあまり認められていない。

    ・マスタリーは「漸近線」だ。目標には近づくことはできるが、達することはできない。それが欲求不満を引き起こし、到達しようとし続ける。喜びは、実現することではなく追求することにある。マスタリーはどうしても得られないからこそ、達人にとっては魅力的なのである。

    ・マスタリーへ近づく5ステップ
    ①意図的な訓練には、実力を挙げるという1つの目的しかない
    週に1度、10年間テニスをしていても、毎回同じことしかしなければ、実力はあがらない
    ②とにかく反復
    バスケットボールの名選手は、チーム練習後にシュート練習を10本しかしない?
    ③批判的なFBをもらう
    「下手くその 上級者への 道のりは 己の下手さを 知りて一歩目」
    ④改善すべき点に厳しく焦点を合わせる
    得意なことに何度取り組んでも上達しない。上達する人は、弱点に取り組む。
    ⑤訓練の過程の精神的、肉体的疲労を覚悟する
    マスタリーは「苦痛」だ。

    キーワード:自己Ctrlをするには、「有能感」「自律性」「関係性」を高める

  • ショッカーがモチベーション3.0について語っていて,いまさらながら読んだ.

    報酬や賞賛のために行動するという外的要因型のモチベーション2.0はルーチンワークには効果的である.

    しかし,近年の複雑化する社会のなかで必要となってくるのは創造的な非ルーチンワークである.そういった社会では,自発的に行動し(自律性),自らの意味のある知識や技能を鍛え(熟達),自己の利益を超えた行動(目的)が,人々の行動の動機付けとなる.

    この自律性,熟達,目的をキーワードとして,考え出されたものが外的要因型のモチベーション3.0であり,これからのモチベーションの基本形である.

    教育について述べている部分もあり,一つ前に読んだカーンアカデミーの本に通ずる部分もあったり,テイラーの管理論や組織論について述べられる部分は,ユーザ体験について書かれた Subject to change の組織デザインコンピテンシーに通ずるものがあり,2010年頃のサービスや行動に対する考え方のトレンドがわかってきた.

  • 何年か前から読もうと思ってたこの1冊、ようやく読み終えました。内容は、ここ数年感じていた「何のために働くのか?」というそれぞれの働く人たちのモチベーションが違うことについて腑に落ちる解説。自分がこのテーマを考えながら仕事を変えてきたのはそういうことだったか、と思いました。大きな発見だったなと思うのは、お金で釣ると自発的にやってくれていたことが止まってしまうこと。この逆効果は頭に入れておかないと、やり方を工夫しても「ただの徒労」に終わってしまう施策が出てきそうだなと思いました。

  • 組織にも、自分にも役に立つ「やる気」というモチベーションについて書かれています。動機付けの方法として機能してきたOS、生理的欲求や、前時代のアメとムチ(2.0)が、現代の人々の考えに合わなくなってしまっている。そのためOSを書き換える必要があり、その(3.0)の内容を書かれています。
    人を管理する「マネジメント」の考えから脱却して、自律的に仕事をさせるには、また自分がそうするためには、どうすれば良いのか。
    今の自分の働き方は、このままで良いのか、どこが良くて悪いのか。整理しながら読みました。

  • 科学の知識とビジネスの現場にはギャップがある。
    ビジネスにおける現在の基本ソフト(OS)は、外部から与えられるアメとムチ式の動機づけを中心に構築されている。これはうまくいかないし、有害な場合も多い。アップグレードが必要なんだ。
    科学者たちの研究成果がその方法を示している。この新しいアプローチには3つの重要な要素がある。
    <自律性>―自分の人生を、自ら導きたいという欲求、のこと。
    <マスタリー(熟達)>―自分にとって意味のあることを、上達させたいという衝動、のこと。
    <目的>―自分よりも大きいこと、自分の利益を越えたことのために活動したい、という切なる思いのこと。

  • 仕事とは「しなくてはいけない」からすることで、遊びとは、「しなくてもいいのにすることである」

    自分のために製作しているときは、創作に純粋な喜びを感じて、時間が経つのも気付かずに夜通しでも取り組んでいられます。

    四半期のガイダンスに多くの時間を費やす企業は、それほど頻繁にガイダンスを行わない企業と比べて、長期的な成長率が極めて低い傾向にある。

    ポジティブなフィードバックは内発的動機付けを高める効果がある

    人間の本質をもっと性格に評価し、組織運営にとってもっと効率的な出発点となる見解。仕事に興味を抱くことは、遊びや急速と同じくらい自然である。クリエイティビティや創意工夫の才は、すべての人に広く備わっており、適切な条件のもとなら、誰もが責任を漢字、責任を求めさえする。

    ROWEの戦略を導入した職場では、たとえ他社から現在より高い給与を提示されても、転職する可能性はきわめて低い。自分の好きなように仕事をする自由のほうが昇級より価値があり、得難い物だ。それに、社員の配偶者やパートナー、家族がROWEを何よりも喜ぶ

    Fedexが24時間で荷物を届けるように一晩で何かを伝える必要がある、創造的な怒濤の24時間で好きなことを好きなメンバーとともに取り組む。

    金よりも重要なのは、このようにクリエイティブな人を引きつける仕組み。社員は通常業務より、この20%の時間の方がはるかに効率よく仕事をします。ニュースを読んだり、Facebookをしたりなんて絶対にしないよ。

    在宅勤務のほうが快適で、監視されず、自立性志向の手法がいっそう幅広い人材を引きつける。仕事をしたいけれども通勤はままならなく、自分にあった方法で仕事をしたいと望む人々から絶大な人気があり、2倍以上の人材が通常の会社より高学歴社になる。

    マネジメントの目標は通常、効率性、メリット、価値、優位、焦点、差別化のような言葉で表現される。こうした目標も重要だが、人の心をかき立てる力には欠けている。ビジネスリーダーは、日常ビジネすの営みに、名誉や真実や愛、正義や美のような深遠で魂を揺さぶる思考を吹き込む方法を探す必要がある。人間味あふれる言葉を用いれば、おのずと行動もそうなる。

  • 1.0 生存のための行動、生理的欲求
    2.0 アメと鞭 外的動機付け、単純作業で短期的には効果がある
    3.0 内発的動機 クリエイティブなヒューマニックな作業

    2.0
    「仕事とはしなくてはいけないからすることで、
     遊びとはしなくていいのにすることである。」

    交換条件つきの報酬は自律性を失わせる

    アメとムチの致命的な7つの欠陥
    1.内発的動機づけが失わせる。
    2.かえって成果が上がらなくなる。
    3.創造性を蝕む
    4.好ましい言動への意欲を失わせる。
    5.ごまかしや地価身を、倫理に反する行為を助長する。
    6.依存性がある。
    7.短絡的思考を助長する。

    マネジメントはがたが来ているテクノロジーだ
    中心となる管理体系は依然としてコントロールである。
    主な手段は、あいかわらず外発的動機づけだ。
    →「指針を与えなければ、人間はどこに行ってしまうかわからない」
     →これが本当に人間の本質だろうか?

    権限委譲はモチベーション2.1に過ぎない
    フレックスタイム、ドレスアップも
    柔軟性を持たせる→柵を広げ、時おり門開けているに過ぎない。
    コントロールする姿勢には大差ない

  •  金銭などの報酬でモチベーションを高めるやり方は時代遅れの「モチベーション2.0」であり、自己実現などの内発的動機でモチベーションを高める「モチベーション3.0」の時代がやってきたとする本。自分の考えていることに近い部分があり、読んでいてテンションが上がった。第3部以降はいらねえだろうと思うけど、それまでは間違いなく面白かった。

  • 仕事がら、人や組織に新たな行動を取ってもらう、行動を変えるといった場面がしばしばあります。
    その際、「何がこの人/人達の行動を突き動かしているのだろう」と考えて取り組まないと、上手く事が運ばないなと感じています。
    この本はその、人間の行動原理「モチベーション」に関する本。
    モチベーション1.0を生理的動因(食欲、安全等)、2.0を「アメとムチ」(報酬と罰)と定義し、これまでの2.0とい”OS”が機能しなくなってきている、という問題提起から論じています。
    そしてモチベーション3.0という新しい時代に突入しているとして、「自律性」「マスタリー(熟達)」「目的」という三つの構成要素を上げています。
    本書全体の構成としては、2.0の欠点と3.0の概念の説明にページの多くが割かれてます。
    3.0の構成要素を満たすための新しい仕組みとしてどのようなことが考えられるのか、実例としてどのようなものがあるのかということについては、あまり触れられていないのが残念。
    これから試行錯誤して作り上げられていくのだろうなと、理解しました。
    逆に、そのような未来予測的な部分を排して、研究で得られた事実を冷静に説明しているというのが、著者の誠実さの表れかもしれません。
    いずれにしても、働くということに関する人間の意識が変わっていること、それに対して新しい仕組みが必要だということが、本書を読んで理解できました。

  • 人にすすめられたが読んで良かったと思える良書。
    今時の人のモチベーションを説いた話。
    アメとムチは過去の物ときりすて、
    自律やマスターするといった動機付けこそが
    新しい目的の持ちようと。
    仕事ならやらされているのか自発的なのか。
    そこに報酬も関係すると。

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著者プロフィール

Daniel H. Pink
1964年生まれ。米国ノースウエスタン大学卒業後、イェール大学ロースクールで法学博士号取得。米上院議員の経済政策担当補佐官を務めた後、クリントン政権下でゴア副大統領の首席スピーチライターなどを務める。フリーエージェント宣言後、経済変革やビジネス戦略についての講義を行うかたわら、「ワシントン・ポスト」「ニューヨーク・タイムズ」などに寄稿。著書に、『ハイ・コンセプト』(三笠書房)、『モチベーション3.0』『人を動かす、新たな3原則』(ともに講談社)など。

「2018年 『When 完璧なタイミングを科学する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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