詩集「三人」

  • 講談社 (2008年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062144605

みんなの感想まとめ

家族の絆と人間愛が詰まった詩集です。金子光晴、森三千代、森乾の親子三人が、戦時中の疎開先での生活を背景に、手書きで詩を紡いだ作品です。各詩は、親子の深い関係性を反映し、特に光晴の詩は静かな語り口で、家...

感想・レビュー・書評

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  • 金子光晴・森三千代・森乾さんの親子の詩集ですね。
    金子光晴(1895ー1975)詩人。〈夫〉
    森三千代(1901ー1977)作家。〈妻〉
    森乾 (1925ー2000)早稲田大学教授、翻訳家。
    金子光晴さんの家族三人が、戦時中の疎開先での生活から生まれた詩集です。
    三人ともこれが本になるとは思わなかったようです。
    解説の原満三寿さん(1940ー詩人、俳人、評論家、金子光晴研究者)は、『人間が肉体から肉体につながっていくように、肉のつらなりてしての家族愛を同心円として、同心円を手探りにして、つぎつぎに人間の皮膚と皮膚とが触れあって広がってゆく、大きな人間愛にまでいたっていることを、私は見逃したくないと思う。』と述べられています。
    親子三人の苦渋の選択のなかから生まれでた詩は、まことに人間愛に溢れています。

  • 暫く積んどいた本。
    4年弱に渡る金子光晴と森三千代夫婦の放浪。その間、放っておかれた一人息子、乾。
    やがて、乾は二十歳になり、召集令状がくるが、光晴は兵役回避を選び、山中湖の畔で親子三人の隠遁生活が始まる。
    その間の三人が手書きで作った詩集とのこと。光晴の詩は他の詩のようにあまり一つのフレーズが長くなく、あくまで妻と子に語りかける語り口。
    国や世間に対する言葉も以前の詩のように弾劾するような口調でなく、ともかく自分達を見付けるな、息子をさらっていくなと静かな口調。
    三千代夫人の詩は、放浪時代の会えない我が子に坊やと呼びかけるものもある。
    光晴のスケッチも何点かあり、本に囲まれ読書する息子の姿が書かれている。

    三千代夫人は昔の恋人に対する思いが去りがたくあったらしく、また光晴の詩には彼女を縛りつけた後悔を示す。
    世間の普通の親子より緊張感を孕んだ関係だが、親子3人がひっそり親密な時間を得て、静かに言葉を書きつけている。

  • 本詩集は詩人の中の大家といわれている金子光晴、その妻の森三千代、そして長男の森乾の三人の詩が結集した詩集といえる。詩集の中で親子との会話を交えているようである。

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著者プロフィール

金子 光晴(かねこ・みつはる):詩人。1895年、愛知県生まれ。早稲田大学高等予科文科、東京美術学校(現・東京芸術大学)日本画科、慶應義塾大学文学部予科をすべて中退。1919年、初の詩集『赤土の家』を発表した後に渡欧。23年、『こがね蟲』で評価を受ける。28年、妻・森美千代とともにアジア・ヨーロッパへ。32年帰国。37年『鮫』、48年『落下傘』ほか多くの抵抗詩を書く。53年、『人間の悲劇』で読売文学賞受賞。主な作品として詩集『蛾』『女たちへのエレジー』『IL』、小説『風流尸解記』、随筆『どくろ杯』『ねむれ巴里』ほか多数。1975年没。

「2023年 『詩人/人間の悲劇 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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