変愛小説集

  • 講談社 (2008年5月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062145442

感想・レビュー・書評

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  • 行きつけの図書館で岸本佐知子で検索して1、2と連作だったので借りてみました。
    読んでてなんでこれが恋愛小説集なのだろうと訝しくなりマジマジと表題を確認。おっと恋愛ではなく変愛だった!なるほどーーー納得。岸本さんが普通の恋愛小説を編集するなんて何でだろうと思ってたのでほっとした(笑)
    私の好きな岸本さん、さすがの選集です。面白かったり、少しグロかったり、生々しかったり、薄ら寒かったり、キモかっとりと選り取り見取りでちょっと変な全方向から楽しめるまさに変愛小説集です。最近、こう、ちょっと変てこなジャンル読んでなかったので楽しめました。さ、次 2読むよー。

    イチオシは宇宙服になっちゃうやつ。僕らが天王星につく頃。ドキドキハラハラして残る。

  • いやぁ〜、楽しませていただきました。俺的に岸本佐知子さんは、ナンバー1アンソロジストに決定!噴き出す場面もあるけどグロテスクな味わいもある『リアル・ドール』がお気に入り。収録されている作家の短編集も面白そうだ。

  • 岸本佐知子さんが翻訳された本を読んでみたくて。かなり変わった愛の物語が11話。「僕らが天王星に着くころ」が変で不思議だけど、切ない感じで好きな話だった。「リアル・ドール」の男の子の愛は異常すぎて苦手。

  • #奇想に中毒して、後半のベイカーやバドニッツがいたってまともに見えてくるから不思議。一編選ぶとしたら、まっさきに「獣」を。これを〈変愛〉のアンソロジーに入れてしまうあたりが、編者を無条件で信頼でき、かつ心は許せないところ(笑) P164の「猫みたいに父の手をぐいぐい頭で押し上げ」にズキズキ(7行目は誤植?)。

    #短編集を訳出して欲しいのはレイ・ヴクサヴィッチ。下半身が自転車の新しい種族、ってそれもう、穂村弘の短歌じゃん! 「僕らが天王星に着くころ」もじつに穂村弘的な。他、「五月」「ブルー・ヨーデル」もよかった。

    (2009/10/18)

  • 何かを求める心についての短編集。自分が欲深過ぎるせいか、いわゆる恋愛のバリエーションであるような話には(不思議ちゃんのドヤ顔が思い浮かばれて)あまり興味を引かれなかったけれど、以下の4編はよかった。

    レイ・ヴクサヴィッチ「僕らが天王星に着くころ」奇想とごく普通の人間関係のブレンド具合がいいかんじ。
    ジェームズ・ソルター「最後の夜」わりとありそうな話なんだけど、文章がひやっとしててはっとさせられる。人生を「何も考えずにただ読み進む」ってこわい。
    ニコルソン・ベイカー「柿右衛門の器」あ、それやっちゃってもいいか!という気づきが気持ち良かった。
    ジュディ・バドニッツ「母たちの島」男だけ・女だけの息苦しさ。このあとあの4人組はどうなるのか、長編で読みたい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「不思議ちゃんのドヤ顔が思い浮かばれて」
      まぁ「変愛小説集」ですからね。
      「柿右衛門の器」コレは最高ですね。ニコルソン・ベイカーは「もしもし...
      「不思議ちゃんのドヤ顔が思い浮かばれて」
      まぁ「変愛小説集」ですからね。
      「柿右衛門の器」コレは最高ですね。ニコルソン・ベイカーは「もしもし」が結構好き。
      2012/09/24
    • なつめさん
      ニコルソン・ベイカーは大昔何冊か読んだはずなのですが全然内容を覚えていないのです。再読が楽しみです
      ニコルソン・ベイカーは大昔何冊か読んだはずなのですが全然内容を覚えていないのです。再読が楽しみです
      2012/09/24
  • バリエーション豊かで楽しい短編集。
    以下気に入った書き手の人。

    アリ・スミス「五月」 
    「あのね、私木に恋してしまった。もうどうしようもなかったの」この本のド頭です。これでがっちりつかまれてしまいました。
    1人称で饒舌にドライブしていく感じが好き。

    ジェームズ・ソルター「最後の夜」
    岸本佐知子さんの言葉を借りれば「激苦」な短編。
    夫婦のダークサイドを異常な緊張感で描いていて、良し。

    全部変だけど、愛についての話です。
    故にカッティングエッジかつポップ。ドープかつキャッチー。
    素晴らしいと思います。
    ガイブン読まない人にもおすすめできるのではないかと。

  • 愛にまつわる11のアンソロジー。
    どれも理解し難いそれぞれの愛の形だった。時にグロテスクで不気味で、読む者に憎悪すら感じさせる愛。細部まで書かれたそのこだわりが愛を表していた。愛は一筋縄ではいかない。
    1番純愛だと思ったのは『五月』。木に恋をしている彼女ごと愛しているのだと思え、いいラストだった。
    不思議とさっぱりして好みだったのは『柿右衛門の器』。
    『母たちの島』は悲劇でしかなく、ため息をつきたくなるような苦しい話だった。

  • 装画/金氏徹平
    装幀/名久井直子

  • アリ・スミスの「五月」に一番惹かれた
    わたしも木が好きだ
    この物語では、木に恋した瞬間やその恋い焦がれていく心情が綴られ、わたしまでうっとりしてしまう

    すっかりわたしのなかで変愛が根付いてしまった
    恋をしているときは誰もが変なのだ

  • 文学

  • 概ね愛で、変な愛だからこそ、愛の本質、エゴイズムが浮き彫りにされている。これは愛か?という作品もあるが、文学の可能性を、地平を切り拓いた短編集として、読み甲斐がある。

  • 「五月」
    木の描写が美しかったなー。
    そんなに強く何かを想えない。

    「僕らが天王星に着くころ」
    「セーター」レイ・ヴクサヴィッチ
    この方の他の作品も読んでみたいな。
    セーターを着るなんて、誰でも経験(経験と言わないくらい当たり前の行為)したことのある行為なのに、どうなっちゃうんだろうってドキドキした。アイデアが面白くて素敵だな。

    「ブルー・ヨーデル」
    俯瞰した映像が浮かんでくるようで
    なんだか映画みたいだった。

    「母たちの島」
    2人の彼女と男の子たちが幸せを見つけれらるといいな。

  • 短編集。翻訳。『小泉今日子書評集』にて。十一篇の変愛物語。

  • 小泉今日子書評集で気になったので呼んでみた。変愛の面白さはまだ私にはわからなかった・・・。

  • 2008/05

  • 丁度、この本の前にニコルソンベイカーのノリーのおわらない物語を読んだばかりだったので、柿右衛門の器がニコルソンベイカーの作だったと知って嬉しい気持ちになった。少し読みづらかったけど、ブルーヨーデルが好きだった。

  •  "変"愛小説集と銘打った短編集。だけど、愛情を向けた対象が普通と違っていたり、設定が奇妙であったりするだけで、本人達の恋愛感情はピュアそのものであるように感じる。そして、誰か、何かのことが好きすぎて涙が出たり、一体化しちゃったりしながらも直向きに恋する登場人物たちが羨ましくなった。中でも印象に残ったのは、「五月」、「セーター」、「お母さん攻略法」。特にレイ・ヴクサヴィッチが気になる。

  • とにかく変なものを愛する、という話の詰め合わせ。どの話も割と強烈で、選んだ訳者のセンスが光る。最初の木に恋する話と、宇宙服になっていく話がとても好き。

  • 最近、日本版が刊行されたばかりの『変愛小説集』。オリジナルの方は翻訳家である岸本佐知子が自分の好きな海外短篇を毎月一篇、選んで訳し『群像』に連載したものを単行本にしたもの。翻訳家が訳すべき作品を自分で選べるというのは、多分楽しいことなんだろう。そういう意味では翻訳家の好みがよくわかるアンソロジーになっている。

    単行本化に当たってつけたのであろうタイトルは、つい「恋愛」と読んでしまいそうになるまちがいを誘う気の利いた趣向だが、中身は特に「変(な)愛」が主題とも思えない作品も多い。要は翻訳家の琴線に触れた作家、作品が選ばれたにすぎない。少し考えてみれば分かるが、世にあるどんな小説にも何らかについての愛が書かれていない小説などない。それが「変」かどうかは、誰にも決められはしないのだ。

    木に恋する性別不詳の「わたし」と、そのやはり性別不詳の相手と木の奇妙な三角関係を描いたアリ・スミスの「五月」が、中ではいちばん「変愛」の名に相応しい。人にとっての恋の対象は、たとえ「木」でなくとも、第三者にはどこがいいのか分からないものだろう。ただ、本人にとってのそれはかけがえのないもの。それがよく伝わってくる。

    SF的な発想のものや恐怖小説風の作品も多いのは、編者の好みもあろうが、掲載する雑誌やアメリカの読者に受けがいいのかもしれない。軽さと辛らつさがうまくミックスされ、それなりに楽しめるが、個人的にはわざわざ読みたいとも思わなかった。都甲氏の最新書評を読んで期待したジェームズ・ソルターの「最後の夜」も、今ひとつだった。書評を読んで想像していたソルターの方がずっと読んでみたい。邦訳作品がどこかにないものだろうか。

    まだ若い作者らしいがスコット・スナイダーという人の「ブルー・ヨーデル」が、中では最も好みの作品だ。蝋人形館だとか、飛行船、T型フォードという道具立てがまず好みだし、何故か自分を捨てて去った恋人をアメリカ中オンボロ車に乗って追いかける主人公の思いが他の作品にないピュアなものを感じさせる。表題は、ナイアガラの滝が凍るとき、氷のなかに閉じこめられた魚たちを指していう言葉だとか。印象に残る映像を言語表象化することのできる力を持った作家である。他の作品も読んでみたいと思った。

  • 「恋」だろうが「変」だろうが、本人たちからすればとても切実で、他人からすればどこかおかしいって点では、結局同じものなんだろうなぁ。『僕らが天王星に着くころ』、『柿右衛門の器』が特に好き。

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著者プロフィール

岸本 佐知子(きしもと・さちこ):上智大学文学部英文学科卒業。翻訳家。主な訳書にルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、ニコルソン・ベイカー『中二階』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、リディア・デイヴィス『話の終わり』、スティーヴン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』、ショーン・タン『セミ』、アリ・スミス『五月 その他の短篇』。編訳書に『変愛小説集』、『楽しい夜』、『コドモノセカイ』など。著書に『気になる部分』、『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞)、『なんらかの事情』、『死ぬまでに行きたい海』など。

「2023年 『ひみつのしつもん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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