変愛小説集

制作 : 岸本 佐知子  岸本 佐知子 
  • 講談社
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本棚登録 : 540
レビュー : 75
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062145442

感想・レビュー・書評

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  • 「五月」
    木の描写が美しかったなー。
    そんなに強く何かを想えない。

    「僕らが天王星に着くころ」
    「セーター」レイ・ヴクサヴィッチ
    この方の他の作品も読んでみたいな。
    セーターを着るなんて、誰でも経験(経験と言わないくらい当たり前の行為)したことのある行為なのに、どうなっちゃうんだろうってドキドキした。アイデアが面白くて素敵だな。

    「ブルー・ヨーデル」
    俯瞰した映像が浮かんでくるようで
    なんだか映画みたいだった。

    「母たちの島」
    2人の彼女と男の子たちが幸せを見つけれらるといいな。

  •  "変"愛小説集と銘打った短編集。だけど、愛情を向けた対象が普通と違っていたり、設定が奇妙であったりするだけで、本人達の恋愛感情はピュアそのものであるように感じる。そして、誰か、何かのことが好きすぎて涙が出たり、一体化しちゃったりしながらも直向きに恋する登場人物たちが羨ましくなった。中でも印象に残ったのは、「五月」、「セーター」、「お母さん攻略法」。特にレイ・ヴクサヴィッチが気になる。

  • 最近、日本版が刊行されたばかりの『変愛小説集』。オリジナルの方は翻訳家である岸本佐知子が自分の好きな海外短篇を毎月一篇、選んで訳し『群像』に連載したものを単行本にしたもの。翻訳家が訳すべき作品を自分で選べるというのは、多分楽しいことなんだろう。そういう意味では翻訳家の好みがよくわかるアンソロジーになっている。

    単行本化に当たってつけたのであろうタイトルは、つい「恋愛」と読んでしまいそうになるまちがいを誘う気の利いた趣向だが、中身は特に「変(な)愛」が主題とも思えない作品も多い。要は翻訳家の琴線に触れた作家、作品が選ばれたにすぎない。少し考えてみれば分かるが、世にあるどんな小説にも何らかについての愛が書かれていない小説などない。それが「変」かどうかは、誰にも決められはしないのだ。

    木に恋する性別不詳の「わたし」と、そのやはり性別不詳の相手と木の奇妙な三角関係を描いたアリ・スミスの「五月」が、中ではいちばん「変愛」の名に相応しい。人にとっての恋の対象は、たとえ「木」でなくとも、第三者にはどこがいいのか分からないものだろう。ただ、本人にとってのそれはかけがえのないもの。それがよく伝わってくる。

    SF的な発想のものや恐怖小説風の作品も多いのは、編者の好みもあろうが、掲載する雑誌やアメリカの読者に受けがいいのかもしれない。軽さと辛らつさがうまくミックスされ、それなりに楽しめるが、個人的にはわざわざ読みたいとも思わなかった。都甲氏の最新書評を読んで期待したジェームズ・ソルターの「最後の夜」も、今ひとつだった。書評を読んで想像していたソルターの方がずっと読んでみたい。邦訳作品がどこかにないものだろうか。

    まだ若い作者らしいがスコット・スナイダーという人の「ブルー・ヨーデル」が、中では最も好みの作品だ。蝋人形館だとか、飛行船、T型フォードという道具立てがまず好みだし、何故か自分を捨てて去った恋人をアメリカ中オンボロ車に乗って追いかける主人公の思いが他の作品にないピュアなものを感じさせる。表題は、ナイアガラの滝が凍るとき、氷のなかに閉じこめられた魚たちを指していう言葉だとか。印象に残る映像を言語表象化することのできる力を持った作家である。他の作品も読んでみたいと思った。

  • どれも確かに「変」なのだが「愛」って結局そんなものとの言に納得した。

  • 一冊目の方が面白かったとは思うが、十分満足。
    それにしてもこんなに才気あふれるダン・ローズの作品が今手に入らないとはどういうことか。ぜひ復刊してほしい。
    アリソン・ベイカーの西部劇パロディもばかばかしいようで以外に奥が深い。ソーンダースの「シュワルツさんのために」は傑作。ほろりとした。
    ソーンダースも翻訳作品はぜんぶ読んでしまったので、早く他の作品が翻訳されないかなあと思う。
    こういう先物買い的な楽しさがいい。
    もちろん岸本訳は言うことなし。

  • 世にも奇妙な愛の物語集。
    レイ・ヴクサヴィッチ「僕らが天王星に着くころ」
    スコット・スナイダー「ブルー・ヨーデル」
    が特にお気に入り。

  • 奇妙で時にはグロテスクな愛ばかりを集めた短編集。訳者が後書きで言っているように、純粋な感情がそこには詰まっている。個人的には先に読んだ「変愛小説集2」の方が好み。

  • 翻訳家岸本佐知子が海外の恋愛小説ではなく、変な愛をテーマにした短編小説をセレクトした作品集。この作品集を読んで、初めて海外小説を面白いと感じた。しかも、こんなにも発想豊かな小説があったんだという感動すらあり。いつも感じる、海外翻訳小説への不満というものがなかった。それどころか、日本の小説にはない凄味のようなものを感じる作品もちらほら。最後の「母たちの島」が、スケールといいテーマといいよかった。もともと岸本佐知子の文章は好きだが、数少ないほんものの翻訳家だと思う。セレクトする作家も素晴らしかった。

  • アリ・スミス「五月」
    レイ・ヴクサヴィッチ「僕らが天王星に着くころ」「セーター」
    ジュリア・スラヴィン「まる呑み」
    ジェームズ・ソルター「最後の夜」
    イアン・フレイジャー「お母さん攻略法」
    リアル・ドール「A・M・ホームズ」
    モーリン・F・マクヒュー「獣」
    スコット・スナイダー「ブルー・ヨーデル」
    ニコルソン・ベイカー「柿右衛門の器」
    ジュディ・バドニッツ「母たちの島」
    が読めます。
    レイ・ヴクサヴィッチという人の書いたものが一番自分にしっくり来ました。

    これらはもう、「変愛小説集」というより「変態小説集」です。
    結構エグかったりグロかったりしまして、ゾワゾワするのもあります。
    どれも異空間に放り投げられたような心もとなさとともに、新しい世界の見方や世界の飛び越え方みたいなのを教えてくれます。
    「本」がどこか違う世界へ連れて行ってくれるなら、この本はまさにそんな本です。

    どうやらパート2も出ているらしいですね。
    気になります。

    NHKの深夜枠とかで、アニメーションシリーズとかになればいいのに。

  • 翻訳小説のススメ第1段

    愛する年下の恋人を丸のみにしてしまう
    皮膚が宇宙服に変わっていく病気
    女しかいない島
    人形を愛する少年
    木を愛する人妻

    設定がとっぴ過ぎて頭が混乱すること多々
    しかし
    美しく流れるような文体に酔える部分も多々
    だからぶっとんだ設定も
    客観視すぎることなくリアルに伝わってくるんやと思う
    面白い

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