アトミック・ゴースト

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 13
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062146470

作品紹介・あらすじ

「日本のようになりたい」-核開発に猛進するイラン政府高官の不気味な発言の真意とは?誰が大統領になっても、米国が永遠に手を切れぬ核の"亡霊"の正体とは?「9・11」を利用して、「使える核」の実現を目指した「核ネオコン」の存在とは?冷戦期とはまったく様相が異なる「第二次核時代」の脅威とは?核テロを未然に防ぐため、米政府が進める核物質回収の超極秘作戦への同行取材を許されたジャーナリストは、世界でわずか三人のみ。その一人にも選ばれた、核報道の第一人者が、被爆国だからこそ、われわれ日本人が直視しなければならない現実を突きつける-。

感想・レビュー・書評

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  • うーん、アメリカの核政策はみえてくるんやけど、アトミックゴースト待望論としても捉えられるような気がしてまった。

  • 核廃絶をめぐる動きをおさらいするために【赤松正雄の読書録ブログ】

     このところ核兵器廃絶に向けてのいろいろな動きが見られる。オバマ大統領の昨年4月のプラハ演説に先駆けて、キッシンジャー、シュルツ氏ら4賢人と呼ばれる米国のかつての指導者たちが核兵器廃絶について発言をしたり、日豪両国がICNNDという共同イニシアティブを立ち上げている点などとりわけ興味深い。昨秋に専門家に、お勧めの本を訊いた。そのときにあげてもらったのが太田昌克『アトミック・ゴースト』である。一度読んだものの、なかなか頭に入らない。で、昨年末に二度目の挑戦。今度は一転、よく分かった。時系列通りの章立てでなかったから苦労したのかも知れない。

     共同通信の記者として、現場感覚に貫かれた幅広いインタビューが展開されており、ブッシュ政権の核政策をおさらいする上で、これ以上の本はない。恐らく、太田さんは今オバマ政権下の核をめぐる動きを書くべく準備をすすめているのではないか。

     ちょうど、時期を同じくして日経新聞国際部のK記者が同紙上に核問題を知る上で欠かせない本について紹介をしていた。かつて彼は政治部記者時代に公明党を担当。彼は中嶋嶺雄先生の東京外大の教え子ということもあり、いろいろと付き合う機会が多かった。その後、国際部に移動、オーストリアに転勤するなど国外に出ていた。その彼のお勧め3冊のうち、テレーズ・デルペシュ『イランの核問題』を読んでみた。イランを軸に「核」に関心を持つ国々との関係をコンパクトに解説しており、米国のフォレンアフェアーズ誌でも絶賛されていたようだ。ちょっと簡単すぎて物足りないところもあるが、イランをめぐる国際社会の核事情が手にとるように分かった気になるのが嬉しい。

     核廃絶に向けての取り組みも新段階に入った。これまで与党の一員として矛盾に充ちた政策判断をしていた傾向が強かったので、このあたりで気分を一新して新基軸を打ち出したいと思っている。その矢先にいい刺激を受けた。

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著者プロフィール

太田 昌克(共同通信編集委員、RECNA客員教授)

「2018年 『核の脅威にどう対処すべきか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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