- Amazon.co.jp ・本 (154ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062147873
感想・レビュー・書評
-
どこか心当たりのある話。
はじまってもいないけど
おわってもいなくて
妙な期待はあるのに
なかなかはじまらない
仲良くなって、あーこのまま付き合っちゃうのかしら私たちって思っている横から鳶が油揚げさらってくみたいなことはよくある話
そういう話
主人公の小笠原も
小笠原が好きな田中も
私はあまり好きじゃなかった
若い。
サークルまたはそれに通ずる何かに打ち込んだ。
恋をした。
そんな人に懐かしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マンドリン部に所属する主人公の小笠原と
彼女が気になっている男の子の話
私は音楽やったことないので、
「文系の団体競技」を経験したことがない
この感覚が分かればもっとこの話の
深いところに目が向けられたかも
正直小笠原みたいなきつい子は
仲良くなれない気がするけど、
彼女が素直に行動しているだけって
わかるから読んでるとちょっと共感してしまう
なんか柴崎友香の書く話みたいだったなー -
ん~何とも言えない読後感。
-
大学で吹奏楽をやっている小笠原のお話。
主人公を「小笠原」と呼ぶなど、一定の距離を置くことで感情を破棄しているようだ。
その感情が破棄されていることが著者の考える、現代大学生なのだろうか?
この書き方によって読者である僕も「小笠原」や「田中」に感情移入することなく、彼らが「吹奏楽」だけでつながっているように、
読者と登場人物とは「本」だけでつながっているのだ。
学校だけでつながったり、仕事だけでつながったり、ネットだけでつながったり
僕らは「つながり」を求めているが、その「つながり」はその媒体の中だけであり、
媒体を出ることはない。「つながり」を打破する気力はない。
つながっているようでつながってないのが人間なのだろうか。。。
**引用**
足音というものは、いつまでも聞こえるものではない。
去っていく足音は、最初のほうしか、自分にはしない。
いつしか聞こえなくなり、去った人の面影は失せる。 -
長い終わりが始まる。
タイトル通り、物語が進むにつれて一つの恋愛が終わっていきます。なんでも、クラシックの曲に終わりそうな雰囲気かもし出してるのに中々終わらない曲があるらしく、そこからインスピレーションをうけているみたいです。
主人公の小笠原(女)も田中(男)もどこにでもいそうな大学生で同じ音楽サークルに入っています。小笠原は田中の事が好きでたまらないけど、田中にとって彼女はそんな存在じゃなくて…。
んー。ナオコーラさんの文章は、普段中々気にしないけど無意識にあるある!!って思う事を丁寧に書いてるっていう感じがしました。
例えば、こんな文章
それから、その中の一本(ヘアピン)を手にとって、くいと開き、人差し指を挟んでみると、血の流れが止まり、指先が白く冷たくなっていく。体の一部で血の流れが止まるというのは、快感の元になる。
とか
「なんで、苺ミルクなんか飲んで、可愛こぶってるの?」
とか、なんだかよくわかんないかも知れないけど、結構着目点が素敵な作家さんかも知れない。代表作は「人のセックスを笑うな」機会があったら読んでみたいなと思いました。 -
マンドリンサークル所属の小笠原の物語。
なんでこんなにコンミスやらパートのトップやらに執着してるのかわからんが
サークルや音楽に対する価値観の違いにモヤモヤイライラする気持ちはわからんでもない。
自分がやりたい音楽のためには幹部になることが必然だったんだろうなぁと後になって気づいたが。 -
図書館にて。
「人のセックスを笑うな」もあんまり好きではなかったけど、これもあんまり好きではない。
でも、それはリアルな痛い感じが身につまされて辛かったのかもしれない。
不器用でも一生懸命だし、彼女がいる人でも好きになってしまう。
そのどうしようもない感じがきつくて、こういう人をこの作者は描きたいんだな…と感じた。 -
2010/11/29
-
題名通りだと思います。
丁寧に終わりを書いた。 -
おもしろかったし、私の好きな雰囲気だった。
2人は最後まで一度も付き合わないってのが、なんかいい。
小笠原はすーごい田中のことが好きなのに。
てか、田中はとても思わせぶりだ。小笠原が好きだって事知ってるのに。
でも、小笠原のように素直に好きな人に「好きだよ」って言えるのはすごい。
なのに泣くときは一人で泣いているところが、素直じゃない。
気持ちはわかるけど。
一番かわいいのは、フラれた小笠原が田中にした仕返し。
小学生レベルなのがかわいいし、結局好きなんだなぁと思った。
やっぱり私は小笠原と友達にはなれないだろうね。