上を向いて歩こう

  • 講談社 (2008年7月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062148436

みんなの感想まとめ

人間関係や家族の絆をテーマにしたこの作品は、東京神楽坂の湯屋「花鳥風月」を舞台に、親子や夫婦の複雑な感情を描き出しています。主人公の桐山は、元筋者でありながら、温かい雰囲気の中で客たちの悩みや愚痴を受...

感想・レビュー・書評

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  • <粋を通すこと>
     
     神宮坂で「湯屋」を営む桐山を中心に「父親と子ども」をテーマとした連作8編。

     湯屋の名は、「花鳥風月」。(彼の一卵性の双子の名前が、花鳥(カチヨ)、風月(フヅキ))

     10年前に、デッドストックとなっていた芸者衆専門の湯屋を改造、カウンターバーを設け、季節の幸と上手い酒を提供している。


     桐山は、もと裏家業の人間で、双子の母親は他界している。7編は、柚子湯、大根湯、よもぎ湯、桃の葉湯、生姜湯、菊湯、松の葉湯、と薬草湯の題名がつき、お客さんの話を桐山が聞くという形になえいる。
     しかし、最後の一遍は「雪」という題で、桐山が17歳で見習いの若者として裏家業に入ってからの修行と、兄貴と二人で組を抜ける話。そして、その兄貴はいま…。


     作者にとっては、「鳶はくるりと」の世界か。
     粋な桐山さんの周辺の、粋に生きようとする世界。

    2009-02-04 / 小川三郎

  • 世の中のいろんな親父を愛情をもって描いてくれていて、世の親父のひとりとしては応援歌に思えた。ヒキタは親父のことが好きだったんだなぁ、きっと。じゃなければ男っていうバカな生き物をこんな風には描かない。

  • 登場人物が小気味よい。
    オススメ

  • 神楽坂の会員制風呂屋「花鳥風月」を中心にストーリーが展開。
    桐山は元ヤクザ。
    ヒキタクニオ作品の中ではいちばん好き、かな。

  • いろいろな形の父親像を描いた短編集。
    ひとくちに父親像と言っても仕事ができて優しくてというようなステレオタイプの良い父ではなく、ひと癖もふた癖もありがならもどこか惹かれるような人が多かった。
    ヒキタ氏の作品に共通する「格好いい日本男子」を凝縮したような作品でした。
    オジサン向きですが、女性にも読んでみて欲しいですね。

  • ヒキタクニオ『上を向いて歩こう』読了。湯屋「花鳥風月」に集まるお客とその主人の対話から始まる短編集。この人は職人気質なオヤジを描くのがうまい。どうでもいいが、読んでいる間中、「花鳥風月」の主人は自分の中でずっと大杉連で再生されていたw

  • 筋者が堅気になってお天道さんが眩しいくらい上を向いて歩くことからこのタイトルがついたみたい。
    もと筋者が神楽坂ではじめた湯屋「花鳥風月」ここのお客のオヤジさんの話。子どもたちは自分をどんなオヤジと思っているだろうか?

  • 読んだのに覚えていない・・よそ様のレビュ、花鳥風月がでできて やっぱり読んでると。楼閣を風呂屋とか想像琢磨 すると、面白い。

  • 短編の物語が花鳥風月という湯屋で桐さんという主人と客の話の中で淡々と進んでいくが、その中に必ず親子の情や機微が織り込まれている。
    親とはこうだなとか、こんな関係もあるなとか、思わずうるうるする話もあり飽きずに最後まで読めた。
    上を向いて歩こうと言う最後の編がこの本の題名になっており、この花鳥風月の成り立ちがその中で最後に分かると言う憎い終わり方でした。

  • ヤクザ稼業から足を洗って、神楽坂で「花鳥風月」という湯屋を商っている桐山。
    彼のもとを訪れるさまざまな客が、自分たちの話を酒の肴にぽつぽつと落としていく体裁の連作短編集だ。
    古臭い、と感じられるような「親父像」にこだわった短編は、角張っていて武骨でかなしみとおかしみがある。
    ラストの桐山自身の過去を語った編が、なんかいいなぁ。

  • 舞台は神楽坂にある湯屋『花鳥風月』。
    そこの主人桐山は裏家業から足をあらい、湯屋を始めたといういわくつきの人物。
    でも、その人生経験ゆえ、客との会話に深みが出る。

    客の語りに出てくるオヤジ達が今回の主人公。
    客本人がオヤジのこともあれば、娘や息子が語るオヤジもいる。
    娘と母の関係の小説はよく読んだけど、息子と父の関係の本はあまり読んでいなかったかもな。
    男同士というのもまた色々屈折したものがあるんだろう、と読みながら感じる。
    女性と違い、本音を言葉で表現しない人種故の悩みだろうか。
    『一通大臣』、『鬼やんま』で特にそう感じた。

    たまにはこういう男性視線の小説を読むのも勉強になるかもね。

  • 仕事帰りの電車の中で読むのに良かった。少々時代に取り残された人達が集まる、神楽坂の湯屋が、本当に路地裏にあると楽しい。今時儲からない風呂屋の資金繰りが商売柄気になったが、最後に前職が明かされ、これなら一生遊んで暮らせるだけ溜め込んだと納得。

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著者プロフィール

1961年、福岡県生まれ。イラストレイター、マルチメディアクリエイターとして活躍後、「凶気の桜」(新潮社)で小説デビュー。2006年「遠くて浅い海」(文藝春秋)で第8回大薮春彦賞受賞。

「2018年 『触法少女 誘悪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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