ラジ&ピース

著者 :
  • 講談社
3.19
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本棚登録 : 415
感想 : 106
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  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062148801

感想・レビュー・書評

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  • 仙台から、群馬のFM局に辿り着いた、幼い頃から自分に自信がない女性DJの心を描く、絲山秋子の最新作。「ラジ&ピース」 という番組は、聞いたことはありませんが、ほんとうに 「FMぐんま」 にあるらしい。

    リスナーたちが空を飛んで、スタジオの野枝のそばに座るのだった。はしゃぎながら、はにかみながら話すのだった。そして心だけを寄せて黙ってにこにこしているリスナーもいた。通り過ぎていくリスナーもいた。少しだけそこにいて、帰って行くリスナーもいた。退屈そうにあくびをする
    リスナーもいた。けれど、エアステーションのからっ
    ぽのブースに、たくさんの心が集まるのだった。

  • 「ラジ&ピース」:主人公・相馬野枝にまとわりつく倦怠感が好きだ。舞台が群馬という中途半端さも、それが生かされていていい。
    「うつぐすまふぐすま」:タイトルよく分からないけど、福島のことだ。震災前の福島。もう、このような福島を描いた小説は二度と現れないだろう。原爆が落ちなかった広島を描く小説が二度と現れないように。

  • 2016/01/04 読了 図書館
    エロなし

  • 絲山秋子さん、初読み。なんともさらさらと読めて、不思議な読後感。独特の世界観と心理描写で、テンションは上がらないけれどまったりと他の作品も読んでみたいと思った。

  • 14/7/14

    自分が嫌いで周りにも敵意を向けて過ごしているラジオDJの話。
    暗いし嫌味な女なんだけど読んでいて不快にならないのが不思議。
    寂れた商店街を見て自分と重ねるシーン、なんだかわかるなぁ。
    大きな変化はないけれどなんだか落ち着く話だった。

  • 前橋と高崎の関係っておもしろい。

  • 舞台の地が群馬で、新鮮。

  • 絲山秋子初読。薄い本なのでさらっと読めた。主人公の性格がどうにもこうにも好きになれないけどなんか地方FM曲っていう設定は好きだった。2011/574

  • 野枝のような人間が生きていられることこそがなんというか希望。迷わなくていい、そこにいる的な言葉。三人称だからなんとなくエールっぽく響く。別にいい話風味ってわけでもないんだけどどことなくほっとする作品だった。

    同収の「うつくしまふぐすま」なんでだよ、とまず思い、読み終わった後もうっすら覚えている。
    同姓同名でえび学の研究をしている中野香奈さんとの出会いと慎一郎という彼氏との別れの時期を描いた作品。

  • ラジ&ピース、野枝がだんだん可愛く思えてくる。私も女性で「好きな声」のDJが数人いるが、きっと野枝はアルトだと思う。
    医者の沢音もいいなあ。豪快で。
    「うつくすま、ふくすま」3・11原発がらみかと思ったら、書かれたのが2006年だった。
    回文女子、中野香奈笑える。とにかく福島は無関係。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。「イッツ・オンリー・トーク」で文學界新人賞を受賞しデビュー。「袋小路の男」で川端賞、『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、「沖で待つ」で芥川賞、『薄情』で谷崎賞を受賞。

「2023年 『ばかもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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