- Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062148801
感想・レビュー・書評
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仙台から、群馬のFM局に辿り着いた、幼い頃から自分に自信がない女性DJの心を描く、絲山秋子の最新作。「ラジ&ピース」 という番組は、聞いたことはありませんが、ほんとうに 「FMぐんま」 にあるらしい。
リスナーたちが空を飛んで、スタジオの野枝のそばに座るのだった。はしゃぎながら、はにかみながら話すのだった。そして心だけを寄せて黙ってにこにこしているリスナーもいた。通り過ぎていくリスナーもいた。少しだけそこにいて、帰って行くリスナーもいた。退屈そうにあくびをする
リスナーもいた。けれど、エアステーションのからっ
ぽのブースに、たくさんの心が集まるのだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ラジ&ピース」:主人公・相馬野枝にまとわりつく倦怠感が好きだ。舞台が群馬という中途半端さも、それが生かされていていい。
「うつぐすまふぐすま」:タイトルよく分からないけど、福島のことだ。震災前の福島。もう、このような福島を描いた小説は二度と現れないだろう。原爆が落ちなかった広島を描く小説が二度と現れないように。 -
2016/01/04 読了 図書館
エロなし -
絲山秋子さん、初読み。なんともさらさらと読めて、不思議な読後感。独特の世界観と心理描写で、テンションは上がらないけれどまったりと他の作品も読んでみたいと思った。
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14/7/14
自分が嫌いで周りにも敵意を向けて過ごしているラジオDJの話。
暗いし嫌味な女なんだけど読んでいて不快にならないのが不思議。
寂れた商店街を見て自分と重ねるシーン、なんだかわかるなぁ。
大きな変化はないけれどなんだか落ち着く話だった。 -
前橋と高崎の関係っておもしろい。
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舞台の地が群馬で、新鮮。
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絲山秋子初読。薄い本なのでさらっと読めた。主人公の性格がどうにもこうにも好きになれないけどなんか地方FM曲っていう設定は好きだった。2011/574
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野枝のような人間が生きていられることこそがなんというか希望。迷わなくていい、そこにいる的な言葉。三人称だからなんとなくエールっぽく響く。別にいい話風味ってわけでもないんだけどどことなくほっとする作品だった。
同収の「うつくしまふぐすま」なんでだよ、とまず思い、読み終わった後もうっすら覚えている。
同姓同名でえび学の研究をしている中野香奈さんとの出会いと慎一郎という彼氏との別れの時期を描いた作品。