ラジ&ピース

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062148801

感想・レビュー・書評

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  • 高崎の地元ネタが面白かった。
    2作目は収録されていない方がいいかも。

  • 不思議な読後感です!
    地方FMのDJを務める相馬野枝さん
    自分はブスで無愛想だと自覚しているので、他人に迎合しないように反骨精神むき出しで生きています
    あまり好きな女性ではないのけど、自分のなかにもそんなとこあるなぁなんて思ってしまって、憎めません

    短い作品なので直ぐに読み終わりますが、これ、長かったら読了できないと思います

  • 絲山秋子の本を全作読むつもりで、出版順は特に木にせず、手当たり次第読んでいる。
    この小説は、書きたい事があって書いているというより、小説を書くために書いている感じが強くする。全体にそれほど統一感がない。野枝の芯が定まっていないように思う。実際人なんて定まっていないんだから、リアルといえばリアルなのかもしれない。しかし一冊の本としては全編を貫く確固とした方向性がないと、矛盾にモヤモヤしてしまう。
    中盤野枝がラジオパーソナリティについて天啓を得るシーンには、不思議な感動があった。字で書かれているのに、綺麗な絵が脳裏に浮かぶ。ざわめく人の気配すら感じるほど、イメージを想起させる力が強い。
    この場面が読めただけで読んだかいがあったと思えた。

  • その昔、毎晩ラジオ番組を聞いていたことを思い出して、懐かしくなりました。

    読後感もさわやか。
    いい気持ちで読み終えることができました。

  • 群馬のJOSHU-FMに入社が決まった32歳のアナウンサー、野枝。
    陽気な女医師と仲良くなったり、かつての恋人のことを想ってみたり、自分と違う性格の妹を思い出してみたり、野枝には考えることがたくさんある。
    自分の容姿に自信はない、それどころか醜いと自覚している。けれど、カフスイッチを上げてマイクに向かえば、いつだって出たとこ勝負で喋ることができる。

    ラジオリスナーと仲良くなって飲みに行ってみたり、東京から群馬に戻る新幹線で寝過ごして越後湯沢まで行ってしまったり、前橋と高崎を比べてみたり、と生活は続いていく。考えることはいくらでもあるが、考えなくてもいい。たまに踏み外すことだってアリなのだ、と野枝は悟る。

    -----------------------------------------------

    妻帯者のラジオリスナーと仲良くなって問題になるとか、群馬に馴染めなくて悩むとか、そういうトラブルは何も起きない。野枝さんが色々と頭のなかで考え、その場にあった行動をし、日々は続いていく。

    野枝さんの群馬での生活はなんとなく楽しそうで、なんとなく楽しいってのはとても素晴らしいことで、トラブルもなければ大きなクライマックスもない話だったけれど、穏やかで充実した時間があった。

    野枝さんと沢音さんが時速百五十キロで関越道をぶっ飛ばし、”同じ景色を見ている沢音と誰よりも一緒にいると思った”と野枝さんが感じるところの文章がとてもよかった。

  • 言語のチョイスが好みすぎる。

  • 当てのない漂流の果てにたどり着く場所は?
    他人とはうまくつきあえない、幼い頃から自分に自信がない女性がたどり着いたのは、北関東の町。
    ラジオの電波を通じて感じる見えない人々の温度。
    (アマゾンより引用)

    この主人公、あんま好きじゃない

  •  絲山秋子さんの群馬に対する熱い思いが詰まっていますw。「ラジ&ピース」、2008.7発行。相馬野枝32歳は、仙台のラジオ局で6年勤務した後、群馬のJOSHU-FMに入社。「ラジ&ピース」という午後2時間の生放送番組を担当。高崎と何もない前橋の違いも徐々にわかってきます。高崎に来てすぐ赤提灯で友達になった女医の狩野沢音がいい味わいを醸し出しています。前橋に住むリスナーの男性とも楽しい時間を過ごしています。群馬が本当にお好きな方だなと思いました(^-^)

  • 地名をはっきりと登場させることで世界が限定され、とても身近に感じました。
    「うつくすまふぐすま」は、無意味に呼応するうつくすまふぐすまという響きが、何の気なしに共鳴してしまう女性二人の友情と重なり心地好い読後感。

  • 「感情を抑える必要もない。音楽のように豊かに溢れ出せばいい。悲しみも喜びも、ときには怒りだって。たまには踏み外したっていい。」(138ページ)

    世の中イヤなことだらけ。
    自分のことがすっごい嫌い。

    そんなラジオパーソナリティの主人公が、
    自分と周りと折り合いをつけていく物語り。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。「イッツ・オンリー・トーク」で文學界新人賞を受賞しデビュー。「袋小路の男」で川端賞、『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、「沖で待つ」で芥川賞、『薄情』で谷崎賞を受賞。

「2023年 『ばかもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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