- Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062149914
感想・レビュー・書評
-
定年退職した元小学校教師が、当時の子ども達と、起こった事件の思い出話を妻に語っていく短編集。
ほのぼのミステリーを、奥さんが気持ちよく解決してくれる。
現役時代は、学校で問題が起きても妻には話さなかった主人公が、思い出を語り、当時未解決な事件を妻がいとも簡単に解決してくたり。夫婦の掛け合いに癒される。
6年生教科書掲載図書詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
6年生教科書掲載本
ですが、語り口調から、むしろ大人向け。子どもに読ませるなら将来教師になりたい子向けかと。
読んでるときはミステリーという認識はなかったのですが、まあ謎解き本と言えなくもないでしょうか。
今、自分がいい妻ではないと思っているので、ちょっとこの奥さんの完璧さが気に入らなかったのかも…
一番印象に残ったのは『先生は嘘つきだ』と言った理由。
女の子のスカートをめくった子どもに「人のいやがることをしてはいけない」
トイレそうじをいやがる子どもに「人のいやがることを進んでしなさい」
一瞬なるほど、と思ったけれど、自分を振り返ると
前者の場合、私はこう言っている
「人にされていやなことを人にしてはいけない」
揚げ足取りみたいですみません。 -
引退した小学校の先生が思い出のエピソードを妻に語るという形の、ミステリー風味のおはなし集。
著者が12年間小学校の先生だったということで、子供たちの心の動きがリアル。老先生はとてもいい先生だったと思うのだけど、色々と反省しきりで、ミス・マープル顔負けの優しい奥さんが先生にはわからなかったことまで謎解きをしてくれる。 奥さんが先生に対してとても丁寧な敬語なのがちょっと気になったけど(先生は「おまえ」呼ばわり)、わりとじんわりくるお話だった。
以前この人の「大人向けの」ミステリーを読んで散々だったのであまり良い印象がなかったのだけど(でも娘のお気に入りの作家)、良い人なのだなと思った。 -
和む。
すぅっと読める。 -
5つの物語は、主人公が教諭を退職した後
妻に回想を聞かせる形で紡がれている。
どの話も、奥さんの優しさが際立っていて、
主人公よりも、存在感が大きい。
こんな奥さんは、理想的すぎます。
子供たちは、どう読むのか?
そういった意味でも、楽しみな本です。 -
定年になった先生の思い出話。
小学校の先生は50年たった今でも一番忘れることが出来ない。 大好きな先生の下手な字が格好いいし、体育や遊び時間は子供と一緒に暴れまわる先生が頼もしい、何もかにもがあこがれていた。
結婚式の祝辞は今も忘れない、その先生も7年前に亡くなられた。 寂しいもんだな。 -
夢水探偵シリーズでお馴染み、はやみねかおる氏による、小学校を舞台とした先生視点の短編集。もちろんミステリ仕立て。
話のネタは、はやみね氏が教鞭を執っていた頃の実話だそう。そりゃ面白いわけでした。タイトルから、生徒視点の、先生をからかったり喧嘩したりなチャラい青春話じゃないだろうか、と勝手に想像していましたが、話し手が先生のお蔭か、意外とかっちりした構成でした。大人になってから読むと、だんだん懐かしい気分になると思います。
生徒の思い出語りの集大成ということで、さすがはやみね氏、200ページでうまくまとまっているな~。 -
<内容>定年退職をむかえた元・小学校の先生が、子どもたちとの日々を小さな謎をひそませながら、奥さんに語ります。謎がとけたとき、幸せな子ども時代がよみがえる―。小学校を舞台に、先生と子どもたちのきらめくような夏をとじこめた、はやみねかおる最新ミステリ短編集。
-
やっぱり、はやみねさんの作品は安心して読めますね(^^♪最近ヘビーな小説を読むことが多かったので、たまにこういう物語を読むと心が温まります。定年退職した小学校の先生が、過去に学校で起こったささやかな事件を奥さんに話して聞かせる(そして奥さんが話を聞いただけで解決!)という形式の短編集です。なんというか、はやみねさんの人柄の良さや教師に対する考え方がそのまま本書に現れているような、温かいミステリーです。先生とその奥さんはまさに理想の老後夫婦といった感じ!妻に対してとても感謝しているのに、それを素直に言葉に出せない不器用な先生がかわいらしいです。余談ですが、小学校の先生って中学や高校の先生とは違った特別な感じがします。今でもとても印象に残っている「先生」は小学校の先生です。この本を読んで、その先生に手紙を出そうかな、という気持ちになりました。