- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062150002
作品紹介・あらすじ
就任1年目にしてライオンズをパ・リーグ優勝に導いた青年監督が語る「ゆとり世代は管理では動かない」。
感想・レビュー・書評
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これはリーダーのための本。
相手と同じ目線で話すこと、視野を広く持つこと、情報共有の仕組みを作ること、相手によって接し方を変えること。
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2008年の 西武ライオンズを少しでも知っている人
野球を少しでも知っている人には あぁなるほどねっと
思える部分が多いと思います
読んでいる間 あぁ なるほどぉ
の連続でした
選手 と 監督との間には
コーチがいる
コーチとの接し方
選手との接し方 対話の仕方 など
管理者として 参考になる部分がたくさんありました
チーム モチベーション
世代間での対話 そんなことを学べる本でした。 -
”渡辺さんの強いポリシーが丁寧に表現されている一冊!いまどきの若い選手たちを観る眼がたしかだし、それを表現する言葉の感性が鋭いんだと思う。
・僕から、こまめに、ちょこちょこと (p.19)
★今の選手たちはこちらの意図を「理解」してくれさえすれば、それを現実にするための方法を考える能力は、昔の選手たちより優れているように思います。
だからこそ、適切な言い方を選び「言葉の力」で選手を理論的に指導していく能力が、今の指導者には必要とされているのではないでしょうか。(p.24)
→世代論で若者を切って捨てずに、よいところをきちんと表現。
・「投手陣は、キャンプ初日の2月1日にはもうブルペンに入れる予定だ。また1クール終わったら、打撃練習でバッティングピッチャーとして投げてもらう。そういうスケジュールで動くので、そのくらい投げられる準備をしておいてほしい」(p.32)」 #具体的な指示!
・あの場面に彼(引用注:星野智樹投手)を送り込むことで、僕が彼に伝えたかったメッセージがもうひとつありました。それは「今季は大事なところでおまえを使うからな」というものです。(p.37)
★でも目の前で行われているプロの練習についていけない。そんなとき“うわー、プロってこんなにすごいのか”と自分で勝手に判断してしまう。(中略)
そう考えて、心が折れてしまう選手もいるのです。
僕はそれを“心の肉離れ”と読んでいます。(p.46) #新入社員にも同じことが言えるのでは?
・僕がベンチでコーチ陣にお願いしていたのは「失敗しても試合中は選手を責めないこと」。たとえ負けが込んでいても、それは一貫して徹底させていました。そうしなければ選手が萎縮してしまい、お客さんを呼べる「個性」など出てこないからです。(p.51)
#若いチームならではだけど、うちのチームにも言える?
★「最近の若い者はハングリーさが足りない」とは、昔から年長者が若者をさしていう常套句といえます。でもそれは本当のことでしょうか。(中略)
現代の若い選手は非常にシャイなところがあり、闘志を表に出すのが恥ずかしいという思い込みがあるだけ。ハングリーさが外に出ていなくても、まったく心配することはないし、僕がそのことで選手の扱いを変えることはありません。
ハングリーさは心の中にしっかりと抱いていればそれでいい、と僕は思っています。(p.56)
・「あなたがこれから野球に関わっていくにあたって、絶対にプラスになることなのでしょう?海外でコーチができるなんて、こんなチャンスはなかなかないよ。子どもたちのことや、日本のことは私がちゃんとやるから、大丈夫」
#台湾球界に渡る相談をした奥さんからのセリフ。
★言葉で置き換えながら、それまでの自分のピッチャーとしての14年の経験を再認識する。それまでは説明できなかった自分の体の動きや経験を、言葉を介することで整理して、自分以外の選手にも伝えられるようになっていく。僕は「野球って面白いな」と改めて感じ、「この面白さを若い選手に伝えたい」と思うようになったのです。(p.82)
#ヤクルト時代の話。ディープスマート。ぎりぎりのレベルで言語化。
・「ライオンズを明るく、強いチームにするにはこの男しかいない」
僕は真っ先に、彼に電話をしていました。大久保と一緒なら、必ずチームを変えられる。そう考えたのです。(p.115)
・現役時代から、大久保はとにかく野球に関するあらゆる知識を、貪欲に吸収していました。彼はとにかく「メモ魔」なのです。常にどんなときでも手帳を持っていて、人のいうことを必ずメモしています。彼の風貌からすれば意外に思われるかもしれませんが、じつは大久保はそういう、マメな男なのです。(p.117)
★春のキャンプでは、「ヒーローインタビュー」の講座を開きました。(中略)
その講座では、「『応援よろしくお願いします』で締めるのはやめましょう!」という決めごとと作りました。当たり障りのないコメントではなくて、自分にしか言えない面白いことを必ず言うように、と。(p.127)
#選手の個性を伸ばすため、ファンに喜んで球場に来てもらうため
★このシステム(引用注:特製カルテ)は、基本的に「目の届かない選手」の存在を許しません。僕も含めて首脳陣、コーチ陣が、今まで以上に一人ひとりに注目して毎日を過ごすようになりました。当たり前のことですが、コーチ陣にも「手抜き」をする余地が許されなくなっているのです。(p.133)
#これ人開チームでできないか?
・意外にお客さんが喜ぶプレーがじつは「盗塁」です。特に初めて野球を観に来たお客さんが、野球ファンになるひとつのキッカケとなるプレーは、盗塁なのだそうです。(中略)
その点球場に足を運べば、観客のどよめきを肌で感じて、リアルタイムで「盗塁」を見逃さずに楽しめる。ホームラン、三振、そして盗塁。さらには盗塁にかかわらず「走塁」も大切です。そういう「動きのある野球」を目指していけば、ファンは球場に戻ってきてくれる。そう考えたのです。(p.147)
・「今のうちのチームで、球が速くて三振を取れるのはナベ、お前しかいない。抑えには“三振を取る能力”が一番大事だし、お前の若さで抑えを経験したら、将来絶対に役に立つぞ」(p.184)
#渡辺久信投手 2年目の5月に広岡監督から言われたことば。モチベーションがわく説得!
★僕はあの1球とその後の体験から、今、若手の選手が悪い結果を出したときも「なぜ、あそこでこうしないのか」と、結果だけを見て話すことは絶対にしないという考えを持つに至りました。あの日、僕は指導者としての「言葉の重要性」を、期せずして学ぶ経験をしたといえるかもしれません。(p.197)
★ライオンズは阪神や中日に比べたら、まだまだ「子ども」のチームなんです。
でも、子どもには子どもの、成長を眺めていくという楽しみがある。今のライオンズのメンバーは、誰もが楽しみなところがある選手たちです。
「このチームをどうやって強くするか」
それを毎日一生懸命考えられるのは、このうえなく楽しい仕事なのです。(p.219)
#こういうことに喜びを見出せる人が本物のリーダー。企業でも同じ。” -
現役時代、カッか、カッかして、ぼやきで有名な名将に「群馬の田舎者」と酷評されていた著者から想像つかないタイトルで手に取りました。
日本で現役引退してからコーチング、台湾での現役復帰を通して様々な事を学び、寛容力を身につけた事がよく分かります。
少々自慢話っぽく感じているところは読み飛ばしコーチングの書として読むといいと思います。 -
はぁ
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台湾時代は現役への執着だと当時自分も思ってましたが、実際はそうではなかったようで…すみません。それをきっかけに、客観的に選手を観察して指導する「寛容力」を発揮されたみたいです。片岡や栗山、涌井らの性格にも少し触れられていて、主力選手のプレー以外の面をうかがい知れることも。渡辺さんは比較的若い監督で、現代っ子の性質を理解できる方なのかもですね。しかしこれは監督初年度に優勝した時の話。やりくりが全くうまくいっていない現状で、寛容力をどこまで通せるか結構気になります。
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自分がライオンズファンなのと、今年で監督を退任したのがきっかけで、図書館で借りました。
渡辺監督の人柄がにじみ出ており、「寛容力」という名の通り、
若手の力を信じて、失敗を恐れずにチャレンジさせる指導力は、
野球に限らず、実践できるものではないかと思いました。 -
2013年シーズンをもって西武ライオンズの監督を退任しシニア・ディレクターに就任したゴッド・ハンドナベQこと渡辺久信が監督初年度に日本一に輝いた年に出版された本。ナベQの方針“寛容力”をもとに選手育成・監督業について語る。ナベQが33歳という若さで引退していること、実は中日ドラゴンズの山本昌投手と同級生の48歳であること、台湾でのプレイングコーチ経験のことなど知らなかったことがたくさん。ナベQのたどった道筋を27歳の涌井秀章投手が辿っているように見えてならない……涌井は才能だけじゃなく努力しているはずなので大丈夫だと信じたいけれど…2013/319
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「特製カルテ」は自分でもやってみようと思った。
渡辺久信さんの回顧録。