要訳 紅楼夢 中国の「源氏物語」を読む

著者 :
  • 講談社
3.10
  • (0)
  • (4)
  • (3)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 45
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062150026

作品紹介・あらすじ

没落貴族の恋愛と悲哀。中国の国民的古典を現代感覚で要訳。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 他愛のない女性の物語をゆっくりと読みたくなった。紅楼夢は学生の頃にちょっとだけ読もうとしたことがある。だが、今は体が読書についていかない。たとえば岩波文庫は字が小さくて読めない。平凡社は幾分大きめだが12巻はスタミナが持たない。そこで、本書のようなつまみ食いの良書に頼るが、他愛のない心情を鑑賞するには無駄がなさすぎて、味わいが乏しくなる。言い訳ばかりだ。
     とはいえ、二人のヒロインとその他の女性たちの幾人かの個性は少しわかってきた。また、それらの女性たちの特徴をもっと知りたくなった。どうでもいいことだが、彼女たちの良いところや、身近に居たら困ると思われることを考えるのは楽しそうだ。今度はビデオからアプローチするか。

  • 中国版『源氏物語』の『紅楼夢』
    『三国志演義』『西遊記』『水滸伝』『紅楼夢』4点揃って、中国の四大古典といわれる。紅楼(こうろう)は、朱塗りの高殿のことで、貴族や富裕階級が住むにふさわしい煌びやかな邸宅街(今でいうなら億ション街)のこと。中華王朝風ラブロマン。

    まずはツッコミどころが満載過ぎて、唖然としてしまう。昔、堺正章が『西遊記』の孫悟空役を演じ、巨岩の中からボガーンっと出てきた、アレか⁉
    あーいう世界観なのか?と想像しながら、ページをめくる。(そういう世界観なのです)

    主人公は口に珠(通霊宝玉と文字が浮かんでいる)を含んで生まれてきた賈宝玉(かほうぎょく)…前世は西方浄土(天界)の仙童、神瑛使者。
    神瑛使者が可愛がって育てた小さな花(絳珠草・こうじゅそう)は、林黛玉(りんたいぎょく)に、生まれ変わる。二人はひとつ違いのいとことして、人の世に転生するが、前世の記憶を失っているため、互いの関係に気がつけない。

    優しいけど時々キッと感情を爆発させ(かんしゃくを起こし)乱暴な口をきく宝玉と、賢いけど少し生意気でやきもち焼き(嫉妬深い)泣き虫の黛玉。
    中華圏にありがちなドタバタ展開だけど面白い。
    四話「情愛に目覚める夢を少年は見た」…この宝玉が見た夢物語が「紅楼夢」と呼ばれるようになる。

    メモ
    四家…賈家、薛家、王家、史家

  • 紅楼夢(こうろうむ)
    清の時代に書かれたお話。三国志演技、水滸伝、西遊記と並んで中国四代名著とも言われるため興味があって読み始めたが全部読みきれず。。時間切れになってしまい図書館に返却。どうしても読みづらい部分があり、読むのに時間がかかってしまう。いつか最後まで読みたいな。

  • うーん・・・中国の源氏物語と説明されていますが、源氏物語とは掛け離れた内容だったかと思います。類似していたところは主人公が女たらしなところでしょうか。要訳なので、大まかで濃い内容ではないなと思いました

  • 7

  • 何度か読み始めたが、途中でストップしてしまっていた「紅楼夢」、王敏さんの要訳でようやく読むことが出来た。

    青年貴族の夢・恋物語の形をとった、中国社会の、人生観・家族間・死生観・宗教観・宇宙観を含む伝統や習俗の描写が古典として読み継がれているのだろう、と感じられる。

    北京・上海郊外のテーマパーク「大観園」には機会があれば行ってみたい。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

中国・河北省承徳市生まれ。大連外国語大学日本語学部卒業、四川外国語大学大学院修了。宮沢賢治研究、日中比較文化研究。人文科学博士(お茶の水女子大学)。「文化外交を推進する総理懇談会」や「国際文化交流推進会議有識者会合」など委員も経験。日本ペンクラブ国際委員、朝日新聞アジアフェロー世話人、早稲田大学や関西大学などの客員教授などを歴任。法政大学名誉教授、桜美林大学特任教授、拓殖大学客員教授、周恩来平和研究所所長。
宮沢賢治を中国に初めて紹介したことで知られている。90年に中国優秀翻訳賞、92年に山崎賞、97年に岩手日報文学賞賢治賞を受賞。2009年に文化庁長官表彰。
主著:『周恩来と日本』(三和書籍)、『嵐山の周恩来』(三和書籍)、『禹王と日本人』(NHK出版)、『宮沢賢治、中国に翔る想い』(岩波書店)、『宮沢賢治と中国』(国際言語文化振興財団)、『中国人の愛国心─日本人とは違う5つの思考回路』(PHP新書)、『ほんとうは日本に憧れる中国人─「反日感情」の深層分析』(PHP新書)、など。
共著:『自分がされたくないことは人にもしない』(三和書籍)、『日本初の「世界」思想』(藤原書店)、『<意>の文化と<情>の文化』(中公叢書)、『君子の交わり 小人の交わり』(中公新書)、『中国シンボル・イメージ図典』(東京堂出版)、『中国人の日本観』(三和書籍)、『日中文化の交差点』(三和書籍)など。
要訳:『西遊記』、『三国志』、『紅楼夢』など
中国語作品:『漢魂与和魂』、『十国前政要論全球<公共論理>』、『中日神話伝説比較研究』、『中国小説与伝説在日本的伝播与再創』、『銀河鉄道之夜』、『生活中的日本─解読中日文化之差異』、『宮沢賢治傑作選』など多数。

「2022年 『福田康夫文集 世界の平和を求めて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

王敏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×