実さえ花さえ

著者 :
  • 講談社
3.83
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本棚登録 : 204
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062150422

作品紹介・あらすじ

江戸・向嶋で種苗屋を営む若夫婦、新次とおりんは、人の心を和ませる草木に丹精をこらす日々を送っている。二枚目だが色事が苦手な新次と、恋よりも稽古事に打ち込んで生きてきたおりんに、愛の試練が待ち受ける。第3回小説現代長編新人賞奨励賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸で種苗屋を営む夫妻の物語。
    出てくる一人一人の造形が豊か。
    綺麗な文章で清らかな世界観。
    後半盛り込み過ぎて一つ一つのエピソードが薄まってしまったのが残念。
    夫妻と雀にまつわるあれこれをもっと深く読みたかった。
    でもこれがデビュー作とは驚き。

    【図書館・初読・10/10読了】

  • 日本語遣いが上手で美しいから、職人たちの暮らしぶりが目に浮かぶようです。植物の知識が豊富で、次々披露されるのも楽しい。ただ、江戸中期の向島、種苗職人の新次おりん夫婦と雀の物語で纏めて欲しかった。吉野太夫のお話はスピンオフです。むしろ、新次と利世が決着をつけたあと、新次はおりんとどう接したか、おりんはどう折り合いをつけたかは書いて欲しい。ポーカーフェイスの新次と鈍感なおりんでは納得できませんね。

  • 12/5
    江戸は向嶋、草花を「風流」と喜ぶ界隈で、種苗屋をいとなむ新次・おりんの若夫婦。お客からの注文に、粋をこらして良い鉢を作る。花の絵入りの「お手入れ指南」も人気の花屋。

    そんな「なずな屋」若夫婦と、江戸の風変わりな人々が織りなす人情譚。


    「小説現代長編新人賞」奨励賞、らしいですが、新人にしてこの完成度の高さはすごい。十年以上コピーライターとして勤めた作者さんだからこそ、テンポの良い言葉づかいに味があるんだなあ。
    良い文章です。澱がなくて清い川のよう。いつまでも浸かっていたくなりますね。


    12/10 読了

    しみじみとする読後感でした。
    ああでも、キャラクターが素晴らしかっただけに、続き物で見たかった(T T)デビュー作だから仕方ないとはいえ、この一冊でお終いとは、心から勿体ない!!


    また、吉原の風習(※↓詳細は引用)についての描写が詳しく面白く、作家さん勉強家だなあと。
    本の終わりの参考文献の欄に、『泣いて笑って三くだり半 女と男の縁切り作法』とあって、「えー!?そんな本あるの!?」なんてビックリ(笑)

    新撰組のマンガ『風光る』でも似たような話がありましたね。
    作者さんが「吉原の遊女の、生理の対処法が知りたい!」と思っていたら、『江戸の女たちのトイレ』に書かれていて大喜びした――とか。

    いやあ、探せばあるもんですね。本って、ものすごく広範囲の、呆れるほど膨大な知識の集大成なんだなあと、改めて興味深く思う、今日この頃です。

  • 2009はじめて☆5かも。
    文章もゾクゾクするよ。『水で洗い上げたような月夜である。・・』
    『実さえ花さえ、その葉さえ、今生を限りと生きてこそ美しい』
    誰が主人公だったのか、わからなくてもいいといえる。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「文章もゾクゾクするよ。」
      引いてくださってる二つから充分判ります!
      全然知らない作家さんなので、試しに読んでみようかな。。。
      「文章もゾクゾクするよ。」
      引いてくださってる二つから充分判ります!
      全然知らない作家さんなので、試しに読んでみようかな。。。
      2013/02/07
    • こんぺいとうさん
      花まる、ありがとうございます。ぜひ読んでみてください。題名を「花競べ・・・」に変えて、文庫収録されたみたい。
      花まる、ありがとうございます。ぜひ読んでみてください。題名を「花競べ・・・」に変えて、文庫収録されたみたい。
      2013/02/08
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「文庫収録されたみたい。」
      有難うございます。文庫購入しました「職人小説」って良いですよね、しかも「育種」ってモダンな感じ(杉浦日向子の本か...
      「文庫収録されたみたい。」
      有難うございます。文庫購入しました「職人小説」って良いですよね、しかも「育種」ってモダンな感じ(杉浦日向子の本か何かで、朝顔の品種改良とか盛んだったと読んで、ビックリした記憶があります)。
      読むのが愉しみです。。。
      2013/03/21
  • 2019.1.25

  • 江戸の町を彩る花の種や苗を商う「なずな屋」を舞台とした話。新人さんですが、ぜんぜん新人っぽくないこなれた文章だなー。しかも面白い!私の好きな「人情過ぎない」「戦わない」江戸ものにぴったりでした。
    江戸の花といえば、朝顔か菊、それもかなりいびつなまでに交配を繰り返すものばかりしか読んだことがなかったので、こういう市井の人々も楽しめた花について描かれていたのが新鮮でした。
    ラスト二話は、ちょっと展開がどっちつかずで疑問でしたが、最初の二話は完璧に面白かった。無理に時代ものにしないで、架空の話にしたほうが面白くなると思う。おすすめです。

  • 「後は野となれ、山となれ」と言えるのは、豊かな自然のある土地で育った言語であることが前提だなんて、気がつかないくらい、ドップリ日本人で幸せデス (^O^)
    舞台は江戸時代、隅田川界隈の向島。この辺、大好き。

  • 面白かったけれど、主人公2人の人物造形がちょっと物足りなかった。周りの、ご隠居や理世、雀、留吉やお袖の方がキャラがたっていて、肝心の主人公2人ー特におりんーは無色透明な感じだったので、共感したり投影したりするのが難しかった。テレビドラマ化されたりした場合、おりんを演じる女優さんは為所がないので難しいだろうと思った。とはいえ、しみじみほっこり心が温まるお話だった。

  • 朝井まかてさんのデビュー作「実さえ花さえ」、早速ファンになりました!

  • 新次とおりんが営む種苗屋「なずな屋」を舞台にして、花にまつわる出来事が描かれる。読んでいてほっとできる、温かいお話。花火を捕まえた、といって金平糖を見せるしゅん吉がかわいい。これがデビュー作だなんて驚き。朝井まかてさんの他の本も読んでいきたいです。「実さえ花さえ、その葉さえ、今生を限りと生きてこそ美しい」

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著者プロフィール

朝井 まかて(あさい まかて)
1959年生まれ。甲南女子大学文学部国文学科卒業後、コピーライターとして広告制作会社に勤務。独立。2006年から大阪文学学校で学び、2008年第3回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞してデビュー。受賞作は『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』と改題され、講談社文庫に収録されている。
2013年、幕末から明治を生きた歌人・中島歌子の半生を描いた『恋歌』で第3回本屋が選ぶ時代小説大賞、2014年第150回直木賞を受賞。ほか、2014年『阿蘭陀西鶴』で第31回織田作之助賞、2016年『眩』で第22回中山義秀文学賞、2017年『福袋』で第11回舟橋聖一文学賞、2018年『雲上雲下』で中央公論文芸賞、『悪玉伝』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞。
他の著書に『ちゃんちゃら』『すかたん』『先生のお庭番』『ぬけまいる』がある。『眩』は2017年に宮崎あおい主演でドラマ化された。

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