この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下 (100周年書き下ろし)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 389
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062152433

感想・レビュー・書評

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  • 期待ほどではない。現代の閉塞感を表現する方法は他にもあるはず。

  • 胃がんを患う現役の週刊誌編集長。彼を中心に現代日本の様々な問題を描く。政治経済芸能暴力そしてセックス。今の日本で何が起こっているのか、何が正しいのか…これでもかこれでもかと押し寄せるないようにおぼれそうになる。

  • 上巻と印象は変わらず。引用文がやたらと多く、物語りとしての面白さはあまり楽しめない。

  • 詳細は後ほど。

  • ニヒル

    世界の矛盾を見つめれば、その矛盾にはきりがない。
    自分の内を見つめれば、その不幸にもきりがない。
    ならば、自分は、過去にも現在にもとらわれすぎず、今という現在を自分にとって過不足なく生きるしかない。

    最後の場面がもつ説得力はすごいと感じた。
    説得力を持たせるために見事にストーリーを展開させてる。

  •  う~ん、難しかった。大手出版社の辣腕編集長でありながら、癌を患い妻とは表面的な生活を続け、三ヶ月で亡くした息子の声を聞く男が日頃どんなことを考えているかということになるのかな。

     難しい社会問題とか政治がらみのこととか、デキル男はいろいろたいへんだねえ。

  • 上下巻。小説部分より人生論、社会論的なエッセイが多い。一般論を踏まえて一歩進んでいるし同調する内容だが、そちらに振り回されてストーリーは崩れてしまっている。人物像も甘く、突き離している感じ。問題を欲張って詰め込み、収拾がつかなくなったんじゃないかな~、このパターンは白石さんらしいけど。

  • ●下巻を読むにつれて、上巻での方向性の曖昧さの意味が
     わかってきたような気がする。

    ●当初、P144『男女関係にとって最も大事なものは互いの
     貞節だと考えています』といいながら複数の女性と関係を
     持ったり、『金持ちは自分たちへの下らない贅沢のために
     お金を使うべきではない』といいながら自分へのご褒美
     としてホテルニューオータニのデラックスツインに
     泊まったり、貧困を無視する社会を批判しながら自身は
     全く貧困問題に取り組んでいなかったりすることに
     違和感があって、素直に受け入れられなかった。

     しかし、川端は過去の自分、未来の自分というものに
     捉われず、その場で今の自分の行動をみつめ、『これは
     自分が当然成すべきことだろうか』と問いかけながら
     行動をしていた。つまり、今の行動と過去の行動に矛盾が
     あっても何も問題ではなく、さらには思考と行動すら
     一致している必要はないといえるだろう。


    読了日:2010/03/15

  • ガッカリ。

  • 面白いんだけど、なんだかな・・・です。
    上巻と同じ。
    何かに似ていると思ったら、アレに似てます。『象の背中』。
    あれも癌患者の話だしな。

    上巻と変わらず、政治評論、社会論、女性論など引用を引きながらの主人公の口を借りての持論が展開されてます。
    後半のカウンセラーに語る長広舌など、なんだかうすら寒くなるほど。

    まぁでも本当に後半はまぁまぁ面白かったです。

    小説の新しい書き方としては評価するけど、伊坂みたいに驚かされるわけでもなく、ただ何て言うかちょっと浅い?感じがします。
    上っ面をするすると滑るような。

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著者プロフィール

1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋に勤務していた2000年、『一瞬の光』を刊行。各紙誌で絶賛され、鮮烈なデビューを飾る。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞を、翌10年には『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞。巧みなストーリーテリングと生きる意味を真摯に問いかける思索的な作風で、現代日本文学シーンにおいて唯一無二の存在感を放っている。『不自由な心』『すぐそばの彼方』『私という運命について』など著作多数。

「2023年 『松雪先生は空を飛んだ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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