それってホントに「うつ」? 間違いだらけの企業の「職場うつ」対策 (講談社+α新書)
- 講談社 (2009年3月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062152785
作品紹介・あらすじ
会社を休職してディズニーランドに行く若者達! 周囲に蠢く困った同僚、部下の精神分析!! 「うつ状態」の診断書に要注意。4タイプ別対応で、不毛な職場を変える! ――「従来型」と「現代型」という2つのうつを、同じ病気としてとらえ、「うつ病にはがんばれと言ってはいけない」「うつ病には職場におけるストレス軽減が重要」などと画一的な対応を求めることが、職場におけるうつ病対策をかえって難しいものにするのです。
感想・レビュー・書評
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私は精神科産業医として勤務をする中で、様々な職場で「彼はホントにうつ病なんですか?」という質問を投げかけられます。そこには、確かにうつ病の場合もあれば、典型的なうつ病としては理解できないこともあります。つまり、「うつ病」、「うつ状態」という診断書からだけは、限られた情報しか手に入れることができないということなのです。
病気の原因や症状によって飲む薬が違うのと同様に、「職場うつ」の原因や症状によっても対応方法が異なることは言うまでもありません。本書を通じて、様々なパターンの「職場うつ」があることを知って頂き、企業が「職場うつ」対策としてどのようなことをすべきなのか、そしてしなければならないのかをご理解頂ければ幸いです。
内容(「BOOK」データベースより)
周囲に蠢く困った同僚、部下の精神分析!会社を休職してディズニーランドに行く若者達!「うつ状態」の診断書に要注意。4タイプ別対応で、不毛な職場を変える。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
従来型うつ病(メランコリー親和型うつ病)、現代型うつ病(ディスチミア親和型うつ病)、パーソナリティ障害、内因性精神障害のそれぞれを実例を通して解説されているため、症状、原因、対処方法がわかりやすい。
管理職として、ラインケアにあたる方は、一度目を通しておくと良いように思う。
ただ、この本の中でも著者が書いているが、現在、メンタルケアが必要との認識は会社側にはあっても、ラインケアに携わっている管理職の中では、その認識が薄い場合が多々ある。
前向きに治療に取り組んでいる者に対し、どん底に落とすような言葉を投げかけてしまう管理職も少なくない。
現場の意識を変えられるかどうかが、現在でも課題となっていると思える。 -
抑うつ状態などの症状名が記載されることの多い診断書の中に、様々な異なる病気が潜んでいるのに、職場では、従来型のうつ病を前提にした対応が採られているという問題を産業医の立場で、つまり、本人のほか、職場のメンタルヘルスという観点も含めて分かりやすく解説されている。
いわゆる新型うつのことを知りたいと思って読んだが、診断書にうつと書かれていても、従来型うつのほか、新型うつ、パーソナリティー障害、内因性精神障害があり得、それぞれに異なる対処法があるということがよく分かった。精神科医という専門家だと、例えば、内因性精神障害にも統合失調症を始め色々な病気があることを細かく書きたくなるだろうが、一般向けということで、あまり細分化せずに大くくりにしてあるところがよい。職場という視点から、休職や職場復帰について注力されていて、人事担当だけでなく、全ての組織の管理職が心得ておくべきことがたくさん記載されていて、組織人必読の一冊といえよう。 -
昔のいわゆる本当のうつ病と、最近よく聞く新種うつ病の違いについて書いた一冊。
同じ「うつ病」でも随分違う、というのはよく言われることだが、対応の違いに気を配らなければいけないというのがよくわかった。 -
産業医による職場の「うつ」の問題への取り組み方を書いた本。
一口に職場の「うつ」といっても、従来型のうつ病ばかりではなく、現代型とか新型とか言われるうつ病もあり、ほかにパーソナリティ障害や統合失調症、双極性障害なども「うつ症状」などと診断書に書かれることがある。
これら職場「うつ」を2本の軸により4分割して示した図はものすごく分かり易い。
4通りの「うつ」に対し、これまでほとんどの職場が従来型うつ病に関する対策ばかり行ってきたが、残り3通りにそれはよくないという。4通りの「うつ」それぞれに適切な対策はこれだ、と著者はその対策を示している。
タイトルがよくなくて、まるで最近話題の「新型うつ病」を<うつ病じゃねえ、甘えんな>とか言っている内容かと勘違いしてしまう。表紙の右上に「間違いだらけの企業の「職場うつ」対策」と書いてなかったら買うのをためらうところだった。
ちなみに著者は「新型うつ」も病気であるというスタンス。従来型ともども、「頑固でこだわりが強い」という共通点があるという(80ページ)。ただし、推奨される職場の対策は両者でかなり違う。手段は違うけど、両者とも大事な人材だから職場にちゃんと戻れるようにする、という対策の目的は同じ。
新型うつだけでなく、従来型うつ病で職場復帰に悩んでいる人にも、読んで得るところがある本。
199ページ以降の「仕事を減らさずにうつを減らす」という項など、この本ならではのいい論考だと思う。 -
[ 内容 ]
周囲に蠢く困った同僚、部下の精神分析!
会社を休職してディズニーランドに行く若者達!
「うつ状態」の診断書に要注意。
4タイプ別対応で、不毛な職場を変える。
[ 目次 ]
序章 職場の困った人々
第1章 「従来型うつ病」の正体
第2章 広がる「現代型うつ病」という名の病理
第3章 うつ病でないのにうつ?「パーソナリティ障害」
第4章 うつ病に似て非なる「内因性精神障害」
第5章 職場復帰プログラムが会社を変える
第6章 現場の一産業医からの提言
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
書店をぶらついていたら、
この本の帯の「会社を休職してディズニーランドに行く若者達」って、キャッチコピーが目に入り、
興味を引かれたので、購入して、読んでみました。
従来の「職場うつ」(まじめな中間管理職(40〜50才代)に多い)と、
最近の「職場うつ」(20〜30才代に多い)や、
うつに近い症状が出るその他の病気の違いを、わかりやすく分析し、解説してありました。
…私は、職場うつにはならないと思うんですが、
若干、思い当たる部分もあって、不安になりました。
今はもう、大丈夫ですけどね!
仕事が忙しすぎて、すごくしんどかった、12〜2月は、生活全般(趣味も含む)について、無気力気味でしたからね…