職場の法律は小説より奇なり (セオリーBOOKS)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062153171

感想・レビュー・書評

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  • 基本書の副読本という感じかな。中立の立場で書かれているとは思うが,使用者側よりの視点で書かれている気がするのは,私が労働者だからか。

  • 個人的には、労働法学者としては異端とも言える人ではないかと思います。しかし、述べていることは合理的で、結構うなずけます(少し言い過ぎではないかというところもありますが。。。)。労働法にはいたちごっこのようなところがあって、法規制によってかえって雇用の場が失われることもある(と私は思っている)ので、そういう考え方に共感を覚える人には向いていると思います。

    一方、労働者の権利保護に重点を置く視点から見ると、とんでもないという風に思うのではないでしょうか?

    内容はちょっと難しいと思います。派遣というちょっとマニアックな領域がボリュームがあるので(しかし、派遣法は専門26業務のように、説明が苦しい箇所がたくさんあるのも事実です)。

  • 労動法は、労働法という法律がある訳でなく、200件を越える労働関係法令から出来ている。そのうち労動三法は、明治憲法のもとで、定められている。歴史を持った法律であり、労動という多くの人が関わりを持つ法律で、社会の常識などに合わされてきている。
    著者は、規制改革の現場と国立大学法人の人事労務の現場で活躍されており、法令や裁判例をあげて、課題を指摘している。また、どちらかというと、経営側の視点で書かれている。
    「職場の法律は小説より奇なり」と若干刺激的なタイトルとしているが、法の前にある常識も奇なところがあるので、仕方がないと思ったりもする。
    読み応えがある本であった。

  •  大阪大学の労働法の教授である小嶌典明先生が、日本の労働法がいかにヘンテコなものであるかを、わかりやすく書いてくれた。『職場の法律は小説より奇なり』は、管理職はもちろん、雇用問題に関心がある人は必読だ。規制改革と大学法人の人事労務の実務に関わった労働法学者だからこそ書くことができた日本の労働法の姿が、この本に描かれている。
     どうしてこんな変な労働法に私たち日本人は困らされることになったのだろうか。小嶌先生の答えは明快だ。それは、裁判官も含めて公務員という「労働法の適用を受けない者が、労働法の世界を経験しないまま、労働法をつくる」からだ。
     不況で雇用調整が深刻になってくると、雇用不安を「解消する」ために、様々な雇用法制の改革が提案される。そうした提案に関わる人たちは、是非この本を読んで、本当にその改革が労働者のためになるのか、を考えてほしい。

    目次
    基本ルールと現場の心得-できないことは約束しない

     第1話 労働法という名称の法律はない
     第2話 労働契約の内容は就業規則で決まる
     第3話 限界のある労働協約、際限のない交渉義務

    職業生活の有為転変-捨てる神あれば拾う神あり

     第4話 採用にミスマッチはつきもの
     第5話 辞めるとき、辞めさせるとき
     第6話 変わるもの、変わらないもの

    裏目に出た規制強化-正義の道は地獄へと通じる

     第7話 かえって雇用が不安定化した派遣社員
     第8話 更新に限度が設けられた有期雇用契約
     第9話 待遇改善が難しくなったパート従業員

    口には出せない行政への注文-過ちを改むるに憚ることなかれ

     第10話 四・六通達と「サービス残業」
     第11話 告示三七号と派遣・請負の区分
     第12話 九・二六通達と「2009年問題」

    ウソのような本当の話-事実(法律)は小説より奇なり

     第13話 仕事をしない「仮眠時間」も労働時間
     第14話 組合員は1人でも1000人でも権利は平等
     第15話 労働法の適用を受けない公務員の世界
    (大竹文雄ブログ:2009/3/4)

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