たまごを持つように

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 414
感想 : 83
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062153218

作品紹介・あらすじ

手の内は「握卵(あくらん)」。自信が持てず臆病で不器用な初心者、早弥。ターゲットパニックに陥った天才肌、実良。黒人の父をもち武士道を愛する少年、春。弓も心も、強く握らず、ふんわりと握って。講談社児童文学新人賞佳作受賞者の最新作

感想・レビュー・書評

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  • 中学生におすすめ。とのこと。
    上手に出来るからといって、練習をしなければ、上手くはなりません。人から見ると不真面目そうでも、本人は一生懸命なことって、よくあります。自分と同じ目標に向かって頑張ってる異性って好きになっちゃうよね、という感じ。
    頑張る中学生。とてもキラキラして、眩しい…。

  • タイトルの意味は弓を構える際の力のいれ加減のこと。

  • 主人公の早弥は中学校の弓道部の2年生。由佳先輩を中心に同学年の実良と春の4人で大会を目指す。これまでは天才肌の実良と運動神経が抜群の春は由佳先輩と3人で団体戦のレギュラー。なかなかうまくならないと自認する早弥は補欠だった。しかし、実良の矢が当たらなくなってしまい、早弥が大会に出ることになる。
    同学年の3人にはそれぞれの課題があり、それを努力や友情、周りの助けで乗り越えていく。
    暖かく見守る周りの大人がよく、サラッと読める。
    弓道について詳しく描いてある。弓をやったことがない人にも試合の緊張感が伝わり、これから始めたい人にもおすすめ。

  • 弓道に打ち込む中学生の爽やかな物語。

  • まっすぐで素直、そしてとてもまじめな主人公。自分も中学高校時代、こんなふうに日々を送っていられたらなあと、うらやましくなった。読んだあと、とてもきれいな絵を見たような清々しい気持ちになった。けれどその半面、自分の描いた絵は、線には歪みがあるし色は滲んでいるしで、情けなくなる。

  •  光陵中弓道部に入って1年と3か月。なかなか上達しない自分に苛立つ伊吹早弥。部員は3年生の実力派の由佳と、同級生のアメリカ人の父をもつ、石田春フィリップアンダーソンと、松原実良(みら)のわずか4人。
     進入部員獲得のチャンスの「部活紹介」でなんと、実良が暴走。新入生の女の子をステージに引っ張り出し、ウィリアム・テルさながらに、彼女の頭にりんごを乗せ、矢をつがえようとしたのだ。1年生は泣き出し、会場のテンションは一気に下がり、学校には抗議の電話がじゃんじゃん…
     そんな中、天性の素質を持つと言われた実良が突然のスランプに…。間もなく始まる中体連に、監督は「実良」に代わり、4番手の早弥に試合に出場するようにと切り出す。戸惑う早弥は、基本に立ち返り、監督のいう「握卵」を目指し、練習に励むが…

      主人公は、弓道に励む女子中学生。先輩や親友、ライバルとのあれやこれや…そして恋、真剣に取り組むがゆえの苦悩。物語はYA部活モノの王道といってもいい感じ。ただし、弓道の描き方、魅力は十二分に楽しめます。袴姿と潔さに高校時代ちょっと憧れだった弓道部。いろいろ想像して、楽しみました。サッカーのPK戦のような個人戦にハラハラどきどきしつつ…。

     きゃん、
     ぱん
     
     病みつきになりそうです。

  • テスト期間中、図書館での勉強の息抜きの時に見つけてずっと気になってたのを読んでみました!

    私は(元)弓道部で3日前に引退したばかりだったので何か弓道に関わってることがしたくて読み始めたので何か色々個人的な感情を込めて読んでしまいました。

    登場人物たちは中学生だったのですが、その全員のどこかが自分と重なってて、それか正反対だったりして。
    私の弓道に対する想いは響子に一番近いかもしれません。
    だから逆にその響子に対する周りの人物の考えとかが身に沁みたり。

    引退する前にこの本を読みたかったなぁと思いました。

  • 2009.11.
    さわやか。

  • 中学生らしい青さを感じるお話。
    3人の主人公が努力の末、九州の大会で優勝したりと、読後、達成感の疑似体験は得られる。
    2人とも良い子で、1人は途中から改心して真面目?になる話なのできれいな話の展開。
    悩んだり前向きになったり青春小説。
    ハーフの男の子の心意気は気持ちが良い。
    が、もっと勝負に対して泥臭かったり、生の中学生の青臭い感情、といったきれいごとだけじゃ語れないドロドロしたものが好物の私には物足りなかった。
    弓道の話としても、消化不良。著者が弓道未経験者で書いた物語と知り納得の内容だった。

    ただ、弓道やってるものとしては、、、
    主要の登場人物が人に向かって矢を番えたのは、、、いただけない。
    その時点で本人も指導者も失格。
    番えた本人は弓道を続けるべきではない。弓も矢も持っちゃいけないし、弓道場に入ることすらやめてもらいたい。
    冗談だったとしても、それぐらいやっちゃいけないこと。
    (ふとした拍子に矢が放たれるとか、中学生なんかにはよくあるし、弓道をはじめたときに、絶対にやってはいけないこととして、諸先生方に強く強く言われたこと。「弓道は人の命を奪える武道。間違っても人に向けて弓を引いてはいけない。矢を番えていなくても、、、。」)
    まぁ、、、フィクションだからと読み続けたけど、もし、弓道やってる中学生・高校生が読んだら、と思うと、絶対真似しないでね、と変な雑念が付き纏い、あまり楽しめなかったな、、、。

  • 長年本棚にあったうちの1冊。
    「旧い本を、ちゃんと1回読んでから断捨離しよう」計画の一環として。

    メモを見ると少なくとも2回は読んでいたことがわかったので、3度目はこのまま無理して読み進めるのをやめて処分することとした。(最初の方を少し読み始めていたが、全然気分が乗らなかった)

    ★は2009年に付けていたもの。
    当時は娘が弓道部真っ只中だったので、本書を読んだ私も★4つを付けていたのだろう。

    やはり読書は、同じ本でも読む時期によって、このように全く感想が変わる。

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著者プロフィール

福岡県生まれ。講談社児童文学新人賞佳作『カラフルな闇』でデビュー。作品に、『青(ハル)がやってきた』、『鉄のしぶきがはねる』(坪田譲治文学賞、JBBY賞)、『たまごを持つように』 、『伝説のエンドーくん』、『思いはいのり、言葉はつばさ』『日向丘中学校カウンセラー室1・2』『零から0へ』『かがやき子ども病院トレジャーハンター』など。

「2023年 『つる子さんからの奨学金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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