ムーミン画集 ふたつの家族

  • 講談社
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062153515

作品紹介・あらすじ

「ムーミン」を絵から読み解く初めての画集。原作から144点の絵とヤンソンの家族写真などを掲載した作者と物語の背景を知る1冊。

感想・レビュー・書評

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  • ムーミンの画集ですね。

    作者のトーヴェ・ヤンソンさんの評伝も添えられていて、より身近にムーミンを感じられます。
    ムーミンの家族とトーヴェの家族との交差が面白い。意外な秘密話があります。
    トーヴェ・ヤンソンさんが女性の方だと写真で初めて知りました。ボーイッシュな髪型で、スナフキンを思わせます。
    トーヴェさんの家族の写真も貴重ですね。
    お父さんは彫刻家、お母さんは画家をされているのですが、それぞれムーミンパパとムーミンママのモデルであることはもちろんですが、逸話がムーミンの物語の中に生き生きと描かれているのは、家族を大切にしたトーヴェの想いが伝わります。
    お母さんの三人の弟さんたちも、ムーミンパパとスナフキンの中に息づいています。

    ムーミンの絵の下に、トーヴェさんの文章が綴られています。ムーミンの魅力の有り様が窺い知れる内容に、わくわくしますね。

    例えば、
    「『日常的なものにひそむ昂ぶりと、幻想的なものにひそむ安らぎ』、このふたつは、子どもにとってもおとなにとっても、おなじようにたいせつです。わたしたちは、日常においても、わくわくするできごとをたくさん経験します。それらがなかなか眼に入らないのは、たんに慣れっこになっているせいかもしれません」

    『日常的なものにひそむ昂ぶりと幻想的なものにひそむ安らぎ』については、巻末のトーヴェさんの『国際アンデルセン賞受賞スピーチ』でも言及されています。
    ムーミンの物語の骨格と言えるかもしれません。
    改めて、ムーミンを絵画として観賞できてムーミンの物語を楽しめました。
    何より、トーヴェ・ヤンソンさんが生まれた時から画家として生きられた物語も知ることができて、良かったです。

  • 2009年発表。


    原作で使われている絵を中心に、
    初版時のものとの比較や、
    スケッチ・ラフといった珍しい資料を含め
    ムーミン童話全9作品から
    約144点のイラストレーションと、

    インタビューや
    文章から抜き出した
    ヤンソン自身の言葉と家族写真、

    他には1966年の
    国際アンデルセン賞受賞スピーチによって構成された、
    「ムーミン」を絵から読み解く初の画集です。



    『ムーミン』、
    それは、作家であり画家の
    トーヴェ・ヤンソンが生み出した、
    フィンランドのどこかにある
    ムーミン谷に住む妖精の名前で、

    正式には
    『ムーミントロール』と言います。



    日本でも
    「ねぇムーミン♪」で始まる主題歌と共に何度かアニメ化され、

    テレビCMは勿論、
    銀行や車、鉄道などのイメージキャラクターに選ばれたりと、
    生誕65周年を越えた今もなお
    根強い人気を誇っています。


    赤と白のエプロンをつけた
    優しいムーミンママ、

    シルクハットにパイプ姿がトレードマークの
    勇敢なムーミンパパ、

    ムーミンのガールフレンドの
    フローレン、

    孤独を愛する自由人の
    スナフキン、

    玉ねぎ頭の小さな女の子
    リトルミイ、


    などキャラがまた
    それぞれがそれぞれの生き方を貫き
    自由で人間味あふれていて、
    共感できるんですよね(笑)


    原作の挿絵やラフ画、
    大判のカラー原画に
    初期の貴重なイラストなど

    不条理で哲学的で
    詩情さえ漂う
    不思議な小説の世界観が、
    この画集を見れば
    充分に味わえます。


    トーヴェ・ヤンソンの
    児童作家としての
    真摯な思いも見えてくるし、

    アニメのムーミンしか知らない人にこそ読んで欲しい、
    心癒やされる画期的な画集です。

    • まろんさん
      小さい頃読んだムーミンシリーズは
      それまで読んだ絵本や児童書とは
      ちょっと違った空気を纏っていて、
      ほのぼのしたところも楽しいところもあるん...
      小さい頃読んだムーミンシリーズは
      それまで読んだ絵本や児童書とは
      ちょっと違った空気を纏っていて、
      ほのぼのしたところも楽しいところもあるんだけど、
      どこかに突き抜けたようなさみしさがあったり
      どうしてかわからない怖さみたいなものがあったり
      不思議な感覚を味わわせてくれる本でした。

      確か、アニメ版の「ニョロニョロ」には、
      もっと難しい名前がついていたような(笑)
      2012/06/19
    • 円軌道の外さん

      わぁ〜、
      ここにもコメントが…!

      ホンマ嬉しいです(^O^)


      まろんさんの言うように
      ムーミンの小説って
      アニ...

      わぁ〜、
      ここにもコメントが…!

      ホンマ嬉しいです(^O^)


      まろんさんの言うように
      ムーミンの小説って
      アニメとは違って
      どこか寂寥感のようなものが漂ってますよね。

      あと凛とした空気。

      自分はムーミンを読むと、
      自分は自分でいいんだって
      勇気が持てます。

      スナフキンに代表される
      自由であるための
      ストイックさも勉強になるし、

      ありのままの凄さみたいなものを
      描いてる気がします。


      アニメはアニメで
      可愛くて
      楽しいところがまたツボなんですよね♪
      ムーミンって最初は
      絶対カバだと思ってたし(笑)

      あと昭和のムーミンの
      岸田今日子さんの声が
      好きやったんスよね〜♪


      あれ、アニメ版のニョロニョロって
      名前違ってましたっけ?(汗)

      結構名前や設定は
      アニメによって変わってるので
      見比べるのも面白いですよね。

      2012/06/25
  • 大きなサイズの挿絵やトーヴェのインタビュー記事を楽しむことができる。なかなかこのサイズのムーミンの絵を見ることはなかったので、とても楽しめた。

  • 「ムーミン」を絵から読み解く初の画集 ムーミン童話全9作品から約100点のイラストレーションをまとめた画集。引用文などと共にムーミンの絵を味わいつつ、作者と物語の背景を知る貴重な一冊。

    トーヴェ・ヤンソンの絵が大好きです。ちょっと怖くて、寂しくて、でもどこかのんきで楽しい雰囲気は彼女にしか表現できないじゃないかなあと思います。本書では代表的な挿画だけでなく、そのラフスケッチや版違いの絵なども多数紹介されていて、トーヴェの画家・芸術家としてのこだわりが垣間見えます。引用されている彼女自身の言葉と併せて読むと、よりトーヴェの世界に浸れるのではないかと思います。ムーミンの世界、トーヴェの絵の空気感に触れたくなったときにそばにあるとうれしい一冊です。

  • しみじみ、ゆっくり、ヤンソンさんの世界に浸れます。絵は暗めの色調ながら世界は希望に満ちていて、最後のスピーチにはなるほどと納得。

  • 眼福のひとことに尽きるというか、標準カラーではなくて、絵ごとにキャラクターの着物や着色された色が異なっていて、新鮮味があります トーベさんの言葉もいくつか載っていて、トーベさん自身のキャラクターや作品自体に対する思いや印象が語られていて興味深いです。各国ごとの小説の表紙の絵が並べてあるページは特にカラフルで見ごたえがありました!

  • ムーミン童話の文庫本2冊とともに、古本屋で買った。
    はぁぁぁぁかわいい
    線画が洗練されていく様子がよくわかる

  • ペンだけで寂しさや恐ろしさを表現している感じにたまらなくゾクゾクした

  • 作者のインタビューで語られる言葉がどれも印象的で、絵はもちろん大好きなのですが、それ以上に読んで良かったと思えました。 カラーの色彩も素晴らしいし、モノクロの奥行き感も良いし、手元に置いておきたい一冊です。大好きです。

  • デザイン資料に借りました。
    今年は「トーベ・ヤンソン生誕100年」の展覧会があちこちで開催されてましたね。
    数年前から雑貨店にもムーミングッズがいっぱいで、「今頃何で??」と思ってましたが、生誕100年という節目だったんですねぇ~。

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