風の中のマリア

  • 講談社 (2009年3月4日発売)
3.58
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Amazon.co.jp ・本 (258ページ) / ISBN・EAN: 9784062153645

作品紹介・あらすじ

『ボックス!』の百田尚樹、注目の新作登場 女王が統べる帝国に戦士として生まれたマリア。過酷な闘いの連続に身を投じていた彼女に、ある日出会った男性が衝撃的な事実を告げる。帝国とマリアの運命とは?

みんなの感想まとめ

過酷な環境で生き抜くマリアの姿を通じて、オオスズメバチの生態が描かれる本作は、意外な魅力を持っています。著者は、興味が薄いテーマを巧みに読者に引き込む技術を駆使し、マリアを中心にしたストーリー展開で起...

感想・レビュー・書評

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  • 【書名と著者】
    風の中のマリア
    百田尚樹

    【目的】
    百田尚樹の本を一通り読んでみるキャンペーンを勝手に開催してるから。
    とくに本書は大して興味もないオオスズメバチの生態を、どうやって読者へ読ませるのかという興味から。

    【読後感】
    大した期待もなく読んでみて、それなりにハラハラしつつ読み終えた。
    こんな興味のないものを他人に面白く読ませる著者の物書きとしてのスキルはすごいと感じた。

    【印象に残ったポイント】
    ・読ませる工夫、視点
    マリアを中心にしたハンターの一代記とすることで起承転結がハッキリする。
    血統を継いでいく生き物なので主役に相応しいのは女王蜂のような気もする。
    だが、巣から出ない女王蜂では読者は楽しくないから一代限りのハンターを主人公に選んだのだろうと想像したら。
    ・読ませる工夫、会話で説明
    擬人化して説明を可能な限り会話に託す(血統を残す論については少し強引な場面もあるが)。
    ダラダラとした地の分の説明をせず、キャラクターの間で説明を兼ねた会話に納得感がある。また、会話の内容は素朴な疑問に対し知ってる人がわかりやすく説明するので、知識ない読者も容易についていける。

  • 弱肉強食のドキュメンタリーの
    オオスズメバチのオフレコの物語

    動物のドキュメンタリーはあまり好まないが百田尚樹さんだから読んでみようと思って図書館で借りて読んだ。

    虫は好きでも嫌いでも無く
    興味がないので細かい内容はすぐ忘れそうだが
    虫を見る目が変わった。!

    読み始めは気持ち悪かったが慣れて自分も巣を守るのに参加してる気になった。
    面白かった。

  • みなしごハッチ的なストーリーを想像してたら、実はオオスズメバチのリアルな生態を描いていた。
    虫が苦手なので読み進めるか迷ったけど、次第に興味も湧いてきて知識が増えた!
    こんな作品も書くんだな、と意外だったし、ストーリーもよくできていて百田尚樹すご〜と思った。

  • 先日放映された、《世界一受けたい授業》百田さんの解説で有った、蜂の生態・生涯のファンタジー物語。オオスズメバチの働き蜂(戦士)として生まれたマリアの過酷な生涯30日の宿命を描く。女王蜂を頂点とする女戦士達で築かれるオオスズメバチの帝国、自然の中、前年の秋、羽化し越冬受精した一匹の女王蜂が設営した巣で、次から次へと生まれて育つ幼い妹たちと「偉大なる母」のため、恋もせず、子も産まず、命を燃やして戦い続け餌を求め運ぶ…。オスバチは秋に次世代の帝国を築くためにだけに生まれ同期のライバルと闘う、厳しい世界。

    自然の生態が良く描かれて、小学生に読ませたい本です。越冬した一匹の女王蜂から築かれる姉妹達の、春から秋の帝国。外敵から巣を防衛する手段としての攻撃性が、害虫として認識され恐れられていますが、短い生涯を精一杯生きているのですね。日本ミツバチの天敵のスズメ蜂に対して行う効果的な防衛法と、スズメ蜂に無謀な戦いを挑み殲滅されるセイヨウミツバチが日本ミツバチを巣毎全滅させる実態には驚きました。

  • まさか、オオスズメバチの生態にこんなに魅了されるとは。
    通勤時間の1時間あれば読み切れてしまう本。
    テンポよく紡がれる文章には、学術論文を元にしたオオスズメバチの生態が事細かに描かれている。

    恋はせず、帝国の為に働く戦士、自分の存在意義を問うても自分の役割は代えられない。
    30日の一生がこんなに壮絶で涙をさそうとは思ってもみなかった。
    種の保存に忠実に動く彼女らの物語、一読の価値ありである。

  • 2.8
    スズメバチの話だとは知らずに読み始めました。
    感情移入出来ず、あまり楽しめなかった。

  • 子を残さず、人生のすべてを女王蜂とその巣の為に費やす、メスバチのマリアが自分の人生の意義について考えるお話。

    この問題はかのダーウィンをして「社会性昆虫の不妊のメスの問題は、はじめ私にはとても克服出来ない問題で、実際わたしの全学説にとって致命的と思われた」と言わしめるほどの難問だったようです。

    この難問は「2人の兄弟か8人のイトコの為なら、私はいつでも命を投げ出す用意がある!」との名言でお馴染みのJ・B・S・ホールデンが糸口を見つけ、W・D・ハミルトンが血縁淘汰の概念を作り上げることにより答えを導き出しました。
    この概念は、それまで自然選択の対象となるのは個体であると考えられてきたのに対して、それが実質的には遺伝子であると考えたことであります。
    これはR・ドーキンスの『DNA原理主義』の礎と言えます。
    常人には到底辿り着けない発想です。超人的天才か変態的奇人としか言えません。

    そういえば昨今、ハチが激減しているそうですが、アイシュタインは下記のような発言を残しているそうです。
    If the bee disappears from the surface of the earth, man would have no more than four years to live. No more bees, no more pollination, no more plants, no more man.

    こわーい。

  • ファンタジーではなく、そのまま昆虫の生態をドラマにした話でした。オオスズメバチのワーカーで狩りの名手「疾風のマリア」の物語。本能と意志により「偉大なる母」のため、帝国のために働き続けるマリア。生存競争の厳しさを感じながらも、悲愴感はなく、マリアたちの誇り高さに敬意を感じます。読んでいる間マリアの姿が頭の中で時々人になったりしたけど、途中から昆虫に戻りました。マリアが女王蜂となる妹クリームヒルトに放つ最後の言葉に涙があふれました。他の昆虫たちの生態も絡め、素晴らしい作品となっています

  • まさか自分が、虫嫌いの自分が、こんなにスズメバチのことに
    詳しくなってしまうとはっ!!!

    この本はずっと前から知っていました。
    いくつかの書評で「おもしろい」とされていたけど、
    いかんせん主人公がハチ。

    この世で一番嫌いなものが「虫」な私は、
    虫が主人公の小説って……と思っていました。

    だけど思い立って図書館で借りてみて、
    読み始めたら止まりませんでした。

    少々「うう…」と思うような描写はありましたが(まあ、
    ハチの生活なのだからしょうがない)、オオスズメバチの
    生態がすごく興味深く、大変おもしろかったです。

    もともとハチに興味がなかったので、巣にいるのは(基本は)
    メスばかりなのだ、というところから驚きました。

    こうやって考えてみると、卵を産むだけのメス、エサを
    取って来たり、戦うためだけのメス、とか、生き方を決められて
    しまってるのって、悲しいことだなと思いました。

    マリアのことがどんどん好きになっていく自分にビックリ。

  • オオスズメバチを擬人化した物語。
    女王蜂はわずか1年、働き蜂に至ってはわずか1ヶ月ほどの短い一生について、とても濃く描かれていた。
    蜂を見る目が変わりそう。

  • うーん
    蜂の話
    すぐ肉団子

  • 蜂の世界を人間の世界と重ねて読んでみた。生きる目的って、それぞれだからこそ面白い。 死ぬまで突っ走るのがかっこいいな。蜂の生態の勉強にもなった。セイヨウミツバチ・ニホンミツバチ・オオスズメバチの関係が興味深い。

  • う~ん・・
    本書籍はなんと言えば良いのだろう・・ヽ(^o^)丿?
     
    どんなジャンルで・・?
    百田さんは何を伝えたいのだろう・・。
     
    ただ・・
    本屋大賞受賞時に『直木賞や芥川賞よりうれしい!』て言ってた・・彼の感性は・・なんか好きです⌒(^O^)⌒♪
     
    聖夜の贈り物に続く百田さん二冊目・・
    いよいよ次は『海賊と呼ばれた男』読破ですよ~(^ム^)(^ム^)(^ム^)
     

  • まさか蜂が主人公とは思わなかった.1ヶ月しか生きられない中で自分の仕事にまっとうするのがあっとうてき。食物連鎖やゲノムで決められた運命、すごい!!2013年10月5日

  • 以前、途中まで読んで「うぇ〜、気持ち悪い…」と
    断念していたのですが、再チャレンジ。
    ハチの生態、とても勉強になりました。
    ハチの一生ってたった30日程度。短いのね、
    儚く過酷な一生で自然界は厳しいなぁ。
    確かにグロい表現もあったけど、読んでよかった…。

    今までたまに家の中に入ってきてしまう虫たちを、
    気持ち悪いからって不快な顔で追い出したりしてゴメン。
    (・・・気持ち悪くて殺せない)
    これからはもうちょっと大らかな心で「短い一生なんだから
    こんなところ(人間の家の中とかに迷い込んだりして)で
    無駄にしないで人生謳歌するんだよ〜」と追い出すことに
    します。さすがにハチは怖いけど…。

  • 変わった小説。

    オオスズメバチを擬人化し、その生涯を物語にした本です。

    強いて言うなら、少し真面目な「みなしごハッチ」という感じかな。(ちょっと古いか)

    正直、ストーリーに感動や興奮はありません。

    ただ蜂の生態系が、物語の中でやさしく勉強出来て面白かったです。

    「永遠の0」の感動を期待してる人は、やめた方がいいかな。

    蜂の雑学を知りたい人にオススメ。

  • 身も蓋もない言い方をすれば、一匹のハチを追った働きバチの一生のお話。生き抜くために備わった本能というやつは、何て神秘的で残酷なんだろう。擬人化する事で物語に入りやすいのは確かだが、ゲノムの説明までさせるのはやり過ぎかと。マリアはあくまで昆虫なんだけど、『闘って誇りを持って死ぬのだ』みたいな記述があるたびに 特攻や人間魚雷を連想してしまって何とも複雑な気持ちになった。虫は虫。人間の感情を投射するのも程々に。

  •  オオスズメバチの生態って不思議!すごい!
     読み始めて驚いた。主人公はまさかの働き蜂。描かれるのは普段わたしたちが過ごしている世界よりも小さな虫の世界。
     そんな世界を生きる一匹のオオスズメバチ・マリア。彼女は偉大なる母・アストリッドの娘として生まれ、優秀なハンターとして妹たちにエサを運ぶ毎日を送っていた。
     私たちはメスなのに、なぜ卵を産まないの?という妹の疑問。蝶々から投げかけられた、恋もしないへんな虫だという言葉。私たち人間からしたら短いひと月ほどの一生の中でマリアはたくさんの事を学び、知り、考えていく。
     人生は短くとも、太くありたいと読みながら思った。

     ハチやアリは基本的に受精卵からはメスしか生まれず、無精卵からはオスしか生まれない。そして女王以外のメスが卵を産まないのは、より自分と近しい遺伝子を残そうとしてのことって説はすごいなあ!人間にそんな生物的本能はあるんだろうか。虫ってすごい。

  • 物語を通して、オオスズメバチの生態がよくわかりました!
    秋にオオスズメバチが偵察飛行をしているのに出会ったときは、怖い!と感じるかわりに、「マリアだ!」と思い、励ましたくなりました。
    どうして、蜂の世界では働きバチが自分の妹の世話をするかの解説も物語の中にあって、なるぼど!と感心しました!

  • 百田さんの能力に驚かされた典型的な作品。
    小説じたてで、すずめばち の生態を書きたかったのか
    すずめばひの生態を通して、小説を書きたかったのか
    科学小説としてもフィクションとしても抜群に面白かった。

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「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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