絞首刑 (現代プレミアブック)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 94
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062155519

作品紹介・あらすじ

「存置」か「廃止」か、ではない。描かれるのは、徹底的にリアルな風景だけ。裁判員制度の導入で貴方が得るもの、それは、どこかの誰かを死刑にする可能性。加害者本人や被害者遺族、刑務官、教誨師、検察庁幹部…。それぞれの口の端から零れる懊悩と逡巡、そして、自らの手で死刑を確定させた男からの手紙に書かれる酷薄な論理。さまざまな現場の声を拾うことによって再現される、執行のボタンを押すという「作業」にまつわる、あるがままのリアル。

感想・レビュー・書評

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  • 得られたものは特になかった.

  • 巻末に載っている本の『まとめ』のようなカンジ。
    題名は重たいしインパクト有るけど、実際の内容は『死刑の是か非か』だし。

    実際にあった事件を、当事者(死刑囚)、被害者からみている雰囲気。

    最初の『かくしてボタンは押される』の章でちとムカムカしますが、それ以降は普通のルポかな?

    題名のわりには読みやすい。
    ただ、面白いかは別。

  • 死刑宣告されてから実際、執行されるまでの間の様子中心に背景など書かれている。
    獄中からの手紙で遺族が心を動かされる例が本当にあるとは思わなかった。冤罪か否か、死刑か否か、赦すか否か、白黒はっきりつけられないからこその苦悩が全立場から読める。

  • (2021-05-11)

  • 死刑囚や被害者遺族に関するルポ。死刑囚と被害者遺族との手紙のやりとりが死刑執行によって途絶えてしまうエピソードや、刑務所内での受刑者の反省の度合いに関わらず刑が執行されることに対して、教誨師など彼らを支える人々が感じる不条理など、考えされられる点は多い。

  • 主に木曽川リンチ殺人事件を中心としたルポ。短絡的な行動によるもので同情の余地は無さげだが反省して被害者と交流をもつ被告もいるのが人間の不思議さといえる。
    他にも絞首刑に処せられた者を取り上げており死刑問題に考えさせられる。
    恐らく論点がずれるので作者が徹底調査しなかったと思われるが冤罪の疑惑が深い「飯塚事件」こそ取り上げるべき大問題ではなかろうか。何せ絞首刑にされているのだから…

  • 私の中では衝撃的だった。
    ノンフィクションの作品をあまり読まないというのも
    あるのかもしれない。

    表紙を捲り、すぐに書かれた
    一文に興味を持ち、読み始める。

    始めのところで、
    リアリティではなく、リアルな描写を読み、
    何度か体が震えた。
    そして熊谷の事件が、一番興味深く考えた。
    確かに正論のような気がする。

    たくさんの人の目線から書いているが、
    亡くなった被害者の主張がないのが
    虚しくてならない。

    他にもこういう作品を読んでいきたい。

  • あとがきの「執行ボタンを押しているのは若き刑務官だが、その指を動かしているのは私達一人ひとりの暗黙の意思なのだから。」という言葉が印象に残った。

  • 久間三千年は無辜だったか?

  • 日本の死刑の詳細。死刑囚の人となり。冤罪の可能性がある死刑囚が問答無用で処刑されていたり…と、「死刑」を問うルポルタージュ。

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著者プロフィール

1966年長野県生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクション作家。慶應義塾大学卒業後、共同通信に入社。社会部、外信部、ソウル特派員などを経て、2006年に退社しフリーに。テレビ・ラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『日本の公安警察』(講談社現代新書)、『絞首刑』(講談社文庫)、『トラオ―徳田虎雄 不随の病院王―』(小学館文庫)、『増補版 国策捜査―暴走する特捜検察と餌食にされた人たち』(角川文庫)、『誘蛾灯―鳥取連続不審死事件―』『抵抗の拠点から 朝日新聞「慰安婦報道」の核心』(講談社)、『青木理の抵抗の視線』(トランスビュー)などがある。

「2015年 『ルポ 国家権力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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