ほろびた国の旅

  • 講談社 (2009年7月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062155878

みんなの感想まとめ

テーマは、過去の満州国を舞台にしたタイムスリップの物語であり、主人公の少年が理想と現実の矛盾に直面する姿が描かれています。1954年の主人公は、自身の幼少期に住んでいた1943年の満州国へ戻り、当時の...

感想・レビュー・書評

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  • 偽りの国満州国を子供の目から見たら。1954年の僕は、ある出来事が原因で、かつて自分が住んでいた1943年の満州国へとタイムスリップしてしまう。そこは、決して往生楽土では無かった。

  • 請求記号 F/ミキタ 資料番号 0202031696

  • 三木卓が初めて書いた児童文学であり、満州での体験がもとになっている。
    『砲撃のあとで』が凄かったので、児童文学ではどう書いたのか興味があって。
    これは『砲撃のあとで』以前の満州で、死や飢えにさいなまれる前。
    なんと浪人中の三木卓本人がタイムスリップ。
    一見平和に見え、「五族協和」を掲げた満州国だったが、実際は激しい意差別があった。戦後に生きる三木青年が幼少期の中国人や韓国人、混血児の友人に懺悔したい思いが物語になっている。
    いまは亡き満州に抱く郷愁と罪悪感は、当時を満州で過ごした人は多かれ少なかれ持っているのだろう。
    当時の満州を、そこにいた人々を書くことが三木さんの作家としての出発点であり、失われた故郷への思いが児童文学に繋がったのかなと思う。
    児童文学としては成功しているとは言えない気がするが。

  • 理想の国をつくるために満州を作ったという日本人たち。でも現実は五族協和と言いつつも、満州人、朝鮮人の犠牲のもとに日本国の関東軍が強い力を持っていた。戦後からタイムスリップしてきた主人公の少年が、戦後を知っているという目からその当時の満州の矛盾に強い疑問を持つと言う内容の話の児童書だが、大人でも考えさせられる。

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著者プロフィール

1935年、東京に生まれる。2歳時に父の仕事の関係で大連に移住。以後、46年まで満州各地で過ごし、引揚げ後、静岡市で育つ。早稲田大学文学部露文科を卒業後、日本読書新聞、河出書房新社で編集者として働く。在学中より詩を書き始め、67年、『東京午前三時』でH氏賞を、71年、高見順賞を受賞。72年ごろから文芸誌に小説を発表。並行して児童文学の創作や翻訳の分野でも活動する。73年、「鶸」で芥川賞受賞。84年、『ぽたぽた』で野間児童文芸賞受賞。86年、『馭者の秋』で平林たい子賞、89年、『小噺集』で芸術選奨文部大臣賞、97年、『路地』で谷崎潤一郎賞、2000年、『裸足と貝殻』で読売文学賞、また評伝『北原白秋』05年、藤村記念歴程賞、蓮如賞、および06年、毎日芸術賞、そして13年、『K』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞する。23年、死去。享年88歳。

「2024年 『三木卓 単行本未収録作品集 ヌートリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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