獣の奏者 (3)探求編

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  • 講談社
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レビュー : 349
  • Amazon.co.jp ・本 (490ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062156325

感想・レビュー・書評

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  • イアルと結ばれ息子も生まれ穏やかに幸せに生きていたエリンが、再び人の争いの渦に巻き込まれていく。生き物を武器として使いたくないという信念と愛する者を守りたいという気持ちでもがく彼女の過酷な運命に胸が痛む。

  • 前半はだらけてしまった印象だけど、後半でようやく面白くなってきた。

    イアルの感情がわかりにくく、何がしたいのかわからないので、4巻に期待します。

  • 元々は書くつもりがなかったと云う後半。エリンとイアルは結ばれ、息子のジェシが8歳に育っている。確かに話はある意味独立しており、元々なかったと云われても納得は出きるが、前半で謎のまま終わっていたところが徐々に解き明かされていく。この巻は完全に完結編への導入章。

  • ささやかな幸せが時代に流されていく。昔の過ちを繰り返すのか?新たな道を見つけられるのか?次巻が楽しみ。

  • 第3巻は、恐ろしい闘蛇と王獣との戦いの場から
    無事にエリンが逃れてから11年後の話だった。
    王獣を武器とする真王が治める国と闘蛇を武器とする大公が治める国。
    2つの国は真王と大公が結婚することで一つになっていた。
    争いはなりを潜め王獣を操れるエリンにも
    真王の「堅き楯」の兵士だったイアルとのあいだに、
    ジェシという子供が生まれていた。
    母となったエリンだが、その仕事は続いていた。
    ある日、闘蛇を育成している村へ行って
    闘蛇の集団死の謎を解くよう、命令が下る。
    エリンが集団死した闘蛇を調べると、
    いやでも自分の母がその集団死の犠牲になったことを思い出された。
    闘蛇や王獣を武器にするしきたりには、
    古い伝説の中でまだ大きな秘密が隠されていると知ったエリンは、
    その秘密を探しに行こうと決心する。が、その矢先に何者かに襲われる。
    同じようにエリンの夫と息子も襲われた。
    エリンの王獣を操れる力を利用しようとする者がいたのだ。
    国の窮地を救おうと、真王は、エリンとの約束を破り、
    エリンに王獣の戦闘部隊をつくるよう、命令をする。
    二度と王獣を戦いに使いたくないエリンだが、世界の滅亡をふせぐため、
    夫イアルともども、苦い決意をすることに・・・。

    エリンや王獣のリオンとその一家が穏やかに暮らせたのは、
    わずか10年足らずだった。
    エリンのまだ知らなかった王獣と闘蛇の過去の秘密があきらかにされ、
    わくわくしながらページをめくっていった。
    人間ばかりか王獣たちも
    平和に暮らせるような世界が果たして本当にくるのだろうか。
    平和な世界を望むエリンの苦い決意が切ない。
    そして一大決心をしたエリンとイアルのその後の人生はどうなるのか。
    最終章の結末が気になって仕方がない。

  • 闘蛇編・王獣編では少女だったエリンは30代、息子を持つ母親になり、意図せず政治的に重要な存在となってしまった自分が知人や家族、特に息子に影響を与えざるを得ない事実に苦しむ気持ちと、国の行く末を憂える気持ちと、王獣を想う気持ちを併せ持ち、悩みながらも自分の信念を貫こうとするのですが。。。エリンはもはや大人ですが息子のジェシがけなげです。アシェ族でありながら戦争で孤児となり闘蛇軍の名将の養子となった楽師、ロランが印象的です。ロランを主人公にした物語も読んでみたいです。

  • 今度は闘蛇に戻って探求。
    一人でここまでやられては、いくらヒロインだからって。
    それとも歴史ってこういうたった一人が動かしていくこともあるのかな。
    家族をもったからこそ、の母親ならではのキャラ立ちが弱い気がするのはわざと?

  • これは、『獣の奏者』の紡がれた数十年後の話。

    エリンが母になり、かつて堅き盾(セ・ザン)だったイアルとのあいだに子であるジェシをもうけている。

    前作のラストシーンでエリンが王獣を操ったことで、彼女の存在自体が国の命運を左右しかねない、危ういものに。
    なぜなら、王獣を意のままに操れるものはエリンしかいないからだ―――。

    物語は、エリンが闘蛇の村を回り、<牙>たちの変死の理由を探るところから始まる。
    エリンの母親であったソヨンが、咎を追われ、闘蛇の群れに投げ込まれるというむごい罰をうけた、<牙>たちの変死。
    母親が知っていながらも隠していた様子のある真実を、エリンは腑分けを行って暴いていく。

    雌の闘蛇にとって、特磁水は毒になる。

    繁殖を許さないよう、霧の民<アーリョ>や母親が命を懸けて守ってきた秘密。
    エリンは「生き物の自然な在り方を尊重したい」という思いから、それをヨハルや真公に打ち明けてしまう。
    それが意味するのは、闘蛇の繁殖はどの国でも可能だということ。隣国であるラーザがそれを知り、闘蛇を武器として扱ってきたらどうすべきか?

    真王であるセイミヤは懊悩しながらも、その対抗手段として「王獣を繁殖させ、部隊を作れ」とエリンに命じる。
    かつて大いなる災いをもたらしたといわれる悲劇の再来を恐れ、エリンは違う道を探して懊悩する。
    しかし家族の身も狙われ、自分の取るべき道を覚悟するのだった―――。

    というのがあらすじですね。
    相変わらず面白い。
    『獣の奏者』を読んだのはもう三年くらい前のような気がするのだけれど、すぐに世界に入っていける。
    主人公のエリンは、家庭を持っても無茶ばかりする人で、あぶない道でも正しいと思えば選ぼうとする。
    事実、今回はそれで命を落としかけたりもする。

    イアルも同じような生き方をしていて、エリンとイアルの二人だけだったならば、きっとそこまで違いはなかったのだと思う。
    ただ、ジェシという「未来」への心残りが、命がけの旅に出るエリンの足を止めさせた。

    真王であるセイミヤのもとでエリンが王獣をふるうなら大公であるシュナンのもとで自分は闘蛇を操ろう、と申し出るイアルさんが格好いい。
    この二人は、息子のために相手を生き残らせる最良の道を探しているように見えて、切ない。

    ハッピーエンドに転がるのか、そうであればいいなと思いながらも、全く先が読めません・・・!
    続きを読みます!

  • もーすっごい感動した‼︎‼︎イアルとエリンの愛がいいっ!エリンがヨジェたちに抗うと決めたところは涙が出そうだった。この巻から読んだことがなかったから、最後の方ははやく読めた。夫婦で決意して宮に戻ってそこでさらに挑むのがすごいと思う。どんなに苦しい状況でも進める道を探し続けることが大切なんだなと思った。イアルが川でエリンを助けたときは、エリンが死んじゃったのかと思って本当にびっくりした!ジェシの母親を求める気持ちが切ない…。ロラン?とエリンが言ってること同じだったよね!王獣の軍隊についてのやつ。評価は4.8

  • あの〈降臨の野〉での奇跡から11年後。

    エリンはイアルと結婚し、一児の母となって穏やかに暮らしていた。
    しかし、ある闘蛇村で突然〈牙〉の大量死が起こる。大公にその原因を探るよう命じられたエリンは、〈牙〉の死の真相を探ることになる。

    闘蛇というとエリンの母のことを思い起こさずにはいられない。
    闘蛇のことを調べることは、母の思いを知ることにも繋がっていく。

    またリョザ神王国にも暗雲が立ち込めていた。
    国防を担ってきた大公領民と真王の縁者や貴族たちとの溝は深く、そして、そんな中で起こる他国からの侵略。


    国を守るために、もう一度王獣を使いたいと真王から頼まれたエリンは…。

著者プロフィール

上橋 菜穂子(うえはし なほこ)
1962年、東京都生まれの児童文学作家、SF作家。
1992年『月の森に、カミよ眠れ』で日本児童文学者協会新人賞、2000年『闇の守り人』で第40回日本児童文学者協会賞、2003年『神の守人 来訪編、帰還編』で 第52回小学館児童出版文化賞、2004年『狐笛のかなた』で 第42回野間児童文芸賞受賞他、2015年『鹿の王』で第12回本屋大賞など、多数の受賞歴がある。
2014年には「小さなノーベル賞」とも呼ばれる世界的な賞、国際アンデルセン賞作家賞を受賞している。

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