獣の奏者 (4)完結編

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2978
レビュー : 418
  • Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062156332

感想・レビュー・書評

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  • 上橋さんの作品はせつない悲しさ、愛するものを守ろうとする心を抱きながら、未来へと何かを託すような終わり方が多いような気がします。読み進むうちに苦しく悲しいさけられぬ結末。でも物語はここでやっと終わってくれたんだ(1、2巻で終わったもんだと思っていましたから)、幸せは、ほんの一時でもあれば、生きて生き続けられるのでしょうね。

  • 『闘蛇編』『王獣編』の前二作が、異種との交流という横軸を描いたものならば、『探求編』、そしてこの『完結編』の後二作は、世代から世代へ繋がり受け継がれていくうねりの縦軸を描いている。

    かつては頑固な少女だったエリンは、同じく頑固で生意気な息子を得て、母であるがゆえの喜びと苦しみを引き受け、自分の母の姿を思い、息子の未来へ心を馳せる。
    時は繋がっているんだな、と思う。
    なんて大きな世界、大きな物語なんだろう。
    凄い、としか言いようがない。
    物語の持つ、圧倒的な力を思い知る。
    クライマックスの嵐のような描写に、ぐいぐいと引き込まれながら、読み進めるのがもったいないような、結末を知るのがもどかしいような気持ちになった。
    そして嵐の結末は、恐ろしいほどしんと静まり返って胸を強く打つ。
    共生の難しさ、ひとが生きていくうえで避けては通れない衝突や驕慢さが、それでもよりよい道を探そうとする人間の誠実さ、優しさが心に迫る。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「受け継がれていくうねりの縦軸」
      素晴しい~
      「守り人」を読書中。終わったらこのシリーズを読もうと思うのですが、この作品の方が評判良いみたい...
      「受け継がれていくうねりの縦軸」
      素晴しい~
      「守り人」を読書中。終わったらこのシリーズを読もうと思うのですが、この作品の方が評判良いみたいで愉しみ。。。
      2013/01/11
  • 楽しみにしていたラストだったけれど、これで・・・と残念だった。
    主人公はもっともっとやれることがあった気がして、何年後かの展開もそれは無理でしょうと突っ込みどころが満載で、ここがファンタジーの限界? と思ってしまった。
    特に、リランに耳栓を入れられなかったか。
    自分だけ飛び降りればよかったのでは。
    真王の力も借りて残された人に会いに行けたのでは?
    これでは、人が繁殖された戦蛇が無敵、ということになってしまう。誰も止められないし。

    王獣はもっと気高く、あって欲しかった。
    イアルも間に合って欲しかった。(二巻のラストのように)
    ファンタジーだからもう少し明るく・・・

    でも、すごく読みたい! と思わせる物語だった。

  • 色々と謎がとけてすっきりした。幸せになってほしい。

  • 面白いだけじゃなくてすごいという感じでした!!

  • 覚悟はしてたけど泣きました。残された人たち、特にイアルのことを考えると辛くて。相次ぐ冷害、闘蛇を備えた外敵、取り得る選択肢が狭められ、最悪の事態に備えて王獣を戦場に投入する準備をするエリン。覚悟の決まった真王セィミヤ。そしてジェシの成長(父素敵!)。それぞれの決意で結末へ。見えてきたものは、真実を共有するのか、禁忌として蓋をするのか。権威にとっては、知識を囲う事は力を独占し統治を容易くする。だが、真実を探求し、視野を広く持ち、知識を共有し、民度を上げることが、平和と豊かさへつながるのではないか、と。
    「松明の火を想像してみて、ジェシ。松明の火は自分の周りしか照らせないけど、その松明から、たくさんの人たちが火を移して掲げていったら、ずっとずっと広い世界が、闇の中から浮かび上がって見えてくるでしょう?」~「おかあさんね、そういう人になりたいの。松明の火を、手渡していける人に」

  • フツーに面白かった。

  • ラストの方は激動で、これまでの比較的丁寧に描かれていた頃からすると突然終わったようにも感じられます。主人公エリンは物事をやり遂げてはいるのですが、後味がどうにも。外伝もあるとのことで、楽しみにします。

  • 人は群れで生きる獣で、ひとりひとりが知り、考えない限り、大きな変化は生まれない。知って考えて、知って考えて。諦めず繰り返す先に、希望があると信じたい。読めて良かった。

  • 隣国ラーザとの決戦が始まってしまう。エリンは念のため王獣を率いて戦地へ赴く。
    カザルム学舎で待つジェシのもとに、神々の山脈に住む残った人々が訪ねてくる。彼らはかつて神々の山脈の向こうで起こった悲劇についてジェシに伝えた。人の手で育てられた無数の闘蛇と相対すると、王獣は狂うのだと。そして数千、数万もの死者が出てしまうのだと。
    母を止めるため、ジェシもまた戦地へと向かう。すでに闘蛇の群れに王獣は差し向けられており、狂って制御のきかなくなった王獣と、毒の体液を噴出する闘蛇との争いはすさまじいものとなっていた。
    ジェシの姿を見て、エリンは決意する。いずれ野に返したいと願ってきた最初の王獣、リランに飛び乗り、闘蛇の群れにギリギリまで近づき、空中で音無し笛を吹いた。闘蛇も、そしてリランも硬直し、すべては終わった。

    エリンはその後、重症を負いながらも4日生き延び、その間にさまざまな人と話、別れを告げた。ジェシは教導師となり、あの悲劇を忘れないよう、子どもたちに語り継いでいる。

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著者プロフィール

上橋 菜穂子(うえはし なほこ)
1962年、東京都生まれの児童文学作家、SF作家。
1992年『月の森に、カミよ眠れ』で日本児童文学者協会新人賞、2000年『闇の守り人』で第40回日本児童文学者協会賞、2003年『神の守人 来訪編、帰還編』で 第52回小学館児童出版文化賞、2004年『狐笛のかなた』で 第42回野間児童文芸賞受賞他、2015年『鹿の王』で第12回本屋大賞など、多数の受賞歴がある。
2014年には「小さなノーベル賞」とも呼ばれる世界的な賞、国際アンデルセン賞作家賞を受賞している。

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