園芸少年

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 650
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  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062156646

作品紹介・あらすじ

高校生活をそつなく過ごそうとする、篠崎。態度ばかりでかい、大和田。段ボール箱をかぶって登校する、庄司。空に凛と芽を伸ばす植物の生長と不器用な少年たちの姿が重なり合う、高1男子・春から秋の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったなぁ。
    児童文学、いいなぁ。

    行きがかり上、園芸部に入ってしまったぼくと、
    ヤンキー大和田と、
    箱かぶって保健室登校しているBBの、
    あしたに向かってスクッと立つ話。

    すぐ読める。
    休みの日のサラッと読書に。

  • とても面白かった。読後感が良い。

    魚住直子さんは、息子の国語の教科書にあった『いつか、大切なところ』で知ったのだが、とても読みやすい文章。また、所々くすりと笑える表現もありリラックスして読める。

    ひょんなことから始まった、高校生男子の園芸活動。主人公は、そつのない篠崎。態度のでかい大和田。段ボール箱をかぶっている庄司。

    花を育てることで少しずつ変わっていく三人。特に、「身近な花に気づくようになった」という所に共感。

    最後、担任の先生が大和田に言った言葉、「眉を剃ったり、ズボンを下げて履いて『人とは違うんだぞ』と威嚇する気持ちがどこかにあったんじゃないか?それが昔の友達を呼び寄せたんだ。」が、良かった。

  • 『園芸少年』には、3人の男の子が登場する。
    それぞれに悩みもあって、強くもなくて、戦いもないしライバルと争うこともない。
    彼らにとって普通の日常を過ごしている。

    ただ、彼らの生きている世界は息苦しい。
    とまったままの時間や、もどかしい季節のなかでそこに漂う薄い空気が当たりまえだとでもいうかのように、もがきもせず、それ以上を望むこともなく呼吸する。

    でも、大部分のひとたちはそうだと思う。
    ただ気づいていないだけ。

    恵まれた太陽燦々輝く世界の住人たちには、息苦しくて懸命に空気を吸い込まないと耐えられない世界かもしれないけれど。

    そんな彼ら3人が偶然にも出会って、草花を育てる園芸部で活動する。

    いつの間にか、となりに友だちがいた。
    いつの間にか、壁を乗り越えられた自分がいた。

    そう、彼らには「いつの間にか」が、よく似合う。
    殺伐とした風景のなかで、青々と育っていく草花が、勢いよく光合成を作り出す。

    いつの間にか、彼らの世界がキレイな酸素でいっぱいになっていた。

  • 可愛らしい話。
    高校で、帰宅部を選ぼうとしていた男の子ふたりがひょんなことから、園芸部に入ってしまう話。
    タイプの違う友人って、かけ離れていれば、かけ離れるほど、面白くも、強い絆ができそうな気がする。
    BBもいい味を出している。
    また、3人だからいいんだよな~と思いながら読んだ。

    • kuroayameさん
      一度図書館で見かけて気になっていたので、是非借りて読みたいと思います♪。
      内容を教えていただき感謝です★。
      一度図書館で見かけて気になっていたので、是非借りて読みたいと思います♪。
      内容を教えていただき感謝です★。
      2013/02/22
  • 雑草だらけのプランターに、花を植えたくなった。
    以前読んでたのに忘れてまた読んだ。
    ひ弱じゃないんだ。絶対不屈の強者でもない。咲くときになれば自然に咲くんだ。
    刺さるなー。

    • 2.tot-さん
      ゆみちゃんの感想うれしーい!
      そしてほぼ同じタイミングで、ブクログ開いてたのもうれしー!★

      園芸少年すき!
      ゆみちゃんの感想うれしーい!
      そしてほぼ同じタイミングで、ブクログ開いてたのもうれしー!★

      園芸少年すき!
      2019/09/22
  • ページ数はわずか156。
    しかし、ページ数は関係ないのだ、と唸らせる物語だ。
    高校で出会った3人の少年たち。部活が熱心じゃないところが魅力の高校と思っていたのに、ひょんなことから園芸部の活動をすることになる。
    一人ひとりの個性は全く違う、中学校ではそれぞれ絶対関わらないタイプだろう。その3人のやりとりが何とも味があるのだ。
    高校生になると入試を通して囲いが出来る分、逆に心にゆとりができ垣根が低くなるのかもしれない。中学で希望の持てなかった人には、高校にはどこかに居場所があると勇気づけられる話だと思う。2018.8.10

  • 勤務先の中学校の図書室にあった本だ。私は園芸も好きなので、そのタイトルにひかれて読んでみた。読後の感想は、中高生にぜひ読んで欲しいと思った。小さな種から命が生まれるというのは感動そのものの世界。そんな体験を若い時にたくさんして欲しいと思う。

  • ほどよい脱力感。読みやすい。
    子ども向けにかいてあるのかも知れないけど、せっかく良い設定なので、もっと書き込めそうな気がします。(達也、BB、大和田の過去など含めて)
    そしたらもっと読ませる内容になる!

  • タイトルに惹かれて読み始めました。
    いろんな部活のお話はありますが、園芸部がテーマになっているものは初めてでした。

    読みやすかったし、良いお話だったのですが、さらさらとお話が進んで、ちょっと物足りない感じがしました。
    (部活モノと言えばといえばがっつり青春小説!として読み進めてしまったからかもしれません(・・;))
    とは言え、園芸についてと、登場人物3人について深く書いてほしかったかなと思いました。

    園芸部の男の子3人がとてもいい子でした。

  • 読後はさわやかで希望がもてる内容でした。最後は、泣きたくなってしまいそうになる本です。

    3人の男子高校生が園芸部に入ることをきっかけに変わっていく姿を描いています。水をかけてやるのは当然ですが、じつは花の種類や成長段階によって水のやり方が違う。みな同じように見えても、成長にあわせて手入れをしてやることが必要で、枯れかけて見える花だって、手をかけてやれば再生することができる。彼らも植物も同じなんですね。

    最後に強く感じたのは、彼らにとっての肥料は、友だちだったんだな、ということ。
    こちらも、少し元気になったよ。

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著者プロフィール

1966年生まれ。広島大学教育学部心理学科卒業。『非・バランス』で第36回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。『Two Trains』で第57回小学館児童出版文化賞、『園芸少年』で第50回日本児童文学者協会賞を受賞。作品に『いいたいことがあります!』『超・ハーモニー』『クマのあたりまえ』『だいじょうぶくん』などがある。

「2022年 『考えたことなかった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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