- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062156868
感想・レビュー・書評
-
中央図書館で読む。草食系の人です。この会社も同様です。マネージャーのための会社ではありません。スペシャリストのための会社です。大学に似ています。大学とは不思議なところです。非常識人が常識人を支配しています。そうでなければ、動きません。多分、この会社もそうなのでしょう。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サザビーズ。
世界最古の国際競売会社であり、美術系のオークションが非常に有名なグローバル会社です。
最近では、芸術作品の史上最高額を更新する約1億1992万ドル(約96億1200万円)でムンクの「叫び」が落札されたのには記憶に新しいですね。
その日本法人であるサザビーズ・ジャパンの代表である石坂氏の自叙伝です。タイトルにあるとおり「サザビーズ」の会社としての内容かと思ったのですが、実際は異なりますので注意が必要です。
石坂氏は元々商社出身であり、夢であった美術の仕事に携わるため、退職し、サザビーズ・ジャパンの代表になりました。その経緯が記されており、どのように考え、アクションしたのかが述べられています。
美術作品のその額には驚いてしまう。
価値を見定めるために、顧客に提供するために、作家の想い、背景を大前提として知る必要があります。
「わからないことを恥ずかしいと思わない」
「好き嫌いをはっきりさせる」
など、著者のビジネスにおける必要なエッセンスも盛り込まれています。
舞台は芸術であれど、実際のビジネスとさほど変わらない印象を受けます。 -
非常に面白かったです。
こういう芸術に全く素養が無い私にとっては、美術オークションは本当に程遠い世界で、憧れの対象ですらあります。そんな世界を垣間見ることができ、満足です。
以下、備忘録。
同業二社で、広告の完成度に差がある場合は、クリエイターの能力より役員のセンスを疑ってみたほうがいい。日本は感性ビジネスが弱い。
アートを見る目を養うには
➡アートは美しいものであるという誤解を捨てる
➡ある程度美術史を知っておく必要がある
➡美術の役割とは美を提供することではなく、パラダイムを変えることにある
➡描き手と同じ見方をする
➡好き嫌いをはっきりさせる
➡わからないことを恥ずかしいと思わない -
サザビーズ社長の半生。超凄い家柄に生まれる→三菱商事→画商→サザビーズ。趣味と仕事の境界があいまい、なんて本当に羨ましい。しかもビジネスとして資本主義にも関わっていくし。どこかで、生まれ変わったら画商かF1マシンデザイナーになりたい、って書いたことがあったっけ。でも、プレイヤーじゃないんだよね、結局。
いつか映画か美術をちゃんと勉強したいっ、という積年の思いを新にした一冊でした。 -
CEO(Chief Encourage Officer)>パソナ代表 南部靖之の肩書き
社員を励ます最高責任者 -
メモ書きまでに。
本書はサザビーズジャパンの社長である石坂氏の著書である。
同氏が大学の授業に参加していたという経緯から興味を持ち、手に取った。
この本の価値は同氏の考えやビジネス哲学というよりも、
単純にオークションビジネスとは何か?
サザビーズとは何か?
三菱商事社員から画商となり、サザビーズジャパンの社長になったという同氏の人生とは?
という書かれている「内容」に焦点を当てるなら読む価値はあると思う。それ以外は特に競争力のある内容ではない。
文章に一貫性がなく、内容もスノビズムを感じさせる点が多くあるため、万人受けする本ではない。
以下、話はずれる。
興味深かったのは、
美的価値を経済価値/効用として捉える欧米と、
その二つの価値観を完全に分けてしまう日本という構図である。
欧米では美的価値観を一般的な効用として捉える考え方が末端にまで行き届いているからこそ、
美しい街並や文化が一種の公共物として受け止められるのではないだろうか。
それらは一律に正の効用を万人に生み出す、
だからこそ、公共物に美的価値は必要なのだ。
日本では美的感覚と経済価値を全く別ものとして捉えるから、
結局公共物や政府が生み出すものには、
美的センスの欠片も感じることができないのだ。
そんなことを多少考えさせられた一冊であった。 -
今まで興味があったのに知る機会がなかったオークションハウスの仕事内容がかなり細かく分かる。
アートをビジネスとして扱っていながら、石坂さんには「アートが好き」という軸がブレていないのが伝わってきて素敵だなと思う。
石坂さんの生い立ちなどプライベートな情報がスパイスになっていて堅くないのが良い。
商社から畑違いのアート業界に飛び込んで、いちはやくウォーホルのライセンスでの商売をとりつけたり、組織に所属しない個人経営の時代にも大きな活躍をしているのがすごい。
顧客へのサービスやカタログ作りや競売のスリルなど、オークションハウスって難しそうだけれど楽しそう。
こんな環境で働けたらがむしゃらに一生懸命働けるんだろうなと思う。
これは繰り返し読もう。 -
第2章まで 読了。
一瞬ユニクロの宣伝かと思ったけれど、内容自体はおもしろい。
ギャラリーの仕事とはどんなことを考えながらしているのか、というところまで。 -
なんだか家柄からして違うので住む世界が違う感じだが、
今まで見たことのない世界を垣間見れる。
ただ、金持ちでもない人で純粋なコレクター。
余計なお金を使うくらいならいい作品を買いたいという思いの人もいる。
作品を家においてみたくなる。 -
ある資産家(ITメーカーオーナー)のお宅に、20億で落札された絵を納めにいく話が印象的だった。別世界の話で、興味深かった。