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- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062156868
感想・レビュー・書評
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メモ書きまでに。
本書はサザビーズジャパンの社長である石坂氏の著書である。
同氏が大学の授業に参加していたという経緯から興味を持ち、手に取った。
この本の価値は同氏の考えやビジネス哲学というよりも、
単純にオークションビジネスとは何か?
サザビーズとは何か?
三菱商事社員から画商となり、サザビーズジャパンの社長になったという同氏の人生とは?
という書かれている「内容」に焦点を当てるなら読む価値はあると思う。それ以外は特に競争力のある内容ではない。
文章に一貫性がなく、内容もスノビズムを感じさせる点が多くあるため、万人受けする本ではない。
以下、話はずれる。
興味深かったのは、
美的価値を経済価値/効用として捉える欧米と、
その二つの価値観を完全に分けてしまう日本という構図である。
欧米では美的価値観を一般的な効用として捉える考え方が末端にまで行き届いているからこそ、
美しい街並や文化が一種の公共物として受け止められるのではないだろうか。
それらは一律に正の効用を万人に生み出す、
だからこそ、公共物に美的価値は必要なのだ。
日本では美的感覚と経済価値を全く別ものとして捉えるから、
結局公共物や政府が生み出すものには、
美的センスの欠片も感じることができないのだ。
そんなことを多少考えさせられた一冊であった。詳細をみるコメント0件をすべて表示