ニサッタ、ニサッタ

著者 :
  • 講談社
3.63
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本棚登録 : 576
感想 : 112
  • Amazon.co.jp ・本 (522ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062157230

作品紹介・あらすじ

最初の会社を勢いで辞め、二番目の会社が突然倒産し、派遣先をたて続けにしくじったときでも、住む場所さえなくすことになるなんて、思ってもみなかった。ネットカフェで夜を過ごすいま、日雇いの賃金では、敷金・礼金の三十万円が、どうしても貯められない。失敗を許さない現代社会でいったん失った「明日」をもう一度取り返すまでの物語。

感想・レビュー・書評

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  • ニサッタ??耳慣れない題名ですが、アイヌ語で明日という意味だそうです。
    普通に育ち、受験して進学して就職をしたはずなのに。
    どうしてこうなった!?/(^o^)\…の連続でもう、またかよ~おいおい、ほんとに君って人は・・・とつっこみどころ満載の前半。
    いいやつなんだけど。なんていうか流されるのかな。
    世慣れしてないからなのかな。にしても、運がないよねぇ。
    本当に気の毒だよ。
    似たような条件で普通に暮らしてる人もいるはずなのにね。
    わたしだって、夢が特にあった訳じゃなくただ決まったから就職しただけなんだもんなあ・・・

    が、舞台が知床にうつり斜里の町がでてきたところで、地のはてを読んで日が浅いのもありちょっと居住まいを正して?読む。
    泣く。お祖母ちゃんの言葉に。
    ただただ泣く。杏菜ちゃんの本当の理由に。
    どうしようもないではないか。本人のせいじゃない。
    人間はどうしてこうなのだろう。
    とにかく不憫で不憫で辛くて涙が止まらない。

    そんな余韻を残したまますぐ読んだエピローグは泣き笑いだ。
    厳しい知床の冬にポカポカと暖かい日差しが差し込むよう。
    がんばって。とにかく今日を頑張って。

  • 欠かさず読んでいる乃南アサさん。

    簡単に言えば何をやっても裏目裏目に出る片貝耕平(かたがいこうへい)と言う男の物語です。

    この主人公程に酷くはなくても人は誰でも「何をやっても上手くいかない時」が多かれ少なかれあると思います。

    5章まではこの先一体全体どうなる事かとハラハラでしたが6章では思わずホロっとさせられて人間の弱さと共に温かさを存分に感じる事が出来ました。

    エピローグで思わず笑顔にさせられる様な、読後感も爽やかな作品に仕上がっています。

  • 入った会社が倒産、借金。自業自得の事故で怪我をしせっかく見つけたバイトを辞めざるを得なくなったり、もう死にたくなったり。主人公の耕平は、今時の若者の悩みを様々なタイミングで背負っていく。
    生い立ちがかなり重たい杏奈の存在も救われるが、なにより耕平の祖母ちゃんの達観した姿に何度も救われた。
    家族や信頼できる人との出会いや関わりが、自分をつくる。そんな大切なことを教えてくれた。
    どうにもならないことは誰もが経験する事だが、その時にどんな人と出会ってどんな言葉を知るかでその後の人生はどうにでも変わる、と私は思う。
    この本には分厚いぶん、人生で大切なワードがたくさん散りばめられている。
    生きていることに疲れたら、明日を迎えたくなくなったら、手に取りたい本。
    まずは今日を大切に生きてみよう。

  • 主人公の転落人生にハラハラしながら読み進め、繰り返し大失敗をして、せっかく頑張ろうとしているところで脇が甘くヒヤヒヤしたが、なぜか読むのが嫌にはならず、最後は前向きに終了。

    ニサッタ アイヌ語で明日

  • 人生のどん底からの頑張る姿が、現実味あった。主人公はどうしようもないなーって感じだけど、応援したくなる。

  • 東京で就職した会社を安易な理由で辞めてしまい、その後、耕平は何をやってもうまくいかない。
    本人にも問題があるが、不運もあり、あっという間に転落していく。

    うまくいかないことが多すぎて、どこまで堕ちていくのだろうと気の毒に思えるが、新聞屋で同僚になった杏菜もまた更に不幸な人間だった。
    人はどんなに苦しくても、うまくいかなくても、それでも生きていくのだと改めて思う。耕平の祖母の言葉も、温かく人生の重みがあって心に沁みる。
    この作者の「地のはてから」の主人公が、この祖母ということのようで納得。

  • 北海道から東京の大学に進み就職するが、本人が思うようにはいかず職を失い住む場所もなくし転落していく…
    主人公の耕平が「ついてない」とくさりたくなるのも分からなくもない、しかし地のはてからで読んだ悲しい時代を生きた祖母の苦労や杏菜が背負わされているものは自らの力でどうこうできるものではないことを思うと違うだろ!と。
    それでも杏菜に出会って聞いて感じて気づいてよかった、杏菜も耕平に出会えてよかった、そう思うラストとともに祖母も穏やかに暮らしていることが描かれていてホッとさせられる。

    それにしてもこの「ニサッタ、ニサッタ」と「地のはてから」は作者が思うことがすごく表されている感じた。

  • ダメ男の成長物語。
    初めに就職した会社は気に入らなくて退社。
    2番目の会社は、倒産で無職に。
    それから、人材派遣がい者に登録するも、変なプライドに振り回されて、何をやってもうまくいかず。
    どんどん転げていくところで、借金取りからの言葉に心を入れ替えるが・・・

    うまくいかないことを人のせいにしているうちは成長できない。
    どんなことも自分自身に原因があるからだ。
    その原因を認めて、クリアしようとすると気になった時に、道が開けるのではないか。
    苦労は、その中にいる時、辛いものでしかないが、それをクリアした時、かけがえのない宝物になる。

    • kuroayameさん
      この本、図書館で目に入ってきて気になっていたんです♪。
      だからレビューを拝見させていただいたとき、もう嬉しくてたまりませんでした★。
      私...
      この本、図書館で目に入ってきて気になっていたんです♪。
      だからレビューを拝見させていただいたとき、もう嬉しくてたまりませんでした★。
      私も仕事がら色々なことに躓いて、状況的に物語とリンクすることがありそうで、是非次回図書館で探してみたいと思います♥。
      いつも素敵なレビューを拝見させていただきありがとうございます。
      2012/12/29
  • 図書館で、意外と早く順番が回ってきました。

    主人公の耕平くんは、何をやっても最悪の事態になって、まあ自業自得というか、もっとしっかりしろよ! と言いたくなるような子で、このままで行くと、もしかしたら最後まで救いようのない展開で終わるのか……、この人の他の話で、そういうのあったよなぁ……と、ドキドキしながら読んでましたが、最後はおばあちゃんに救われました。
    耕平君も、おばあちゃんのことはいたわってる感じが伝わってきてよかったです。

    おばあちゃんいいなぁ。
    私の祖母は遠く(北海道と大阪)にいるので、滅多に会えないから寂しい。

    お年よりは大切に!!

    ジジババものに弱い私としては、好きな作品でした。

  • 手にしたとき、分厚さにひるみそうになったが、読み始めてみるとスイスイ読めた。何度もどん底に落ちる耕平に、ハラハラしながらも、応援せずにはいられない。耕平はいろいろ馬鹿なことをしてしまうけど、新聞店の皆が杏菜をセクハラでからかうのを「心の底から嫌悪し」たり、その杏菜が強姦されそうになったとき、本気で怒って飛びかかって助けたり、そういうところから、耕平の性根は腐っていないのだとわかる。
    謎に包まれていた、健気な杏菜が、最後の方で生い立ちを語るところではつい涙が出てしまった。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2020年 『チーム・オベリベリ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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