新参者

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 10818
感想 : 1349
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062157711

作品紹介・あらすじ

日本橋。江戸の匂いも残るこの町の一角で発見された、ひとり暮らしの四十代女性の絞殺死体。「どうして、あんなにいい人が…」周囲がこう声を重ねる彼女の身に何が起きていたのか。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、事件の謎を解き明かすため、未知の土地を歩き回る。

感想・レビュー・書評

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  • 加賀恭一郎シリーズ。
    ひとりの女性の絞殺事件を軸に9つの短編編成で進む。
    どれも共通するのは人情、深い愛。
    それぞれ意外な結末で終わるのでとても面白かった。
    加賀もシリーズ当初は気障な部分が目立ったけど。
    徐々に人間味あふれる人になってきたのかなと思います。
    短編とは書いたけど全てがひとつに繋がる様。
    このシリーズどんどん面白くなっていきますね。

  • ガリレオシリーズより新参者シリーズの方が好み。舞台が下町だからか、温かみがありほっこり感がある。もちろん殺人事件を軸に捜査する訳だから真相には暗い部分があるが。

    翻訳業をしていた三井峯子が何者かに殺害される。事件当日彼女と会う約束をしていて遺体の第一発見者になった友人、離婚した夫、俳優を目指し家を出ている息子…

    誰が彼女を殺したのか。事件と無関係に思える些細な出来事にも関心を持ち、独自に捜査を進める加賀恭一郎の推理と聞き込みが面白い。

  • 加賀恭一郎シリーズ 日本橋第一作。
    加賀というと思わず阿部寛の顔が瞼に浮かんでくる。

    巻末の初出から見ると五年間にも及ぶ連作短編集ということらしい。
    一作が僅か40P弱の短いものながら、一人一人のキャラが明確で、起承転結と落としどころをしっかり抑え結末まで持っていく。
    一章ごとに独立した短編に、様々な太さの糸を複雑に絡ませ、伏線を張り巡らせながら、最後の九章でその糸が解けると殺人犯が解明されるという筋立て。
    その全体の構成と流れが秀逸である。

    さらには、煎餅屋、料亭、瀬戸物屋、時計屋、民芸品屋などで働く人物の姿を詳細に描くことで、人形町や小伝馬町界隈の人情味溢れる雰囲気も見事に醸し出している。
    それぞれの登場人物やストーリーのどこにも無駄が感じられない。
    小説の作り手として見事な腕前だ。

    東野圭吾ってこんなに短編上手だったのかとあらためて思い知らされた。
    彼の作家としての技量の凄さを垣間見せる名作と言って良いだろう。
    第一章ともなると十年近く前に書かれたことになるのだが、やはり気合を入れて書いた作品は違う。
    東野さん、「いきなり文庫」なんて無理はやめて、これからも気合を入れた作品を書き続けてくださいな。

    話は変わるが、こういった連作集はきちんと書籍化されてから読むに限るね。
    2004年八月号の「小説現代」で初めて第一章の「煎餅屋の娘」が発表されたのだが、第三章の「瀬戸物屋の娘」と第四章の「時計屋の犬」の間なんて、まるまる二年以上も空いているんだよ。
    物語がまだ序盤で、その後の謎解きの展開は全く予想がつかないので、そんなに待たされたら「次はいったいいつ出るんじゃあ・・・・・・」と叫びたくなるもんなあ。

  • 加賀刑事の人情深さが存分に描かれている。きっと東野さんもこういう人なのだろうなと思う。
    複数の人々の暮らしを表現しながら物語を進める手法は秀逸。
    小説読むヒマあったら、ビジネス書だって読めるし仕事進めることもできるでしょう。
    でもやっぱり私は小説が好き。
    人間として大切なことを学びたいから。

  • シリーズ8作品目。ますます刑事としての加賀さんに磨きがかかって来た作品です。「…でも、刑事の仕事はそれだけじゃない。事件によって心が傷つけられた人がいるのなら、どの人だって被害者だ。そういう人を救う手だてを探し出すのも、刑事の役目です(P220)」彼の事件に取り組む姿勢はここだったんだと納得しました。そして犯人に自白させられるのは上杉しかいないと本人を説得するあたり、加賀刑事の疑問を緻密に埋めていった結果描かれる心あるシナリオに泣かされました。

  • 事件とは直接的な繋がりのない関係者にも一人ひとりとしっかり向き合い大切なものを啓示する加賀。ばらばらの方向を向いているようでも実は一本の軸で繋がっている家族。離婚しながら結局求めたのは家族の絆。コロコロ揺れる人の思いのおもしろさと難しさ。事件には必ずしも結びつかない人達の心の機微、心の深いところにある愛情に触れながら、ほっこり胸を温かくしていたが、これで終わるわけではなかった。中盤以降、俄然色めき立ってくる。短編集と思いきや連作短編、というか寧ろ壮大な長編。関係のないものと思いなしていたことが全て事件解決に向けての伏線となっている。誰もが見向きもしないような些細なことに拘り、決して手を抜かず真相を突き止めようとした姿勢がついには事件本丸の真相を見出すことに。意想外の連続に最後まで目が離せなかった。

  • 図書館で見つけて、さらっと。
    初夏の風のようにさわやかに、駆け抜けていきました

    日本橋人形町で起きた一つの殺人事件を横糸に、
    そこで生きる人々の群像劇を縦糸にの、連作短編のような。

    東京下町の、昔ながらの人と人とのつながりが、
    綾糸のように絡みながら、多彩な色合いを見せてくれます。

    さて、二人の新参者の物語はどうつながっていくのでしょうか。
    ちょうど今の時期(初夏)に読むのに、いいかなぁ、、とも。

    ふと、昔あった『ブギーポップは笑わない』を思い出しました。
    ドラマもやっていたとのことで、今更ながら観てみようと思います。

  • ひとつの殺人事件を巡る連作集。
    所轄の刑事・加賀は、現場の小さな謎をひとつずつ話を聞いて回って解決する。
    ひとびとは小さな嘘をつく。周りの大事な人を守るため。約束を守るため。
    歩き人と接することで真相を導きだしていくその愚直さと鮮やかさ。
    加賀さんのシリーズ、他にも読んだことあったかな?
    下町の雰囲気も出ていてよかった。

    最近読んだミステリーではぴかいち。
    1~5話までと、そのあととで、読んだ時期が違うのだけど、
    最高に落ち込んだときに最終話を読んだので、実は最後はあまり入っていけなかった。
    小説より現実のが厳しいわ。
    でもきっと、ふつうの状態のときに読んだらもっと面白いのだと思う。
    という客観的予測もまじえて★5つ。

  • 加賀恭一郎シリーズの中で、一番最初に読んだ作品。
    ドラマ化されるということで読みましたが、ガリレオシリーズとは違った味わい方がありました。ガリレオではトリックを楽しむのですが、こちらは人間の心情を楽しむ印象でした。
    また、今回の舞台は日本橋ということで、下町の人々ならではの人情模様が楽しめました。
    ミステリーとして読むと、トリックは複雑というわけではないので、物足りなさはあります。
    しかし、読んだ後はスッキリとした気持ちになってくれましたし、様々な人たちの切なさ・暖かさなどそれぞれの思いを味わい深く楽しめました。ただ、犯人を捕まえるのではなく、一人一人の絡まった関係を修復していくという繋がりの大切さ・重要さも大切であると感じました。
    何よりも「加賀恭一郎」の存在さが大きかったです。
    この作品をきっかけに今でも好きなシリーズのひとつとして、最新刊がでたら、必ず読ませていただいています。

  • 加賀恭一郎が登場する作品である。
    舞台は、日本橋の人形町。
    かつて、バイク事故で息子を亡くした上杉刑事が、犯人の説得にあたる。

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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