- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062157711
作品紹介・あらすじ
日本橋。江戸の匂いも残るこの町の一角で発見された、ひとり暮らしの四十代女性の絞殺死体。「どうして、あんなにいい人が…」周囲がこう声を重ねる彼女の身に何が起きていたのか。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、事件の謎を解き明かすため、未知の土地を歩き回る。
感想・レビュー・書評
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初めての加賀恭一郎シリーズ!
小さい頃にドラマ化されていたのを思い出して読んでみました。
1つの事件を中心に9章で物語展開されていく。
シリーズ物はマスカレードとガリレオしか
読んだことがなかったので今回も淡々と
残酷な事が解明されていくのだろうなと思っていましたが。
ミステリー小説なのにこんなにあったかい気持ちになるとは。
いや、ミステリー小説というより
心温まる短編集を読んだような気持ち。
東野圭吾さんの作品を読んでこんな気持ちになるとは予想外です(笑)
ガリレオとはまた違った面白さ!
もう少し加賀恭一郎シリーズを読みたいと思います^-^ -
加賀恭一郎シリーズ。
ひとりの女性の絞殺事件を軸に9つの短編編成で進む。
どれも共通するのは人情、深い愛。
それぞれ意外な結末で終わるのでとても面白かった。
加賀もシリーズ当初は気障な部分が目立ったけど。
徐々に人間味あふれる人になってきたのかなと思います。
短編とは書いたけど全てがひとつに繋がる様。
このシリーズどんどん面白くなっていきますね。 -
ガリレオシリーズより新参者シリーズの方が好み。舞台が下町だからか、温かみがありほっこり感がある。もちろん殺人事件を軸に捜査する訳だから真相には暗い部分があるが。
翻訳業をしていた三井峯子が何者かに殺害される。事件当日彼女と会う約束をしていて遺体の第一発見者になった友人、離婚した夫、俳優を目指し家を出ている息子…
誰が彼女を殺したのか。事件と無関係に思える些細な出来事にも関心を持ち、独自に捜査を進める加賀恭一郎の推理と聞き込みが面白い。 -
加賀恭一郎シリーズ 日本橋第一作。
加賀というと思わず阿部寛の顔が瞼に浮かんでくる。
巻末の初出から見ると五年間にも及ぶ連作短編集ということらしい。
一作が僅か40P弱の短いものながら、一人一人のキャラが明確で、起承転結と落としどころをしっかり抑え結末まで持っていく。
一章ごとに独立した短編に、様々な太さの糸を複雑に絡ませ、伏線を張り巡らせながら、最後の九章でその糸が解けると殺人犯が解明されるという筋立て。
その全体の構成と流れが秀逸である。
さらには、煎餅屋、料亭、瀬戸物屋、時計屋、民芸品屋などで働く人物の姿を詳細に描くことで、人形町や小伝馬町界隈の人情味溢れる雰囲気も見事に醸し出している。
それぞれの登場人物やストーリーのどこにも無駄が感じられない。
小説の作り手として見事な腕前だ。
東野圭吾ってこんなに短編上手だったのかとあらためて思い知らされた。
彼の作家としての技量の凄さを垣間見せる名作と言って良いだろう。
第一章ともなると十年近く前に書かれたことになるのだが、やはり気合を入れて書いた作品は違う。
東野さん、「いきなり文庫」なんて無理はやめて、これからも気合を入れた作品を書き続けてくださいな。
話は変わるが、こういった連作集はきちんと書籍化されてから読むに限るね。
2004年八月号の「小説現代」で初めて第一章の「煎餅屋の娘」が発表されたのだが、第三章の「瀬戸物屋の娘」と第四章の「時計屋の犬」の間なんて、まるまる二年以上も空いているんだよ。
物語がまだ序盤で、その後の謎解きの展開は全く予想がつかないので、そんなに待たされたら「次はいったいいつ出るんじゃあ・・・・・・」と叫びたくなるもんなあ。 -
加賀恭一郎が登場する作品である。
舞台は、日本橋の人形町。
かつて、バイク事故で息子を亡くした上杉刑事が、犯人の説得にあたる。 -
加賀刑事の人情深さが存分に描かれている。きっと東野さんもこういう人なのだろうなと思う。
複数の人々の暮らしを表現しながら物語を進める手法は秀逸。
小説読むヒマあったら、ビジネス書だって読めるし仕事進めることもできるでしょう。
でもやっぱり私は小説が好き。
人間として大切なことを学びたいから。 -
シリーズ8作品目。ますます刑事としての加賀さんに磨きがかかって来た作品です。「…でも、刑事の仕事はそれだけじゃない。事件によって心が傷つけられた人がいるのなら、どの人だって被害者だ。そういう人を救う手だてを探し出すのも、刑事の役目です(P220)」彼の事件に取り組む姿勢はここだったんだと納得しました。そして犯人に自白させられるのは上杉しかいないと本人を説得するあたり、加賀刑事の疑問を緻密に埋めていった結果描かれる心あるシナリオに泣かされました。
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事件とは直接的な繋がりのない関係者にも一人ひとりとしっかり向き合い大切なものを啓示する加賀。ばらばらの方向を向いているようでも実は一本の軸で繋がっている家族。離婚しながら結局求めたのは家族の絆。コロコロ揺れる人の思いのおもしろさと難しさ。事件には必ずしも結びつかない人達の心の機微、心の深いところにある愛情に触れながら、ほっこり胸を温かくしていたが、これで終わるわけではなかった。中盤以降、俄然色めき立ってくる。短編集と思いきや連作短編、というか寧ろ壮大な長編。関係のないものと思いなしていたことが全て事件解決に向けての伏線となっている。誰もが見向きもしないような些細なことに拘り、決して手を抜かず真相を突き止めようとした姿勢がついには事件本丸の真相を見出すことに。意想外の連続に最後まで目が離せなかった。
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図書館で見つけて、さらっと。
初夏の風のようにさわやかに、駆け抜けていきました
日本橋人形町で起きた一つの殺人事件を横糸に、
そこで生きる人々の群像劇を縦糸にの、連作短編のような。
東京下町の、昔ながらの人と人とのつながりが、
綾糸のように絡みながら、多彩な色合いを見せてくれます。
さて、二人の新参者の物語はどうつながっていくのでしょうか。
ちょうど今の時期(初夏)に読むのに、いいかなぁ、、とも。
ふと、昔あった『ブギーポップは笑わない』を思い出しました。
ドラマもやっていたとのことで、今更ながら観てみようと思います。
著者プロフィール
東野圭吾の作品






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ガリレオ一択でしたが加賀恭一郎ハマりました!
単行本が好きなのですが加賀恭一郎シリーズは古いので古本屋などで探し出すのに苦労してます(笑)
実は私もプロフィールを見て似てるなぁと思いフォローさせていただきました(^-^)
これからもよろしくお願いします。