- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062158404
作品紹介・あらすじ
120人の部員を率いる、22歳の若きリーダー。勝った者だけが歌える『荒ぶる』のために生きた、せつない1年。眠れない夜、屈辱の涙、残酷な結末、そして歓喜のとき…キャプテン8人の栄光と挫折、青春の熱い記憶。
感想・レビュー・書評
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早稲田大学ラグビー部出身の作者が清宮、中竹時代の早稲田ラグビー部主将に焦点を当てた本。素直に面白いです。後書も良かった。
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眠れない夜、屈辱の涙、残酷な結末、そして歓喜のとき…。勝った者だけが歌える「荒ぶる」のために生きた、せつない1年。早稲田ラグビー部キャプテン8人の栄光と挫折、青春の熱い記憶を綴る。
「慶應ラグビー 魂の復活」という本を読んだことがある。無名の高校生ラガーを鍛え上げて早明に匹敵するチームを作る慶應に対し、高校日本代表などラグビーエリートが集い、常勝が義務付けられている(と思い込んでいる)のが早稲田。そこで主将を務める苦労は、想像を超えた難しさがあった。カリスマ清宮監督、それと正反対の後任中竹監督に仕えた8人の苦悩は、社会人にもなかなか示唆に富んだ内容だった。
(B) -
全部観に行ってた世代だから感情移入しちゃいますわな。
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早稲田ラグビーについての書籍は多いが、
最近は清宮前監督や中竹監督といった監督が取り上げられることが多かった。
この本は、主将に焦点をあてる。
2001年度清宮前監督が就任した年、
そのときの主将を務めた「左京泰明」から、
昨年度の主将「豊田将万」までの8名。
インタビューをもとに、その栄光と苦悩が語られる…。
ここに見られるのはほんの一部でしかない。
けれど、見当もつかないような苦悩の日々を送ってきたのだろうことを感じることはできる。
伝統校の主将、そんなプレッシャーに眠れない日々があったことが、
この本を通して知ることができる。
大舞台で躍動する姿に素敵だな、うらやましいなと、試合を観戦すると思うのだが、
その裏にはやはりのしかかるプレッシャーがあったのだ。
それにしてもそれぞれに個性的な主将たちである。
主将によってチームの雰囲気が異なるのだなと、
当たり前なのかもしれないけれど、なんだか新鮮に感じた。
印象深かったのは諸岡省吾だろうか。
8人の中では最も大人な雰囲気をもち、
でもどこか親近感を感じさせる。
ビジネスパーソンとしても優秀なのではないかと思う。
たぶんいい上司にもなりそうだ。
山下大悟、大田尾竜彦、佐々木隆道・・・。
この3人はカリスマ的な存在感がある。
しかし、大田尾竜彦は主将の1年間を失敗だったと振り返っている。
「生まれてからあれ以上つらい1年はない」
「ラグビーをはじめて一番つまらなかった時期」そう評している。
垣間見える舞台裏、早大ラグビーファンとしては、たまらないドラマである。
それにしても、100名を超える部員がいるわけで、
当然、4年間、アカクロを着れずに終える部員もいる。
彼らの気持ちはどういうものなのだろうか?
そこにあるドラマをみてみたいと思ったりもする。
いや、でも、そこはそっとしておくべきものなのかもしれないな。