月夜のチャトラパトラ (文学の扉)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 59
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062158640

作品紹介・あらすじ

カッパドキアの洞窟ホテルで育ったカヤは幼い頃、"キノコ岩の森"に迷い込み「小さな人」たちと出会う。満月の夜に、時と友情の扉が開く…。少年カヤと小さな人たち、時空を超える友情のファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • 続編を読みたい。

  • たなぞうの感想で出会った本です。

    トルコのカッパドキアにある洞窟ホテルを営む夫婦に育てられた男の子・カヤが主人公です。
    カヤは幼いころに洞窟に住む"小さな人々"に出会います。
    3人ひと組で喋り、甘いものが大好きな彼らを、カヤは"チャトラパトラ"と呼ぶことにしました。

    冬の物語にもかかわらず、ずっとあったかい雰囲気がただよう物語でした。
    表紙の絵のように、黄色やオレンジのあたたかさ。
    チャイやホットワイン、洞窟の中の一部屋で暖炉を囲んでの団欒。
    ますますトルコへの憧れがつのりました。

  • トルコの観光地、カッパドキアの洞窟ホテルに集う人たちのお話。
    図書館で、児童書や中高校生向けのエリアの棚にみつけました。

    夢があって、心温まるファンタジーでした。

  • 個人的にはあんまりでした…
    トルコ、洞窟のホテル、小人と旅行意欲をかきたてる設定なのですが

  • トルコのカッパドキアにある洞窟を利用したホテルを舞台にしたファンタジー。
    すごく良かった。

    主人公の少年は、赤子のときに洞窟で発見され、のちにホテルの主人となる夫婦に育てられた。
    観光シーズンが終わった冬、泊り客は日本人の画家だけでのんびりしている。
    そこへ訪れたのは考古学者を名乗るフィンランド人。
    少年の秘密のともだちは、洞窟にすむ三人の小さな人たち。

    もう設定だけでも素敵さ。
    そんで中身はもっと素敵だ。
    色んな創作を思い出した。たとえばキノコの森の小人にはゲーム「moon」http://booklog.jp/item/1/B00005OV8Jのカクンテを。
    トルコに日本人を含む異国の人が宿泊する雰囲気に「村田エフェンディ滞土録」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4048735136を。
    少し昔の人が残した手記の謎を追う展開には「たったひとりの伝説」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4652011210 を。
    「花の館に」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4061956442の雰囲気もある。
    だけど空気に通じるものがあるというだけで、物語はオリジナル。

    きれいな感情だけじゃなくて、欲や嫉妬や不安もある。
    だけどそれを乗り越えた、薄っぺらくないきれいさがある。
    子供向けにちょうどいいくらいのほろ苦さが良い。
    チャトラパトラの無防備な強さはかわいい。

    トルコの風俗を追うのも楽しい。カイセリやカッパドキアやキリムのことも知りたい。
    マントゥはやっぱり饅頭(マントウ-まんじゅう)と関係あるのかな。
    舞台は著者の友人が実際にやっているホテルがモデルだそうな。
    こういうのを読むと旅っていいなと思っちゃう。

    絵は表紙がいい。中身はいまいち。

  • トルコの真ん中にあるカッパドキア地方。洞窟を利用したホテルのペリバジャス。旅行シーズンは予約でいっぱいだが、冬に泊まる人はいない。しかしこの冬にはお客さんが。夏に一度やってきて、そしてこの冬ひとりでやってきた画家のヨーコ。60歳の日本人。そしてフィンランドからやってきた28歳の金髪の青年ミッコ。
    ホテルの主人で歴史を愛するアタ、コーヒー占いの名人のアナ、二人に育てられている少年カヤ、そしてコックさん。 
    満月の夜、カヤは〈キノコ岩の森〉の奥で、三人の小さな人をみつけた。ネコぐらいの大きさ。肌が白くて赤毛で目が緑で、カヤに似ていた・・。チャトラパトラって言ってるように聞こえたので、彼らをチャトラパトラって呼ぶことにした。そこから始まる不思議な物語。
    何故カヤがここにいたのかという説明はなかったね。ただ読んでいてゆるやかな時間が流れている感じがしました。カッパドキア、行ってみたくなります。ペクメズ飲みたい。

  • こういう小人さんモノ 子供のころ大好きだった。
    なんだか ほんわかしたし 元気が出た。

    見ようとしなければ なにも見えない。

    ココロの置き場があるから 時空を旅出来ても しない。
    ここが好き って知ってるから。

    月夜に道は ひらかれる。


    子供が読んでも面白いだろうけど
    ココロ疲れた大人が読むと じんわりする。
    そんな本。

  • チャトラパトラがかわいい!
    読んでいると、その場面が頭に浮かんできて楽しい!
    きれいだったり、かわいかったり、あきない!

    カッパドキアニ行きたくなります!

  • 読んで良かった。微笑ましい、優しいぬくもりが感じられる。
    そういう感想があった。

  • カッパドキア、トルコなどを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

新藤悦子 1961年愛知県豊橋市生まれ。津田塾大学国際関係学科卒業。トルコなど中近東に関する著作に、『羊飼いの口笛が聴こえる』(朝日新聞社)『チャドルの下から見たホメイニの国』(新潮社)『トルコ風の旅』(東京書籍)などがある。児童書作家としても活躍、『いのちの木のあるところ』『さばくのジン』(「こどものとも」2017年3月号/以上福音館書店)『青いチューリップ』(日本児童文学者協会新人賞受賞/講談社)『アリババの猫がきいている』(ポプラ社)など多数。「たくさんのふしぎ」ではほかに、『ギョレメ村でじゅうたんを織る』(1993年9月号)がある。

「2023年 『トルコのゼーラおばあさん、メッカへ行く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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