烏有此譚

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 408
感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062159333

感想・レビュー・書評

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  • この作者の本で唯一最後まで読んだ記憶がある
    その記憶しかない

    灰の男の話が良かった

  • 5/29 読了。

  • 『オブ・サ・ベースボール』『これはペンです』『道化師の蝶』と読んで来て、(前述の通り自分はその作者を判断するのに三冊を読んでからということにしているので)、この作者は面白いな!自分の好きなタイプだな!と思っていたのですが、『後藤さんのこと』『バナナ剥きには最適の日々』と読んで、あれー?なんか小難しくて合わないなあ、と感想を抱いて不安になってきていました。それでこの『烏有此譚』を読んで、自分はこの人の小説はもしかしたら肌に合わないのかもしれない…と自信を失くしました。
    注釈の遊び心は面白く感じたし、その博覧っぷりに舌を巻いたりはしたんですけれど、肝心の本筋が頭に入って来ないと言うか、いまいち内容が面白くない。こういう不条理文学ってのは、苦手だなあ。
    『Self-Reference ENGINE』『Boy's Surface』は買ってあるので読むつもりですが、なんとなくこれも肌に合わない予感がする…

  • 分からないけれども面白いと言う不思議な本でした。
    本文の『僕』の述べることに対する注釈がかなり自己主張が強くて本文よりも注釈がメインで読んでしまいました。

  • 流し読み

  • 装丁惚れ。本文の理解を求めるための注かと思ったら、さらなる混沌の渦にとぐるぐる。大きな疑問符がこれでもかと頭の上をぷかぷかしているのでありました。真っ当に見えた僕の語りが次第に思弁的になり、精神的変調の兆しでこれまで明確に見えていたように思えた世界がくるりと裏返って不安定に。決してすんなりするすると脳内に入り込む世界ではないのですけど、そんなところが魅力的で、読み終えて妙な興奮の中冷めやらずのまんままた読み返している自分。灰の話と穴の話に妙にふむふむと没頭して読んでいる自分なのでありました。(2010年1月読了)

  • memoのように注を書き綴れば
    それは生涯ひとつの物語になるかも…
    そこですべてを吐き出すことができれば、それ以上書き続ける必要はない。
    人生にも注を!

    烏有此譚memo

    p79 烏(いずくん)ぞ烏有に帰さんや昼夜を問わず。
    烏(いずくん)ぞ此(こ)の譚(はなし)有(あ)らんや
    どうしてこんな話があるのだろうか、いや、ない=馬鹿話
    ※79ページに来るまで自分が読んでいた本のタイトルをすっかり忘れていた。
     もちろんこの文章が本のタイトルの説明になるのだろう。

    末高に灰が降り始めたらしい…
    ※末高…どう読むのかわからない。末高は末高の長男であるらしい。???
     「灰」はキーワードではあるが、それは下記のように展開する。

    薪が灰となり、灰は木にならない。かといって、灰をあと、薪が先とは見るなと道元は言う。
    薪は薪であり、灰は灰である。別個に別れ、連なりを考えるべきではない。生と死も同じことである。

    注の最後の一文
    さあ、はじめよう。音楽だ。
    ※さて、この一文は?
     もう物語は十分だってことか?
     注がこの物語を締めくくっている。


    ※注はこの物語の重要なアイテム。
     でも文章中に出てくるたびに注を探して読んでいては物語がわからなくなる。
     次の注を探し続けるために物語を読んでいるようなものだ。
     注は全部で六四

    冒頭よりずれっぱなしの注が本文に追いつくのはp97
    終盤、注の空白を埋めるための注が登場
    ※後半、注が少なくなると物語に集中していくのだが、
     そこに空白を埋めるための注が登場してくる。
     
    ※注を読むのは本文の理解をより深めるためではあるのだけれど
     それが本文にとって良いことかどうかはわからない。

  • まさに円城塔の才気煥発!
    読み方は色々あると思いますが、注釈を本文と合わせて読むことをおすすめします。
    人間の指が5本あって良かった。休む時にはしおりが最低2つは必要ですw

    注釈の暴走っぷりと内容が面白すぎて本文そっちのけで熱中してしまいました。
    本文なんてただの飾りですw
    もちろん本文の穴や灰の話も結構考えさせられて面白いですけど、やっぱりこの作品はなんといっても注釈がメインだと思います!
    烏ぞ此の譚有らんや。いずくんぞこのはなしあらんや。どうしてこんな話があるだろうか、いや、ない。

    こういう読書の仕方も面白いなーと思いました。
    はたから見たら行ったり来たりでとても読書しているようには見えないですけどねw
    変化球なんで評価はほどほどにしておきますw

  • 円城さんはブレない。一度馴染むとクセになる円城節。注釈をどう読もうか迷ったけど、一度本文だけ読んでから注釈を読み直す方式で読了しました。

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著者プロフィール

1972年北海道生まれ。東京大学大学院博士課程修了。2007年「オブ・ザ・ベー
スボール」で文學界新人賞受賞。『道化師の蝶』で芥川賞、『屍者の帝国』(伊
藤計劃との共著)で日本SF大賞特別賞

「2023年 『ねこがたいやきたべちゃった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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