現代霊性論

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 484
レビュー : 69
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062159548

作品紹介・あらすじ

神さまや幽霊についての現象学的アプローチ。生とは、死とは、霊とは?-お葬式、占い、霊能者、タブー、新宗教、カルト、UFO…「スピリチュアルの毒」にあたらないために、現代日本人必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • 名づけは力。
    イメージが前進する力になる。

  •  本に記してあるように、神戸女学院の大学院で行なわれた「現代霊性論」の講義録に基づいた本で、読み易くまとまられていると思う。テーマ的には徐々に難しいというか本質的な宗教って何の方向に流れてゆくようになっている。学生向けの講義という形態をとっていることで、内田・釈両氏の難しい話をなるべく砕いて学生に語るという姿勢に好感が持てる。それは時に漫才のようでもあり、現場を笑いの渦に巻き込みながらの講義の模様は、本書からも充分窺える。

    私にとって、日常と宗教的なもの(霊性)のかかわりについて、歴史的な背景も含めて広く教えてもらえた有益な内容であった。

    それにしても二人とも面白い。

  • フォトリーディング勉強会にて読了。
    『場の力』のキーワードが心に残る。
    携帯電話をいじったり、イヤフォンをして歩いていると、『場の力』を感じそこなう。もっと『場の力』を感じて生きていきたいものだ。
    姓にも呪い=意味がある。旧姓を名乗っている人は、自己実現に拘り、入籍後の姓を名乗っている人は、内なる幸せに拘っているのかも。私は従順さを姓で表現したいと思っていたことに気付いた。名は体を表す、である。

  • 新宗教や靖国問題について疑問に思っていたことや腑に落ちなかったことが、すっきりした。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「腑に落ちなかったことが、すっきりした。 」
      お二人が話すコトで、よりクリアになった感じですね。
      昨年8月、相愛大学で講義「みんなの現代霊性...
      「腑に落ちなかったことが、すっきりした。 」
      お二人が話すコトで、よりクリアになった感じですね。
      昨年8月、相愛大学で講義「みんなの現代霊性論」があったのですが、聴きに行く予定が野暮用が出来て行けず、、、またあれば、次こそは何とかして聴きに行きたい。
      2013/06/10
  • 内田樹氏と、釈氏の「かけあい」による講義録。
    霊性や宗教というテーマを扱ってとても面白い。

    「霊的な豊かさ」を考える重要性は認めるものの、果たして具体的にはどのようなことなのか。
    実は分かったようで分からないのだが、そういった「問い」をかけることが大切なのだろう。

  • スピリチャルブームが全盛だった2005年の内田樹と釈徹宗による対談集。霊性論というタイトルですが、中身は霊と宗教の関係がテーマ。
    ・宗教はこの世とあの世とのケジメをつける儀式として必要不可欠なものである。
    ・名前は呪術的なものですが、現代人はただの記号として捉えている。
    ・宗教には団体宗教者と民間宗教者(霊能者)が居り、それぞれ担っている役割が違う。
    ・日本文化の三形態として「ハレ・ケ・ケガレ」があり、これは民俗学や文化論でよく使われる。都市生活はハレが常態化しており、これは危険な状況である。
    等々の現代日本が抱える霊性的な問題に対する考察が、両者の対話で進められます。対談というのは、テーマがぼやけたり結論が判りにくかったりしますが、日常起きているエピソードを盛り込んで具体的な事例を提示するので、とても分かりやすかった。

  • 浄土真宗本願寺派の僧であり、宗教学者でもある釈徹宗と
    思想家であり仏文研究者である内田樹による共同(掛け合い)
    講義録。内容は現代における霊性=スピリチュアリティへの
    アプローチ。現代の日本人がいかにして霊的なモノに向き
    合えばいいかということの指針の一助となる本。政教分離
    からくる教育現場や家庭教育における宗教教育の欠除は
    いかんともしがたく、そのため現代の日本人の若者、いや、
    私と同じような中年世代の人間までもが宗教や霊性という
    モノに対して免疫がなさ過ぎる。それがオウム真理教の
    ような惨劇を産むのであろう。スピリチュアルの毒気に
    あてられて人生を失わないように、多少なりともこういう本
    が世間で読まれることを期待したい。

  • 一般的な会話では話しづらいことが、たくさん書かれてあり、大変に興味深かった

  • 対談を収録した宗教(霊性)論。小林よしのりまでも話題に登場する。

    それにしても“霊性”だとなんかインチキくさいが、“スピリチュアル”とすると胡散臭さがなくなるのはなんでかな(本の内容とは全く関係ないけど)。

  • そういえばこちらも大学の講座がソース

    【読書メモ】
     ・ コミュニケーションというのは、詮ずるところ、入力の変化に応じて、出力が変化するような呼びかけと応答の関係のことですから。 p10[more]
     ・ 神さまとか幽霊とか怨霊とか、そういうものについては現象学的なアプローチが有効です。現にそのようなものが活発にわれわれの日常生活の中で機能していることは間違いないんですから。//「それ」があると思っているせいで、現にいろいろな現実的な出来事が発生している場合は、その現実の出来事を一つひとつ点検することで、「それ」がどういう構造を持ち、どのように機能しているのかについての合意形成はできる。 p14
     ・ 神道というのは、なかなかきっちり学ぶ機会がないと思いますけれど、基本的には共同体を繋ぐための宗教なんです。村落や血族や氏族のバインド(絆)の役目をしています。宗教儀式を行うことを中心とする宗教ですから、教義とか思想性はそれほど重要じゃありません。 p18
     ・ 「霊」という字は、古語では、「ひ」とか「ち」って読むんですね。だから「ひと」は霊が留まっているところという意味です。「ち」はいのちの「ち」でもありますし、血液の「ち」に繋がったりして、要するに人間の本性といったイメージがもともとあるんですよ。 p19
     ・ 「死んだ霊は、大いなる全体に還る」 p19
     ・ 昔は、両墓制といって「埋める墓」と「参る墓」とに分ける形態だったことが広範囲に確認されています p21
     ・ 日本拳法です。相手の次の行動パターンはやはり眼で読みます。だから白目があるというのは、行動や意図がわかりやすくなっちゃいうから、生きる上ではものすごく不利なんです。なのに、人類がわざわざ敵に行動を教えるような、ものすごい危険な方向に進化してきたのはなぜか。それはコミュニケーションをとりやすいように、相手に自分の気持ちをメタのレベルで伝えやすいようにするためだ、と。生存上の危険度と、コミュニケーションとを天秤にかけて、コミュニケーションを選択したのでこうなったとその先生に教えられました。 p67
     ・ 民間宗教者というのは、その場にいる相手、個人と個人との関係性の中で機能する技法だということです。ですから、いわゆる巣を相手にすると、ある意味、詐欺に近くなると思うんですね。詐欺というか、とても罪つくりなことだと思います。宗教というものに対して鈍感でないとできない。 p79
     ・ 「人知を絶した境域における適切なふるまい方」、それを主題にした文学作品が世界性を獲得する。 p136
     ・ 世界文学になるような作品は、あらゆる時代、あらゆる場所に共通する「どうしていいかわからないときには、どうすればいいか」という難問を扱っているから世界文学になり得る p136
     ・ 宗教には大きく分けて「受容/安定機能」「自立/創造機能」「バインド機能」の三つの働きがあると思われます。 p206
     ・ 儀礼とは「何でこんなことをやるのかわからないにもかかわらず、止めることができないもの」 p251
     ・ 自我というのは内側のことだと思う人がいるけれど、そうじゃない。外と内の境界面みたいな、皮膜みたいなものが自我じゃないかと思います。それの外も自我じゃないし、内も自我じゃないし。その両方が入り組んでいるところが自我なんです。/それはずいぶん面白いですね。そうか、外部と内部というのではなく、インタービーイング(互いに入り組みあって相互依存的に成立している関係)なんだ p271
     ・ 自分のヴォイスを探しあてたら、あとは無限に書ける p272
     ・ 宗教というのは、愛とか労働とか言語と同じレベルのものです p285
     ・ 「運がいい人」というのは、周りからは「選択するときにいつも正しいほうを選ぶ人」というふうに見えているんだと思います。でも、そうじゃない。「運がいい人」っていうのは選択しない人なんです。//「運のいい人」は自分が進むべき一本の道しか見えない。だから逡巡しないし、迷わない以上決断するということもない。 p290

    【目次】
     1 霊って何だろう?
     2 名前は呪い?
     3 シャーマン、霊能者、カウンセラー −民間宗教者のお仕事
     4 スピリチュアルブームの招待
     5 日本の宗教性はメタ宗教にあり
     6 第三期・宗教ブーム −1975年説
     7 靖国問題で考える「政治と宗教」
     8 宗教の本質は儀礼にあり
     9 宗教とタブー

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。神戸女学院大学を 2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の現代思想』(文春文庫)、『サル化する世界』(文藝春秋)、『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書・第6回小林秀雄賞受賞)、『日本辺境論』(新潮新書・2010年新書大賞受賞)、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』(以上、ミシマ社)など多数。第3回伊丹十三賞受賞。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2020年 『日本習合論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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