感応連鎖

著者 :
  • 講談社
3.28
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本棚登録 : 319
感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062160445

作品紹介・あらすじ

膨張し、肥満し続けるわたしのからだ。やり切れぬ思いを解き放つのは、誰?体重100キロの16歳が「夢の娘」になるまで。

感想・レビュー・書評

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  • 今まで読んだことのないような、不思議な作品でした。
    母親と娘の間にある感情のひだ、思春期の少女たちの微妙なコンプレックス、優越感、友人や他人との距離、かけひき。
    作者の方と私は同年代なのですが、「おばさん」となって現実の生活に忙しい自分が忘れてしまったような、女性たちの心理の揺れが感じられました。

  • 「夢の娘」に縛られながらそんなことおくびにもださず クールなふりをする。人間なんてそういうプライドがなかったら 生きていてもおもしろくないじゃないですか。みんなけなげに けっこうまじに考えているのかも・・・。

  • 感想
    理想と夢想。理想が叶わないと悟った時人間はどうするべきか。現実を受け入れ理想を切り捨てるか。それとも少しでも実現できるように足掻くべきか。

  • 「肝、焼ける」「田村はまだか」二冊しか読んだことないが
    とても面白かった。いや、面白すぎた。
    期待値が上がりすぎてしまったのか。

    上記の作品はたんたんと進む展開にも関わらず印象に残った。
    本作品はとても凝ったテーマになっていて前半引き込まれた。
    しかし失速して中だるみ。面白さが持続しなかった。

    上記の作品はたんたんと進む展開にも関わらず印象に残った。

  • 夫が好む映画は

    バクダッドカフェ

    私と同じだ!

    うーむ「田村はまだか」を超える作品は

    まだか

  • よくも毎回、これほど薄気味悪い女たちのありさまを質感ゆたかに描き出すことだ、と感じ入っています。
    一頁めを開き、女が現れて語りだし、その輪郭がくっきりと立ち上がってくる過程の鮮やかさ、不気味さは何度体験しても舌を巻く。

    そんな不気味な登場人物を、でもいつの間にか手に汗握って応援したくなるほど魅了されるのがたまらないのですが、今回は訳が違いました。
    徹底的に異質。

    章立てされている四人の女たちの、感応連鎖。
    とても現実には存在しないだろう、存在してほしくはない、と思わせる女たちですが、でも、するかもね、とも思わされるのですよね。こわい。

  • これは面白かったー

    あぁそっか、そうくるのか、という。
    女はかくも面倒臭い、と切って捨てられてしまいそうでもある。

    「感応連鎖」ってタイトルが秀逸。
    この小説に冠するのにぴったり。
    最後まで読んでほう、って溜め息ついた。満足の方で。

    気持ち、感情、思い。そういうようなものが、じわりじわりと他人に影響していく。
    妄想だろう、偶然だろう、と笑うこともできるのかも知れないけど、そんなことじゃ済まされないようなところがある。
    思いは確かに形になるのではないか。
    現実を侵すように、そっとこちら側に染みだしてくるでのではないか。
    なんて、考えてちょっと怖くなる。

    もしかしたら女の方がこういうのってより強い影響を受けるのかなぁ。それは今回の主人公が女ばっかりだからそう思うだけかな。

    「 なにもかも気がついています、その上で不相応な望みを捨てきれないのです、でも、それをだれにも知られたくないのです、知らせたくないのです、でぶで、ぶすで、ばかと思っていただいて結構です、知られるよりは、そのほうがいいのです。
     わたしが畏れているのは、佐藤絵理香ではないようだった。おそらく、もっと抽象的な、目に見えないけれども「たしかにあるもの」だろう。」
    という文章のところが、とても印象に残っている。

  • 少女同士の意地悪な視点、描写に
    「それはいいすぎだよ~よくないよ~」と
    思いつつ、「でもあるよな」と共感する自分の
    ダークな部分を認識させられる作品。

     全体のテイストは、ユーモラスで軽いが
    その奥に潜む問題は(人類普遍?)大きく、
    癖になりそうな小説だった。

    最近言われる、スクールカースト(学級内の
    階級制)だって、昔からあるのだと、考えたり
    した。

  • いわゆる、ブラックかすみさんのほう。チャプター毎に主人公が変わるけど、ストーリー展開に沿っているから、各登場人物の目線で見られておもしろかった。オムニバスよりこういう方が好きだな。

  • なるほど。
    始まりから、どぅまとめるんだろう?と期待るす作品だった。なるほど、すっきりと着地。
    まぁ面白い。ちゃんと伏線が回収される心地よさと、ちゃんとした文章。
    色々ちょうどいい

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著者プロフィール

1960 年生まれ。北海道出身。04 年「肝、焼ける」で第72 回小説現代新人賞、09 年「田村はまだか」で第30 回吉川英治文学新人賞、19 年「平場の月」で第35 回山本周五郎賞受賞。

「2021年 『ぼくは朝日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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