真昼なのに昏い部屋

著者 : 江國香織
  • 講談社 (2010年3月25日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062161053

作品紹介・あらすじ

会社社長の夫・浩さんと、まるで軍艦のような広い家に暮らす美弥子さんは、家事もしっかりこなし、「自分がきちんとしていると思えることが好き」な主婦。大学の先生でアメリカ人のジョーンズさんは、純粋な美弥子さんに心ひかれ、二人は一緒に近所のフィールドワークに出かけるようになる。時を忘れる楽しいおしゃべり、名残惜しい別れ際に始まり、ふと気がつくとジョーンズさんのことばかり考えている美弥子さんがいた-。

真昼なのに昏い部屋の感想・レビュー・書評

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  • 主婦の美弥子さん。
    子供っぽい夫を愛し、子供はいないが家事を完璧にこなしつつ、それなりに満ち足りた日々を送っていた筈なのに、外国人のジョーンズさんと出会ってから胸のときめきを覚える。

    恋愛でなく親愛の情として男性を大切に思う事は罪でしょうか?彼女がしたのはただのフィールドワーク。散歩です。

    それは、頻繁でしたし、手をつないだり恋人のように見える事もあったかもしれませんが、あくまでも友人関係だった。

    なのにそれを誤解した夫が話も聞かずに喚き散らすから、美弥子さんは家を出てジョーンズさんの元に行き、男女の関係になってしまった。

    最後、離婚の準備を始めた美弥子さんにジョーンズさんも興味を失っていく。男の勝手さが頭にくる。

  • 恋が始まる時ってこんな感じだったな、と思い出す。
    そして、こんな風に馴れて行くんだなとも。
    美弥子はとうに恋の仕方を忘れていた。まっさらだった。だからこそジョーンズさんには可憐な小鳥のように映ったんだろう。


    この一節が好き。

    まったく驚くべきことでした。ジョーンズさんといると、一日ずつが新しいということや、世のなかにはいろいろな人がいるということ、色が溢れ音が溢れ匂いが溢れていること、すべて変化するということ、すべての瞬間が唯一無二であること、でもだからこそ惜しまなくていいこと、などがこわいくらい鮮烈に感じられます。


    そう、恋ってそんな感じだったよね。五感が研ぎ澄まされる。
    だったよね、ってのは、自分も結婚してそういうのを忘れちゃったから。

  • 真昼なのに昏い部屋とは言い得ています。視覚的に暗い部屋でもあり、美弥子の心でもあり、堕ちてゆく不倫の関係でもあり、その後の美弥子と浩の世界でもあり、人生の黄昏、虚無感ともとれるように思います。美弥子が信じていた生活に少しずつ綻びが生じ、新たな自分を発見、小鳥だった美弥子は羽ばたいていく。泥沼の不倫劇ではなく淡泊に描かれているので、見ようによっては純愛ではなくゾッとする話だった。

  • 江國さんの真骨頂だと思った。読んでいて楽しく、気持ちが良い。こういう割り切った生活には憧れる。素敵な女性、素敵な生活、そして素敵な恋愛(?)。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      江國香織って読んだコトがないのですが、タイトルが巧い。どんな話だろう?と思ってしまいます。しかも表紙絵が、ゴヤの「ロス・カプリーチョス お前は逃れられまい」。意味深やなぁ、、、
      2013/02/19
  • 美弥子さんが世界の外に出る話

  • 眠りにつく前に読み上げられる童話のように静かでいて、凍えるナイフのように冷徹で残酷な物語。江國さんは、みんなが無意識のうちに虚飾を施し、日常風景に溶けこませている人間の真理を見つけ出す。そして、ひっそりとした手つきでその皮を剥がし、そっと白日のもとに晒すのがうまい。なんて残酷。でも全て真実。

  • 最後の文を見て、 いたたまれない気持ちになりました。

  • 読後胸がザワザワする感じ。
    のぼった梯子を外されたような。

  • 裕福な家庭の人妻が近所のイベントで知り合った外国人の男性と恋に落ちて戻れなくなるお話。

    満たされているようでいて夫とすれ違いの日々を送る専業主婦の孤独感に何だかしんみりしました。

    外国人目線のお散歩とか、物語の途中までは楽しかったのに、ラストがヒンヤリと怖い小説です。

  • 図書館で、今まで見たことない江國さんの本だったので借りてみました。
    読み始めようとしたときに、mixiで「読後嫌な気分になった」と2人の方が書いているのを発見。。
    語尾が「~なのです」「~でした」っていうのと最初に出てくる登場人物が外国人なので、この辺りが今までと違うところなのかなーと思いながら読んでいました。
    始めの方は、専業主婦っていいなと思ったり、慣れてくるとあまり気にならず読め楽しかったけれど、ひろしさんがキレるところらへんから読んでいられなくなりました。

    ひろしさんみたいに、人間って人の話を自分の都合のいいように解釈して聞いちゃうときってあるよなーと思いながら読みました。
    美弥子さんがフィールドワークとか銭湯に行きだしてご近所の目は気にならないんだろうかと思っていたんですが、やっぱり噂になっていたんですね。。

    途中読んでないけど最後の方を読んだら美弥子さん離婚するんだね。
    でもジョーンズさんは前ほど美弥子さんに魅力を感じなくなったという他人夫婦を引っ掻き回しといて何だそれという結末でした。。

    今までの話は、不倫で終わってたり、周囲にはバレずに終わっていたけど一線を越えてしまったところが読後のイヤな感じの原因かなと思いました。

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