ピストルズ

著者 :
  • 講談社
3.46
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本棚登録 : 932
レビュー : 116
  • Amazon.co.jp ・本 (674ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062161169

作品紹介・あらすじ

「若木山の裏手には、魔術師の一家が暮らしている-」。田舎町の書店主・石川は、とあるキッカケから町の外れに住む魔術師一家と噂される人々と接触する。その名は菖蒲家。謎に包まれた一族の秘密を探るべく、石川は菖蒲四姉妹の次女・あおばにインタビューを敢行するのだが…。そこで語られ始めたのは、一族の間で千年以上も継承された秘術にまつわる、目眩めく壮大な歴史だった。史実の闇に葬り去られた神の町の盛衰とともに明かされていく一子相伝「アヤメメソッド」の正体と、一族の忌まわしき宿命。そして秘術の継承者である末娘・みずきが引き起こしてしまった取り返しのつかない過ちとは一体-?やがて物語は二〇〇五年の夏に起こった血の日曜日事件の隠された真相を暴きだしてゆく…。読むものをあらゆる未知へと誘う、分類不能の傑作巨篇。

感想・レビュー・書評

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  • つくづく不思議なひとだと思う。
    圧倒的な情報量とファンタジーめいた荒唐無稽な設定。
    長いけど、最後まで一気に読めてしまうくらい面白いんだけど、読んだあとに何も残らない感じ。いや、けなしてるんじゃなくて、意図的に情報量と面白さの中になにかモヤモヤっとしたものを埋め込まれてる気はするんだけど、読み終わっても結局正体がわからずに漠然とした腑に落ちなさだけが残ってる。
    でも自分の中で何かしら落としどころを見つけるためにシンプルにストーリーを楽しんだ、てことで納得させようとするから何も残ってなかったことにしてしまった気がする。でも絶対なんかあったはずなんだけどな、てのをずっとひきずってる。

  • 山形県にある神町の旧家、菖蒲家。
    一子相伝の「秘術」を操る一族とは如何なるものなのか…

    菖蒲家について語る次女あおばの口上と、
    それを聞く書店主の石川による手記によって
    一族の今昔がひもとかれていきます。

    手記はレポートを読むかんじで、語り口はお上品。

    ただの通りすがりの読者には、
    状況を把握するだけで精一杯でした。

    キーワードは、

    ・薬物
    ・少女趣味
    ・抑圧

  • 魔法使いとテロリストと家族は同義語。
    個人を淘汰し凌辱する。
    オーロラとサイクロンは人々を惑わせ、
    精神に大きな傷と腐敗を残していく。
    PTSDの気配は影となり、
    真っ赤な神様はいかづちを落とし、
    嘆きを紡いでただせせら笑うだけ。

  • ピストルズって、Pistils、雌しべ達ってことです。紛らわしいですね。本編で語られる菖蒲家の4姉妹のことを言ってるんでしょうけど。ある町の本屋の主人がその町出身の小説家の本を扱うことになって、その小説家に会いに行き、そこで小説家の家(これが菖蒲家)の隠された歴史を知ることになるわけですが、、、話は本屋の主人の手記と、インタビューをしたその家の次女あおば(小説家)の告白という形で語られていくわけですが、、、こういう形で語られるとどうしても話の躍動感がなく、人の話を聞いてるっていう感じがしてだんだんと疲れてしまいます。話にしても1200年の秘術は結局、、、?話の設定は面白かったけども、ストーリーはこじんまりした感じで1200年という奥深さがあまり感じられませんでした。

  • 阿部和重最新作は「シンセミア」の続編となる神町の・・・・と思ったらちょっと違うんですね。
    これに限らずこの作者はこの「神町」を舞台にした大掛かりな小説をライフワークとしていて、今回もその一環というものなようです。いわゆる「神町サーガ」的な。

    今回はこれまでの「神町」をめぐる事件の裏側・・・・神町のもう一つの「暗部」ともいうべき一族のお話。
    「シンセミア」にも登場していた人物がスピンオフな形で語り手としてでてきまして・・・同じく暗部として出てきた名前もちらほら・・・というところで「厭な奴と悪い奴と駄目な奴しかいない」というシンセミアを思い起こしちょっと警戒しながら読みましたが・・・今回はちょっと違う。
    暗部の中核たる一族の女性によって語られるそれぞれの事件の裏側。

    具体的にいうとある種の秘術を継承した「当主」がいるんですが・・・あまりにもチートすぎるw
    たまたま失敗することはあっても基本的に無敵なんじゃね?w

    「これまで」が語られていながら、今回の要素を加味したうえでの「今後」を感じる今作。
    次回作が楽しみです。

  • 菖蒲家の秘密と歴史、神町で起こる不穏な事件が、絡まる植物のように織り込まれ語られている。
    地上に茂る枝葉と、地中にのびる根。菖蒲家はそんなイメージ。
    集団心理は危うい。疑心暗鬼が加わるとさらに。

    「神町」をめぐる一連の物語とは知らず読み始め、別の話をほとんど読んでいなかったけれど特に支障はなかった。
    芥川賞受賞作の「グランド・フィナーレ」は読んでいて、そこに登場した沢見とふたりの小学生が別の視点から描かれており、興味深く読んだ。
    神町の他の物語も読みたくなった。

  • 帯に書いてある通り千年以上に渡る一子相伝の秘術を持つ一家を通して神町の歴史やそれにとどまらず世界史なんかにも広がりを見せる壮大な物語だった。

    菖蒲水樹の精神の歴史というか変遷もとても細かく説得力を持って描かれているというのがわたし的に一番の読みどころだった。

    過去の阿部さん作品に出てくる登場人物も多数登場し、(設定もそのまま)阿部和重ファンにはたまらない一冊。

    一番最初にこれ読んでも楽しめるけど「ミステリアス・セッティング」「シンセミア」「グランド・フィナーレ」「ニッポニア・ニッポン」読んでからのほうがより楽しめる。


    そんでアメリカの夜(だったかな?うろ覚え)の冒頭30ページくらいのあの騙しが効いていたり、ものすごく意外な終わり方をして読んだあと思わずにやりとしちゃいました。


    あとこの方の作品は作中に出てくる日付も要チェックです。

  • 読むのにどんだけの時間かけるねーん、みたいな。いつになったら読み終えられるねーん、という。そんくらい濃くて重くて厚い1冊。阿部和重が好きな人にはたまらないんだろうけれど、特に好きでも嫌いでもない読者には辛い。ご神木のこととか、山の読み方だとか、ちゃんとキッチリ読んでいる人どれくらいいるんでしょう・・。そのあたりは興味がないから流し読みしちゃったけれど、序盤と終盤の盛り上がり方はさすが。『グランド・フィナーレ』を読んでいたからロリコン男の話にもワクワクしたけど、『シンセミア』も読んでたら、もっとワクワクするようなリンクあったんかな?それにしても、やっぱり阿部さんは変態だと一族の師弟関係の有り様を読んでつくづく感じました。

  • 言ってしまえば、阿部和重流ラノベ。面白く読了したものの、なかなかにとっつきにくかった

  • タイトルの意味は「めしべ達」…はい、植物の雌蘂ですね。
    おかしな家のおかしな一族は魔法使いでした

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著者プロフィール

1968年生まれ。『アメリカの夜』で第37回群像新人賞を受賞し作家デビュー。’99年『無情の世界』で第21回野間文芸新人賞、2004年に『シンセミア』で第15回伊藤整文学賞・第58回毎日出版文化賞、’05年『グランド・フィナーレ』で第132回芥川賞、’10年本作で第46回谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞。他の著書『クエーサーと13番目の柱』『IP/NN 阿部和重傑作集』『ミステリアスセッティング』ABC 阿部和重初期作品集』対談集『和子の部屋』他多数。

「2013年 『ピストルズ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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