- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062161480
感想・レビュー・書評
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研究室の先輩から紹介された本です。東京大学を卒業し、自衛隊・アメリカで研修したのちに厚生労働省で医系技官として働いた村重直子さん著。端的に言えば医系技官に対する批判の書で、医療崩壊が叫ばれる日本の現在抱えている問題について言及しています。本全体からアメリカマンセー臭がしますが、アメリカの医療には心がないと書いたり、少しちぐはぐな印象を受けました。とにかく医系技官が悪い!というスタンスから本を書かれています。たしかに医療行政の中枢ですので多くの責任があり、ペーパードクターが多いのは事実でしょうが、文句ばかりが羅列されているように思います。勿論解決策も書かれてはいます。これまで医系技官について書かれた本を読んだことがなかったので、医系技官の実情が書かれており勉強になりました。ただ、偏った意見から書かれているので好き嫌いがはっきり分かれそうな本かなと思いました。一言で表すなら「アメリカ帰りのアタシの奮闘日記☆」という印象です。
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いくつか正しい具体的な指摘(例えば、技官の殆どが臨床経験ゼロ、医師としての経験がある人が医療費や医療政策について決定権を持つべき)は評価されるべきだと思うが、役人俗悪論に偏重しすぎているように思う。医師の中にも病院経営者の中にもが悲劇のヒーローとは到底呼べない人たちが沢山いるはずで、厚生省の役人がみんなControl Freakでどうしょうもないと言う話ではあまり遠くに行かない。さらに、アメリカのシステムが機能していないことを指摘しながらも、やっぱりアメリカの医療システムが良く見えるらしい。隣の芝が青いのか、そうでないなら、具体的にどうすればアメリカのシステムのいいところを取り入れつつとんでもない部分を一緒に取り込まなくてすむのかが見えてこない。
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新型インフルエンザ事件の顛末を興味深く読ませていただいた。共感する部分も多いが、一部政治家に肩入れしすぎている感があり釈然としない。2010/09/01