官邸敗北

著者 :
  • 講談社
3.38
  • (1)
  • (12)
  • (7)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 89
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062161596

作品紹介・あらすじ

「いいか、奴らに鳩山政権を守る気などない。敵だよ」

クリスマスの晩、“異変”は静かに始まった。著者の身辺で次々と起きた不可思議な事件、その謎解きで見えた民主党豹変の真相。与野党激突の舞台をしつらえ、政治家を争わせて操る人々が、日本の中枢を支配している――!

ベストセラー『官僚との死闘七〇〇日』、山本七平賞受賞『日本国の正体』の長谷川幸洋氏待望の新作。鳩山政権はなぜこんなに早く、こんなに大きく失墜したのか。「これは私自身が手触りの取材で感じた鳩山政権論である。政治家、官僚、メディアの現場感や本音にこだわった」(はじめに)とあるように、著者自身も本書の登場人物となり、実名を挙げてリアルに「鳩山官邸の敗北」を活写する傑作政治ドキュメントです!

第一章 官邸連続ミステリー
●財務官僚が議論にヤジ
●事業仕分けの功績者を邪魔者扱い
●菅直人の怒声「フジイの辞表をもってこい」
●官邸をないがしろにした財務省人事

第二章 民主党抱き込み工作
●財務省のゲームプランにはまる
●霞が関の利権を財務省の利権に組み替え
●国家戦略室の法的根拠は「どうぞ総理のご勝手に」
●内閣総務官室が書いた驚くべき法案

第三章 ドーナツ化する政権
●財務省お得意の「ヘトヘト」作戦
●藤井財務相辞任の背景
●政策決定の主導権を市場に委ねる邪道
●マニフェストと閣議決定の板挟み

第四章 操縦されるマスメディア
●一回の電話で亀井に押し切られた鳩山首相
●勝主計局長が激怒
●国税と検察はスキャンダルを知っていた
●司法記者を検察のポチに仕立てる四重基準

第五章 財政と天下りを分けるな
●民主党の成長戦略は専務理事政策の典型
●増税より公務員給与の削減が先
●財政危機と天下り問題は表裏一体
●総理大臣が小沢の代理人

はせがわ・ゆきひろ 東京新聞・中日新聞論説委員。慶應義塾大学経済学部卒業後、中日新聞社に入社、ブリュッセル支局長などを経て現在に至る。ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)で国際公共政策修士。財政制度等審議会臨時委員、政府税制調査会委員などを歴任。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 「官邸主導」をお題目に掲げた政治がどのようにして進められ、気が付いたら骨抜き状態となってしまったかが簡潔に描かれていて面白い。それにしても、やっぱり官僚は本気出して自分たちを守る行動に出ると強いなー。

  • 「官邸敗北」とは、鳩山政権の首相官邸が政治力において財務省に敗北した、という事実を指しているようだ。昨年のクリスマス頃、2010年度予算の閣議決定前後において、ジャーナリストである筆者に接触してきた官僚の言動を見てそう感じた、現に菅副総理や仙石大臣はその後財務省寄りにスタンスを移し、鳩山首相周辺は処理能力を喪い政権がドーナッツ化している・・・それはその通りだったんだろうけれども、筆者が発見した一事実だけでこのタイトルは少し走りすぎ。小沢幹事長の政治資金問題を巡るメディアの報道姿勢に対する自己批判と、最後は小沢幹事長による二重権力批判まで連ねて一冊の本にしているのだから。

    筆者は東京新聞論説委員。国民が薄々感じていた、メディアの無批判な報道姿勢に対する自己批判を堂々と書いた潔さと、政治家と官僚の行動原理に迫る洞察力には敬意を表したい。政治家にとっては政策を実現し、政局を勝ち抜くことが政治力だし、官僚は政治家の手足となって行動する振りをしながら、実際には自省の権益のために行動する。高度成長期には噛み合っていた歯車も、今の時代には自己目的化の弊害が目立つ。政権交代にはそれらの浄化に対する期待が籠められていたはずだが、民主党は政権交代時、官僚に対する準備が不足していた、と喝破する。

    政治不信、と一言で片付ければ容易いが、その一言からは何も産まれない。小泉首相の退陣以降、官僚とまともに渡り合える政権が誕生していないことが問題なのであって、今まではそれを政治家の力不足と批判すれば済んでいたけれども、そろそろ自分たちの問題と考える時期が来ているのかもしれない。

  • 政官マスコミ、日銀に至るまでの問題を抉る。
    いろんなリテラシーを鍛える意味でもとっても良い本なのだが、いかんせん内容が民主党政権をリアルに語ってて、それもポッポちゃんの頃だから、全く何も覚えてなくって、具体的故に、逆に臨場感が欠けた。
    最後の方の章で、問題をまとめてあったのは良かったよ。

  • 民主党政権の裏側は、今となってはどうでもいい感じがするが、あのときどうだったか・・という記録。

  • いわゆる総理周辺の舞台裏ものなのだが、新しい驚きがない。新聞の政治面を毎日読んでいる人にとっては新鮮さはないだろう。タイトルも過去の「官邸崩壊」のパロディっぽくっていただけない。星2つ

  • 高速バスの車中で読む。非常に快適な旅でした。バスは新車でした。問題は、バスにトイレが無かったことです。やはり、2時間を超えるバスにはトイレが必要です。新聞記者らしく読みやすい文章です。著者の豊富な体験を丁寧に紹介しています。つまらない本ではありません。ただし、抜群に面白い本ではありません。興味を持った点は、2つあります。第1に、国家戦略局は何も決まっていなかった。これは、誰が妨害したからではない。誰も構想がないからである。構想がないものは反対もされない。逆に、機能もしない。第2に、民主党と財務省の関係です。最初は親密だった。しかし、距離が生まれている。理由は色々あるようです。ただし、納得が出来ない。

  • それなりの相場観はつかんでいる本なのかと思いつつも、やはり官僚陰謀論にとらわれすぎではないか。その点で稚拙。

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1953年千葉県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1977年に中日新聞社入社。東京本社(東京新聞)経済部勤務、ジョンズホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)、ブリュッセル支局長などを経て、現在は東京新聞・中日新聞論説副主幹。2005年から2008年まで財政制度等審議会臨時委員、2006年から2009年まで政府税制調査会委員、2013年より規制改革会議委員。著書に『官僚との死闘七〇〇日』『日本国の正体』(山本七平賞)『官邸敗北』『経済危機の読み方』『政府はこうして国民を騙す』(以上、講談社)などがある。テレビ朝日系列「朝まで生テレビ!」「ビートたけしのTVタックル」、BS朝日「激論!クロスファイア」などのテレビ番組に出演。「週刊ポスト」などの雑誌、「現代ビジネス」などのウェブメディアに連載記事を執筆。

「2013年 『2020年新聞は生き残れるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長谷川幸洋の作品

官邸敗北を本棚に登録しているひと

ツイートする