魔法使いの弟子たち

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (546ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062161664

感想・レビュー・書評

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  • 山梨県にある病院内で、致死率100%の謎のウイルスが発生する。それは病院の名前にちなんで『ドラゴンウイルス」と命名され、多くの死者を出した。しかし感染したにも関わらず生き残った4人の人間は、意識不明の一人を除いで、回復後に奇妙な能力を持つようになる。

    一人は思念で物を動かしたり、その形を変えたりする能力。自分のことを動かすことも出来るので、空を飛ぶこともできる。
    一人は他人の過去や未来が分かる能力。目の前の人に心の中で触れることで、その場面に意識が飛び、映像として見ることができる。
    一人は若返りの納涼。90歳を超え、自分で歩くこともできなかった老人が、車いすを使わずに自分の足で歩き、やがて見た目は(むろん身体能力的にも)30歳くらいになってしまう。彼はこれ以外にも、もうひとつ自分では制御不能な能力を持っていて、このことにより事態をより複雑な状況にしてしまう。

    分厚い本だが、読みやすいので2日ほどで読了。
    面白いかといえば面白いのだが、終わり方には少々疑問が残る。

    でも。
    例えば、ウイルスでみんな死んでしまって、でもその中でなぜか何人か生き残ることができる人がいて、その人たちはそれぞれ特殊な能力が備わって、そんな人たちだけでまた新しい世界が構築されるとしたら、それはいったい世界なんだろうと思った。
    きっとわたしは死んでしまう側の人間だろうから、それを見ることはできないとしても。


    幼い頃ユリ・ゲラーに憧れていたわたしは、来日したときの彼の特番の度に、スプーンを持ってテレビに齧りついていた。
    だから、特殊な能力を持つことになった3人が、ただ単純に羨ましかった。

  • 知人にすすめられ、初めて井上さんの本を読みました。2008年にかかれた本なのに、現在のコロナとリンクしていて、ぐいぐい引き込まれました。面白かったです。

  • コロナ禍で読みたい一冊だな。

  • タイトルからみてファンタジーに類する作品なのかと思っていたけどそうではなかった
    思いもよらない展開にグイグイ引き込まれてあっという間に読み進めてしまった

  • ※題名はファンタジックだが、ファンタジー小説ではない。

    この方の作品が好きなので、前知識をほとんど入れることなく、読み始める。
    このコロナ禍真っ只中(2020年8月現在)に、まさかのウィルス感染のSFストーリーであった。

    530ページ程のボリュームだが、気後れする心配はない。
    サクサク読める。
    まあ分かりやすいストーリーだな…と思ったが、
    ラスト周辺で、ドキッとする事実に行き着くところでビックリ。

  • 久々の一気読みでした。ウィルスを扱いつつSFチックなので人を選ぶかもしれませんが、先が気になりあっという間に読みました。井上さんの小説も久しぶりでしたが、やはり上手いですね。

  • なかなか興味深い。あるはずないと思いながらも、あるかもしれないと思いながら一気に読める。

  • 『オルファクトグラム』のように、普通の人が特殊能力を持ってしまうと言うのが、この作家の得意分野かな。
    めぐみが元々女優志望というのが、この大混乱のきっかけかも知れない。TVに出なければ、長内に襲われることも、長内が死ぬこともなかった。戦うのが美少女で、男はくっついてゆくだけって、面白い。
    科学的証拠と信念が対立した場合、日本の警察を初めとする官僚機構は、信念の方を優先しそうだな。

  • 設定は面白かった、話の進み方もすごく良かった。結構一気に読んじゃったけど、その分ラストに少しがっかり。

  • 山梨県で発生した致死率100パーセント近い新感染症。
    意識が戻ったのは3名だけだった。病院内での隔離生活を続ける3名は「後遺症」として不思議な能力を身につけていることに気づき始める。

    エンタテイメント小説、面白かった。
    壮大すぎると落とし所が難しい。
    (図書館)

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著者プロフィール

昭和25年生まれ。昭和57年に徳山諄一との岡嶋二人名義で第28回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。平成4年に『ダレカガナカニイル……』(新潮社)で再デビューした。代表作に『ラバー・ソウル』(講談社)など。

「2020年 『平成ストライク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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