死ねばいいのに

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 4279
レビュー : 767
  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062161725

感想・レビュー・書評

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  • やっぱり説教したい書き手なのだな京極堂は。登場しないヒロインを巡る人間はクズばっかりで面白い。狂言回しもなかなか。落とし方もやっぱりそうきたか的でした。傑作ではないけど佳作。おおっぴらに人目に触れさせたくない題名がなぁ。

  • 電子書籍で読了。

    殺されたアサミの知り合いを名乗る若者ケンヤが彼女のことを知りたいと上司、隣人、彼氏、母、刑事を訪ねていくお話。

    タイトルが刺激的ですが傑作です。
    初めて京極作品にふれる方にもおススメ(分厚くないし多分…)。

    幸せも不幸せも誰のせいでもない。すべて自分の心が決めること。
    物語の根底に流れているのは「死ねばいいのに」という言葉に隠されたそんな「励まし」や「赦し」なのだと思います。
    「誰だってそんなもんじゃね」

  • タイトルから予想した、ネガティブな言葉の使われ方をしてなかった。
    ラストで分かる、この言葉の本当の意味が、ちょっと衝撃的でした。最初はイライラさせられる、主人公のダメさ加減も、いつの間にか好感がもててしまった。

  • なんというか、びっくりしました。超オススメ!!

    なんだこりゃ。

    面白い。おもしろい。怖い。悲しい。

    こんな展開あるんだろうか。ジャンルは何だ?
    ミステリー?サスペンス?ホラー? 初体験、新感覚。

    それほどの作品数を読んでいるわけじゃないけど、京極夏彦の作品のなかでは一番面白かった。

    ていうか、ここ最近の小説のなかでは最高の興奮を与えてくれました。

    ほとんどがセリフのやり取りで、法廷劇の様に進んでいきますが、なんという緊張感。ぐんぐん惹きつけられます。

    優れたフィクションはノンフィクションの深層を浮かび上がらせます。社会派エンタテインメントというか。

    色々書きたいけど、なんか書くとネタバレになるので難しいね。

    主人公(でしょうね)ケンヤ。登場シーンではまさかコイツが主人公だとは思わなかった。

    すっげーウザいチャラ男だと思ってたら・・・いつの間にか自分の中ではヒーローになってました。

    いつも通り、京極流漢字表現が散りばめられていますが、時代がリアル現代なので、ちょっと違和感が。というよりも、先述したようにディベートとも呼べるセリフのやり取りが(・∀・)イイ!!ので、ちょっと目を走らせるリズムを壊す嫌いがある、かもしれない。

    でも、これがないとやはり京極作品ではないし。

    タイトルから、てっきりネットに依存の心を病んでいるとしか思えない輩の救いようのないサイコ小説か?と思いきや、さにあらず。

    まあ、読んでみてくだいという本です。

    これは電子ブックの先駆けとして販売されたことでも有名です。

    しかし、その他の極厚京極作品と違って、普通の(?)ページ数。すっごく読みやすいサイズでもあります。
    せっかくページ数に関係ない電子ブックなのにね。

    ある意味、言ってみたいね。

    「ならさ。

    ---死ねばいいのに。」

  • 始めての京極夏彦作品。題名に惹かれて読みましたw
    でも期待していたほどのシリアス感は感じなかった不思議な作品。
    それはたぶん主人公が独特で妙に人間味に欠けていたから??
    主人公は普通のニート(?)で、仕事も勉強もしていない若者で、殺人にあった被害女性の知り合いに「彼女の事が知りたい」と言って聞き込みをしていく話。
    相手は被害女性の不倫相手の上司だったり、アパートの隣人女性だったり、母親だったり。
    どの相手も、何も考えてない風の主人公とは対照的に自分のことばかり考えた人間臭い人たちばかり。どいつもこいつも「彼女のこと」について話すよりも自分の不幸な境遇にいる不満を吐き散らすばかり。そんな人たちを不思議に感じた主人公は、決まって「そんなに嫌なら死ねばいいのに」と決め台詞をいいます。


    ストーリーは人間の本質を問うたもので、すごく考えさせられます。
    ただ私の評価が★2つなのは、主人公があまりにも人間臭くなくて感情移入しづらかったから。
    あまりにも素直すぎるニートというか、闇の部分を感じさせないというか。
    とにかく人間臭さを感じなかったので。
    でもその他の登場人物との対比としてそうなったのかもしれないですね。

  • 京極夏彦作品に通底するとも言える「語り」の美技と「おとし」が現代社会を舞台にしても適用できた秀作であると感じた。

  • 今まで過ごしてきた環境
    今まで選んできた道
    今まで考えた全ての物事

    それらは全て「自分」というフィルターをかけて判断してきたものであって、
    決して周りがどうこうの世界ではない。
    全ては「自分」がどうであるか、なのだ。

    本書は
    己の人間的な弱さを自覚している人、自覚してない人、関係なく読むべきかもしれませんね。
    その際も皆で話し合いながら感想言い合うことなんかしないで
    一人で向き合って。
    自分の心に正直になれる状態で読むべき本です。

  • iPhoneで読んだ(価格はデジタルブック版プライス)。京極夏彦は背表紙見ただけで気が滅入って来るような圧力感があるので、デジタルブック化されたら絶対そっちで読む、と決めていたので嬉しかった。
    バックライトの調節可能(薄いグレーになる)、フォントサイズ調整可能、ていうかフォントが美し過ぎて文字見てるだけで感動した。あと、片手で持ったままページがするり(ぬるり)とめくれるのが素晴らしく快適だった。
    早く他の超分厚い京極作品もデジタル化されないだろうか。京極作品は全部デジタルで読む!

  • 「アサミの話しを聞きたい」
    そう言って、殺された女の知り合いを訪ね歩く若い男。男と話をするうちに、皆一様に自分の事を語り始める。こんなはずじゃなかった、自分は悪くない、辛い、苦しい・・・どうしようもない、と。不満を口にする彼らに男は言う
    「-死ねばいいのに」


    幾人かの話の中から「アサミ」の姿を浮かび上がってくるのかといえばそうではなく、訪ね歩く男が何者でどういった関係なのかも見えてこない。あくまで語られるのは語り手自身の事であり、普段大概の人が多かれ少なかれ抱えている感情だ。それを客観的に突きつけられると、まるで自分の取り繕った仮面を剥がされていくようで居心地の悪さを感じる。
    得体のしれない怖さと後味の悪さ、なのにまた読みたくなる・・・これが京極作品。

    [0回]

  • 殺人事件が起こるものだと勘違いして借りた書物。

    1番怖いのは純粋な魂に自分を殺させたあさみ。その高慢さ。

    何かが起こった時、1番心が強いのはケンヤのような人間だと思う。
    上昇志向はいい事だけど不満を持てばきりがないし、人生もモノクロに感じてしまう。
    ほどほどで満足するのは大事だな。

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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