死ねばいいのに

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 4277
レビュー : 767
  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062161725

作品紹介・あらすじ

死んだ女のことを教えてくれないか-。無礼な男が突然現われ、私に尋ねる。私は一体、彼女の何を知っていたというのだろう。問いかけられた言葉に、暴かれる嘘、晒け出される業、浮かび上がる剥き出しの真実…。人は何のために生きるのか。この世に不思議なことなど何もない。ただ一つあるとすれば、それは-。

感想・レビュー・書評

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  • 1人1話短編のよう。
    亡くなったアサミに生前関係が深い人達を
    ケンヤが訪ねてまわる。
    …が最後怖かった〜完全にサイコパスじゃん。
    何となく途中でラスト予想ついて楽しめなかった。

  • ◆最後の2ページで怖くなりました◆
    礼儀知らずのケンヤという若者が、殺されたアサミという女について関係者に尋ね回る話です。関係者たちは自分のことばかりを語り出し、自己正当化しようとします。対するケンヤの物言いは率直で、自分に向けられているようでドキリとします。「死ねばいいのに」というそれだけで強烈な言葉が、どう使われているかが見どころです。徐々に明らかになっていくアサミの人物像と犯人に貴方は何を感じるでしょうか? 私は怖くなりました。

  • タイトルから連想したのは暗く希望のない恨みや憎しみに満ちた印象でしたが全く違いました。
    ケンヤは死んだアサミのことを聞くために色々な人に会いに行き、アサミのことを尋ねるが誰もアサミの話をしない。するのは自分の話ばかりである。最後は、まさかの展開でこれも全く予想外でした。

  • 最初の数ページで、「こいつ、なんだ?」と普通じゃなさにザワザワする。不思議な存在感のケンヤくん。
    私、ケンヤ側かケンヤに質問された側かというと、たぶんケンヤ側。死にたい環境にずっといるのが苦手。でも、仕事がはちゃめちゃに忙しくなったときには、質問された側の思考になった。愚痴ばっかり、全部他人のせいで、自分から行動は起こさない。そんな人生は何一つ楽しくないし、何一つうまくいかなかった。それなのに、そういうときに死ねばいいのに、ともし言われても、「なんで私が死ななきゃいけないんだ」って思ってしまうんだよなー。被害者意識ってまじめんどくさい。
    一方で、「死ねばいいのに」って言われて「そっか。死ねばいいのか」と思うことは幸せかというと、それはそれで違うと思う。執着できるものがないからしんでもいいということは、心のなかになにもないということ。それは幸せなことじゃない。不幸が絡み合ってしまった事件。
    ケンヤの「死ねばいいのに」カウンセリングとかあったら、すごく繁盛しそう。

    ミステリーはあとで思い出しやすいように、今まで読んだ◯◯系統、とメモがわりに書いているんだけど今回はネタバレに直結してしまうのでやめとく。

  • 己に思うところ(疚しさ)がある故に、いつの間にかそれが炙り出されてしまう・・・
    上手いなぁと思ったが、読んでいて気持ちの良いのものではないのは、思い当たるところがあるから?

  • 何かを変えるということは何かを捨てたうえで成り立つことなのに何も失いたくないから我慢して妥協する。
    でもそんな生活にはうんざりしていてつい不満がこぼれ落ちる。
    そこをケンヤに正論で突かれると分かっていても認めたくないものだ。
    6人の気持ちがわかるからケンヤの言い分にイライラした。そして自分を見つめなおさせられた。
    自分本位な人間の性質がうまく描かれていて生きるということをすごく考えさせられた本だった。

  • 亜佐美という女性が殺された。
    「4回しか会ったことがない」ケンヤという男が、亜佐美と関わりのあった人々を探し聞く。

    「アサミのことをおしえてほしい」

    でも、誰も亜佐美がどんな女性だったか…ということよりも、亜佐美と関わった“自分”のことしか話さない。

    自分も苦しかったんだ、辛かったんだ、でもどうしようもなかったんだ…。

    「死ねばいいのに」

    ケンヤの返すその言葉に、皆そういう発想を全くしていなかったことに気づく。

    どんなに苦しいことも、辛いことも、逃れることができないと思うことも、見方さえ変えれば普通のことに見えるようになる。解決方法がどこかにある。
    他人から見ると不幸のどん底にいるような亜佐美だけれど、自分のことを不幸だなどと思っていなかった。

    最後の最後に明かされる事実。
    ストンと心に落ちる。

  • 文学
    ミステリ

  • 殺害されたアサミの関係者達を、ケンヤというプータローがアサミのことを聞いてまわるという構成。

    ケンヤはアサミのことを知りたいのに、関係者は自分のおかれてる境遇、不合理なことなど、愚痴ばかり。

    そんな関係者達にケンヤは、独自の価値観で切り捨てていく。

    人はどうして価値観を押しつけようとするのか?
    人はどうしてわがままなのか?
    人はどうして枠に嵌めたがるのか?
    常識、非常識。
    真実はなにか?

    不条理な世の中で生きる現代人の中で、ケンヤのような生き方はある意味羨ましくもあるが、肯定もできない。

    しかし、いろいろ考えさせられる事が多かった。

  • 不幸とはなんだろう。幸せとはなんだろう。
    思いやりとは?優しさとは?
    世間とは?自分とは?
    少しは自分の頭で考えろ。

    そういうお話だと思います。

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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