ファミリー・シークレット

著者 :
  • 講談社
3.64
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本棚登録 : 205
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062161992

作品紹介・あらすじ

「子どもなんて、いなければよかった」作家・柳美里が、小説に閉じ込めてきた「過去」と初めて向き合った、家族「再生」への感動ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • NHKを見て、初の柳さんの本。
    今まで読み嫌いして避けていましたが、これは衝撃的な出会いです。
    私の「セルフ」が導いてくれたような気がする。


    私なんで今まで柳美里さんを手に取らなかったのだろう…。
    あまりに似ているから、本能的に避けていたのかもしれない。
    実際に読んでみると引き込まれつつも苦しかった。
    久しぶりにフラッシュバックを起こしそうになり、胸が苦しくって…つらかった。


    柳さん自身が過去の自分を見ているようで、動悸がしたり。
    本を閉じて「もうこれ以上読めない、無理」と思ったり。
    麻痺して思い出さないようにしている過去の記憶が甦ったり
    柳さんの父は私の父を思い出させ、途中で自分のグリーフ・ケアを思い出したり、自分も無意識に幼児期を再演を演じているんだと理解できた。
    つらくなったり共感したり…柳さん辛いだろう。
    苦しいだろう…と心配になったり、色々なものが心から溢れた。

    柳さんの母親が行なっていた事が虐待だと告知された時の、混乱は私も経験したので、読んでいて泣きそうになった。
    (同じ経験をしているのでここが一番つらかった)
    柳さんの症状が落ち着いてくれることを願うし、自己を肯定できるようになり弱い、淋しい自分の事を、許し(周りの両親も)柳さんが自分を好きになれるように…と心から祈った。

    生きていくって辛い事が多いけど、自分を肯定できるようになると苦しみも少し軽減される。
    全てに向き合う柳さんに感涙しました。でもそれは本当の強さではない。生きてるうち辛いと思うけど、柳さん生きてください。
    私も生きる。

    どんな状況でも生き続けていくこと自体が強いことだと思う。

  • 『わたしが父親から受けた暴力は「虐待」なんですか?』
    NHKの番組でカウンセラーとのこのやりとりが放送された時、柳美里さんの作品をすでにいくつか読んでいた私は「ええっ?!」と驚愕しました。
    どう考えても虐待のサバイバーなのは明らかだと思っていたからです。
    柳さんと子供との熾烈なやりとりは、かつて私が小さな子供にあふれ出る怒りに苦しんでいた頃の、あの痛みを思い出させます。
    多くの母親が子供を育てて初めて、こんなにつらかったのかと思い知ります。
    「虐待」に関してかなり皆が話したり、本も多く出版されるようになってはいるものの、連鎖を断ち切ることは20年以上前と変わらず困難です。
    柳美里さんには息子さんとともに、とにかく生き抜いてほしいと願っています。

  • 新刊発表同時に、購入、夢中で手繰った。
    面白い。これまた、一気読み。

    そして、柳美里は変わらないことを選択した。

    身に覚えのあるひとは、ぜったいまねしないことだ。
    柳美里だから、ということを忘れてはならない。

  • 自身の親からの、そして子どもへの虐待を題材としたノンフィクション。

    諸刃の剣のような文だと思った。

    そしてなんて自虐意識の強い人なのだろう。

    彼女は話すことが不得手だという。

    だが、彼女の書くことはとても攻撃的だ。

    他者を攻撃し、自己をも傷つける。

    児童虐待を受けたことも子どももいない私は其の事について想像する...

    暴力、育児放棄、ニュースを見、記事を読み想像する。

    ヒステリックに子どもに怒鳴りちらす、子どもが間違ったことをしたから。

    自分の感情が暴走して思わず手が出る。

    ありえるのではないかと思う。

    一度なら許されるのか?繰り返すからいけないのか?

    感情が暴走することがいけないのか?冷静ならばたたいてもいいのか?
    そしてすべて曝け出し自らの傷を抉り続ける彼女について。

    想像しかできず、考える。

  • 910.268

  • 私は親に叱られ、殴られて育ったから、自分の子供にも同じことをするんじゃないかという恐怖は良く分かる。虐待の連鎖というのはどこかで断ち切らなければいけないのだけれど、それを自分の代で出来るかと問われると気安くそうだとは言えない。あと、父親とのカウンセリングでお互いの記憶が食い違っていた所は妙にリアリティを感じた。どちらの記憶が正しいかではなく、どちらも自分に都合のいいように記憶を書き換えてしまう事はあるのかもしれない。柳さんが少しでも救われるよう祈りたい。

  • カウンセリングの内容がとても興味深く(時期が時期だけに)、また柳さんにとっての「書く」という行為の理由付けがはっきり見えてくる。『家族シネマ』と併せて読めてよかった!

  • 柳さんの父と自分の父が被るし、柳さんの息子と私の子どもの頃も重なる部分があって、一気に読んでしまった。
    私も形容詞や自分の感情を口に出すのトライしてみよう。
    柳さんはカウンセリング受けた結果余計苦しんでるみたいだったけど、その後どうなってるんだろう。

  • 柳さんの作品はほとんど家庭の影響を受けているのだろうと思わざるを得ないものばかりだ。複雑な家庭環境だったというのは周知だ。だけど今回真っ向からその生い立ちや家族と向き合って、避けてきた自分自身を探す。感想はというと、、、よく頑張った、柳さんと息子さんを応援したい、と思った。すごくせつないんだけど彼女にとって絶対必要な時間だったと思う。親の記憶と子どもの記憶・・・・・考えさせられた。

  • 柳美里さんの作品は初めて読んだけど、ものすごく複雑な家庭に生まれて、異常な経験をたくさんして、文を書くことで過去を昇華している、すごく過去に縛られた作家さんなのだなぁと思った。お父さんの話が後半は主だったけど、お子さんがどうなっていくのか、連鎖を起こさないといいなぁと心配になる。ご本人は不安定なままの様子なのでもやもやが残る。。続編があるといいな。

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プロフィール

柳美里(ゆう・みり)小説家・劇作家。1968年、茨城県生まれ。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」に入団。女優、演出助手を経て、1987年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、『魚の祭』で、第37回岸田國士戯曲賞を受賞。1994年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を、文芸誌『新潮』に発表。1996年、『フルハウス』で、第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、『家族シネマ』で、第116回芥川賞を受賞。1999年、『ゴールドラッシュ』で、第3回木山捷平文学賞を受賞。2001 年、『命』で第7回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞を受賞。福島県南相馬市在住。

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