小暮写眞館 (書き下ろし100冊)

著者 :
  • 講談社
3.86
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本棚登録 : 4690
レビュー : 756
  • Amazon.co.jp ・本 (722ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062162227

感想・レビュー・書評

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  • 人にはそれぞれ辛く切ない過去への想いがある。それでも駅に停車し続けずに出発する。
    かなり分厚い本ですが、読みやすく、読了後心地よいそよ風がふいたような気持ちになりました。。
    主人公の花ちゃんがとても好きになり、感情移入しすぎて4章は泣かずには読めませんでした。
    鉄道好きには読んで欲しい本。

  • ありがとうっ宮部さんっ
    つーかほんっと外れがないわーこの人。
    図らずも、でしたが、ぴったりの季節に読んだなーっと。
    走り出せ。
    最後にあたたかい春風が背中を押してくれるすっごくいい本だった~!

    はあ、よかった。

    泣いて、笑って、切なくて。
    懇切丁寧に説明されてるわけじゃない、でもとても丁寧に
    大切なものを扱うように、人の心を描いてるよなあっと。
    宮部さん、マジ、うますぎ。
    花ちゃんが、ぽつぽつ自分につっこみいれつつしてるのが笑えた。
    でもさーテンコにしてもコゲパンにしても
    高校生にしてみんな人間できてるなあっとしみじみ。
    田部女史とかも、かっこいいじゃん。

    綺麗なものをみた瞳だから。
    みなくてもいいものをいっぱい観てしまったからこそ、感じる切実さ、
    とゆーかそうゆうものはあるんだろう。
    小暮さん、盗人追い払ってくれてありがとうっ。

    家族の死、とゆーのは正直、想像ができなくて、花菱家に不意に訪れた
    不幸をこの家族が抱えているのは分かってはいたんだけど、
    それは過去のものとしてお話は始まったので、
    まるでボティーブローのようにその痛み、とゆーか、そーゆーのが読んでいくうちに感じられて、こうどきどきした。
    さらに垣本さんと花ちゃんのやりとりがなにかがちょっとずつ積もっていくようなのとが、重なってさらにどきどきするとゆーか。
    だから、あの川べりでの風ちゃんとの邂逅、と柿本さんの病院さわぎは
    気持ち的にもストーリー的にも非常に盛り上がった。

    そして田中ヒロシ、めちゃめちゃ、いーこというねえ。
    ちゃんとオチがあるとこも素敵だ。

    ピカくんについては私も一瞬思ったんだ。
    ピカドンって言葉が先にあるから、愛称として違和感あるってゆーか。
    だから、そーゆーことでからかわれたとゆー話がちょいと入ってきたことで、宮部さん、さすがちゃんとそのへんのフォローもしてくれて、と感心した。
    いや、でもまあそのフォロー入るまえに小暮さんの、子どもの名前を決めたときの理由がめっちゃ素敵だったので、そのへんで既に納得はしていたのですが。

    でもなんかお兄ちゃん欲しいなあっとしみじみ思ってしまったぜ。
    花ちゃん、ほんっといい心の成長、してるよねー。
    昌美さんの言うとおりだよっ。


    確か神木くんでドラマ化するとゆーはなしをきいたような・・・・。
    観たいかも、つーか垣本さん役を誰にするのか興味あるな~。

    にしても高校生にして毎日家族で夕食、とか、初詣一緒にとか、
    最近はそーゆーの珍しい、とゆーくくりにされてしまうのか??
    いやー時代って変わってゆくのね~。
    私なんか今でも外食の方が例外なのだけれど・・・・。

  •  これ、ラブストーリーだったんだ。それも飛びきりの。枝葉が多くて全体がふくらんでいるから見通しがよくないけれど、枝葉を刈りこんでしまえばシンプルな話だ。読み終えてふと帯を見たら、ちゃんと書いてあった。「もう会えないなんて言うなよ」って。
     大船駅のラストシーンが美しすぎる。今どきインスタントカメラかよ。現像しなくていいよ、だと? ふざけんじゃないよまったく。全然似合わないよ。甘ったるくて見ちゃいられないよ。ほら、目から汗が...。
     700頁を越える長編。全体が4話に分かれてはいるものの、主人公の高校生花菱英一の家族と交友関係が中心のひとつながりの長いストーリーになっている。いろいろな事件、出来事が次々に起こるが、錯綜していないので混乱することもなくスラスラ読めてしまう。もともと読みやすい文章を書くことにおいては天下一品の著者だし、豊かな表現力のせいで主要登場人物のキャラが立っていてわかりやすいのだ。
     宮部みゆきの文章については、何度も繰り返し書いたので今さら付け足すこともないが、ほんとうに感心してしまう。この人の頭の引き出しはどうなっているのだろう。たとえば、「笑う」という引き出しにはゆうに100個くらいの表現が詰まっていて、そのつど最適なのを引っ張り出してきてはピタリとはめるから、読み手にはその笑い方ひとつで、作中人物がどんな人でどう感じているかが目の前に見るように浮かんでくる。つい親近感を覚える。そして作品世界に惹きこまれる。そうなったらすでにもうお釈迦様の掌の上だ。
     これはこれでハッピーエンドなんだろうな。諸々のことはほぼ片づいてしまったし。ラブストーリーとしてはどうなのかという気もちらっとはするけれど、常識的にいえば妥当な結末だろう。この作者は読み手を裏切ったり放り出したりするような邪悪な結末が書ける人ではない。人が困っていたり、不幸だったりするのを黙って見ていられない人なんだろう。だから安心して読める。人にも薦められる。でも、やっぱりちょっとかなしい。もう会えないなんて。

  • 前半は心霊写真や幽霊の話題なんかが出てきてオカルトっぽく、及び腰になってしまった(コワイのは苦手なので)けれど、物語が進むに従って、人の持つ悲しさ、それゆえの温かさを感じ、あふれる涙を止めることができなかった。

    少し変わり者の両親(でも一緒に暮らすのは楽しそうだと思う)と年の離れた弟が居る高校生の花菱英一。
    仲の良い親子であるのは、同じ痛みを抱えていたから。

    少しぐらい変わっていたって、心が温かい家族と
    やっぱり少しぐらい変わっている友人たちに囲まれた英一は、とても幸せ者だと思う。
    英一がつけたけじめに、
    その後駆け抜けた冬の日の景色に、胸の中が冴えわたる感覚。

    人はとかく自分の善意を正しいことだと思い込む節がある。
    正義や。善意。
    目に見えないからこそ難しい問題だ。

    春の陽射しがゆれるような、まさに表紙の写真のような希望を感じた読後感。
    分厚いけれど、読んで良かった。

    • まろんさん
      おお!この本、まさに今、図書館に予約中なのです。気が合いますね♪

      宮部みゆきさんは、初期の『魔術はささやく』とか
      『レベル7』とか『火車』...
      おお!この本、まさに今、図書館に予約中なのです。気が合いますね♪

      宮部みゆきさんは、初期の『魔術はささやく』とか
      『レベル7』とか『火車』を読んだ時
      謎を追う過程で、ちょこっと証言してくれたりするような
      多くて1ページくらいしか登場しないおじいさんとかおばさんとかのセリフや描写が
      涙が出るくらい温かくて、感動しました。

      私も怖いのは苦手だけれど、前半を乗り越えれば、
      宮部さんらしい温かさが待っているんですね♪

      永遠ニ馨ルさんのレビューに励まされて、図書館から届き次第、はりきって読んでみます!
      2012/06/13
    • 永遠ニ馨ルさん
      わ、そうだったんですね♪>図書館に予約中
      私は昨年の5月に図書館予約したんですよ(ブクログへの登録も同時期にしておいたので分かった)
      宮部み...
      わ、そうだったんですね♪>図書館に予約中
      私は昨年の5月に図書館予約したんですよ(ブクログへの登録も同時期にしておいたので分かった)
      宮部みゆきさんの作品を読むのは初めてでしたが、他のレビューだと人がたくさん死んじゃったりするものが多いみたいで;
      でもこちらは本当に読んでよかったって思える、少し切ないけどあたたかいラストでした。
      読まれたら、またレビューを聞かせてくださいね♪
      2012/06/13
  • 最近、やたらと人が死ぬ話は読みたくなくなって宮部作品から遠ざかってましたが、この話は宮部作品なのに人が死なない(笑)
    ユーモラスで爽やかで温かいお話でした。
    こういう作品なら、もっと読みたいです。

  • 宮部みゆきの小暮写眞館を読みました。

    花ちゃんこと花菱英一は高校2年生、ちょっと変わっている両親と年の離れた弟と暮らしています。
    花菱父は商店街に残っていた小暮写眞館を買って、家族そろってそこに住むことにします。
    ある日、英一は不思議な写真を押しつけられて、その写真の謎解きをすることになるのでした。

    高校の仲間たちと一緒に写真の謎解きをしていく中で、英一は普通の人間の弱さや、正義を振りかざすことで他人を傷つけること、そして人々の暖かさを知っていくのでした。

    英一の弟ピカ、英一の友人のテンコこと店子力、コゲパンこと寺内千春、のっぽの橋口、不動産屋の無愛想な事務員垣本順子といった魅力的な登場人物たちが英一の周りでいろいろな事件にからんでいきます。
    それに小暮写眞館の主人だった小暮さん、小さい頃に病気で亡くなってしまった英一の妹風子の話題が絡んで物語が語られていきます。

    普通の人たちでも、いろいろな悩みやトラウマをかかえています。
    そして、それでも強く生きていくんです、という力強いメッセージが心地よい物語でした。

  • まさかの一気読み。胸にしみるというか心に暖かい何かを残してくれる素晴らしい本でした。登場人物全員キャラ?がたっててこれがかの有名な宮部さんの作品かと思いました。

  • どの家族も歴史をもっていることを改めて感じました。
    年が離れているのに、こんな兄弟関係が作れたらいいなと思ったし、高校生の友情もほほえましかったです。
    子ども時代は、いいことも悪いことも全て自分にその原因をさぐって、結び付けようとすることがよく描かれていました。
    電車内での読書中でも、思わず涙してしまう場面が多かった本です。

  • 1ページ目をめくった時は、なんて長い本なんだろうと思った。
    最後のページを読み終えた時、なんて短い本だったんだろうと思った。

  • 久々の宮部みゆきは、長編でした。

    古い街の写真館に住み始めた花菱一家がとても良く描かれています。特別に大きな事件があるわけでもないのに、主人公、英一の周りにいる人間(幽霊も?)とっても生き生きと。

    ところどころにあるユーモアたっぷりの言い回しもツボでにやりとできます。コドモ人生常勝将軍とか遮光器土偶に似たコゲパンちゃんとか。

    生きるってステキなことです。死も含めて。

著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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