小暮写眞館 (書き下ろし100冊)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 4691
レビュー : 756
  • Amazon.co.jp ・本 (722ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062162227

感想・レビュー・書評

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  • 最近、やたらと人が死ぬ話は読みたくなくなって宮部作品から遠ざかってましたが、この話は宮部作品なのに人が死なない(笑)
    ユーモラスで爽やかで温かいお話でした。
    こういう作品なら、もっと読みたいです。

  • 分厚すぎて途中で断念…

  • 宮部みゆきの小暮写眞館を読みました。

    花ちゃんこと花菱英一は高校2年生、ちょっと変わっている両親と年の離れた弟と暮らしています。
    花菱父は商店街に残っていた小暮写眞館を買って、家族そろってそこに住むことにします。
    ある日、英一は不思議な写真を押しつけられて、その写真の謎解きをすることになるのでした。

    高校の仲間たちと一緒に写真の謎解きをしていく中で、英一は普通の人間の弱さや、正義を振りかざすことで他人を傷つけること、そして人々の暖かさを知っていくのでした。

    英一の弟ピカ、英一の友人のテンコこと店子力、コゲパンこと寺内千春、のっぽの橋口、不動産屋の無愛想な事務員垣本順子といった魅力的な登場人物たちが英一の周りでいろいろな事件にからんでいきます。
    それに小暮写眞館の主人だった小暮さん、小さい頃に病気で亡くなってしまった英一の妹風子の話題が絡んで物語が語られていきます。

    普通の人たちでも、いろいろな悩みやトラウマをかかえています。
    そして、それでも強く生きていくんです、という力強いメッセージが心地よい物語でした。

  • まさかの一気読み。胸にしみるというか心に暖かい何かを残してくれる素晴らしい本でした。登場人物全員キャラ?がたっててこれがかの有名な宮部さんの作品かと思いました。

  • 9月終わりに妹に会ったとき、もうずっと前に図書館に予約した『小暮写眞館』が届いたと言っていた。持ち歩いて読まれへん、こんな厚い本やと思わんかったとも言っていて、そうやなー、あれはえらい厚い本やったなあと本屋でチラっと見たのを思い出していた。

    うちの近所の図書館はどうかと蔵書検索をしてみたら、去年はたぶん100人か200人くらい予約がついていたであろう本は、44冊もある複本のほとんどが今も貸出中ではあるものの、予約待ちはほとんどいなくなっていた。それで私もさくっと借りてきてみた。本文は700ページあまり。なかなかイッキ読みはできなさそうな厚さ。

    さて、いつ読もうかと借りてきてしばらく積んでいて、久しぶりにぐるぐるめまいにやられて、人と会う約束を全部キャンセルしておとなしくうちにいた日に、読んでみた。いろいろと書評や紹介も出ていたのだろうけど、まったく読んでいなかったので、どんな話やろ?と思いながら。

    小暮写眞館は、花菱一家が住むことになった、商店街のなかの古い店舗付き住宅。変人の父と母が、フツウは取り壊すもんやろという"古家"付きの土地を買い、その古い家を手入れして、おもしろいから店舗もそのままで住もうと言い出した。

    主人公は、その変人両親の長男である、花ちゃんこと花菱英一、高校生。一緒に住んでいるのは、両親と弟のピカこと光。ピカの上に、風子という妹もいたが、そのふうちゃんは7年前、4歳のときに一晩で具合が悪くなって死んでしまった。それ以後、親戚とのつきあいをほとんど断って、けれどご近所や息子たちの友人、その家族などとはかなり親しくつきあいながら花菱一家は暮らしている。

    第一話、第二話、第三話と、いずれも"心霊写真"ないしは"トリック写真"の話が出てきて、これは花菱英一がそういう写真の謎を解いていく話かと思った。その謎を解いていく過程で、英一は古い商店街やその近くに住む老人たちを訪ねて話を聞いてまわり、このあたりが東京の空襲でずいぶんとひどくやられたことを知ったり、高校の同級生や先輩と話しながら、この人はそんな風にものごとを見ることができるのかと驚いたり、小暮写眞館を紹介した不動産屋の社長や事務員の女性と関わりながら、大人の世界、大人の考え、人生の知恵のようなものを知ってもいく。

    写眞館というだけあって、写真ネタの話、しかも同じような謎解きパターンかと、途中でほんの少し飽きる気持ちになったけれど、第三話のあたりから、ちょっと流れが変わる。

    風子の死に、父と母だけでなく、ふうちゃんが死んだときにはまだ2歳だった弟のピカも、英一自身も、責任を感じていた。巻末近く、英一が「お兄ちゃんなんだから」「お兄ちゃんのくせに」と叱られ、期待され、それに拗ねて、むくれて、自分こそが風子を死なせてしまったのだと振り返る場面は、ちょっと泣いてしまった。

    厚い本だったけれど、読んだあと、ほうっとした。英一の、テンコやコゲパンとの朗らかな高校生活も読んでいて楽しい。両親の変人ぶりもおかしい。不動産屋の社長のことばや、テンコの父のことばや、あるいは小暮さんの娘さんのことば。英一が話を聞いてまわったお年寄りたちのことば。そして不動産屋の事務員・柿本順子のことば。こんな風にナナメの関係の大人とつきあえたり、話ができたりというのが、うらやましい気がした。

    自分が高校生のときの、そんな大人とのつきあいは、あったのかもしれないが、ほとんど思い出せない。

    (10/14了)

  • 古い写真館に住むことになった花菱一家の物語。ミヤベさんの小説で両親健在なんて珍しい!と思ったら不動産屋の垣本順子が家庭事情を抱えてた。勘違いから心霊写真の謎を解くはめになった英一が人の話をかき集めて当事者にたどりつき、なんとか解決していく。7年前に幼くして妹の風子が亡くなった時の、抑えていた記憶がよみがえり、英一は絶縁していた父方親戚たちにケリをつけに行く。危なっかしくふわふわしていた垣本順子は英一たちとの関わりで徐々に人らしさを取り戻し、ついには自分もケリをつけに行くと言ったまま、誰も知らない場所で新しい人生を始める。ピカ、テンコ、コゲパン、ST不動産の社長など、いい人が多かった。

  • どの家族も歴史をもっていることを改めて感じました。
    年が離れているのに、こんな兄弟関係が作れたらいいなと思ったし、高校生の友情もほほえましかったです。
    子ども時代は、いいことも悪いことも全て自分にその原因をさぐって、結び付けようとすることがよく描かれていました。
    電車内での読書中でも、思わず涙してしまう場面が多かった本です。

  • 1ページ目をめくった時は、なんて長い本なんだろうと思った。
    最後のページを読み終えた時、なんて短い本だったんだろうと思った。

  • 図書館で予約して借りる。
    受け取りに行って700ぺージの分厚い書籍で少々驚き、2週間の借り出し期間で読み切れるかしらと心配に……。

    でも、そこは宮部みゆき作品。
    就寝前の読書タイムが伸びて寝不足になったことも。

    ところどころで自分で突っ込み入れたりフォローしたり、その部分がいい。
    笑いあり、ほろっとさせられるシーンありで、返却日当日の先ほど読了。

    英一君、しっかり成長したね。

  • 久々の宮部みゆきは、長編でした。

    古い街の写真館に住み始めた花菱一家がとても良く描かれています。特別に大きな事件があるわけでもないのに、主人公、英一の周りにいる人間(幽霊も?)とっても生き生きと。

    ところどころにあるユーモアたっぷりの言い回しもツボでにやりとできます。コドモ人生常勝将軍とか遮光器土偶に似たコゲパンちゃんとか。

    生きるってステキなことです。死も含めて。

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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