クリスマス物語

制作 : 末延 弘子 
  • 講談社
3.29
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本棚登録 : 34
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062163002

作品紹介・あらすじ

フィンランドの作家が贈るサンタクロースの真実の愛と運命の物語。少年が海底からひろいあげた、小さな木箱。中には、古びた懐中時計と黄ばんだ紙が…。

感想・レビュー・書評

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  • サンタクロースの誕生秘話。
    セント・ニコラウスの伝説とも良く似ている。
    宗教色を一切省いて、一般の人間として描いてあるため読みやすい。
    その分サンタクロースの神秘性は薄れているが、北欧の厳しい自然の描写や本人の心の動きなどがそれは丁寧に書かれていて飽きさせない。
    挿絵はとても少なく、すべての漢字にはルビ付き。
    後書きまで含めて317ページはあっという間。
    「悲しみや辛さから逃れるたったひとつの方法は、誰かを喜ばせること」という話を聞いたことがあるが、この一冊がまさにそれ。
    2007年に書き下ろされたフィンランド文学。映画化もされて25万人も動員されたらしい。

    バルト海の北端にある海辺の村は、漁で生計を立てる八家族のみ。
    沖の小さな島にもあとひと家族住んでいて、そこが主人公のニコラスの家だった。
    両親と5歳のニコラスと、1歳の妹・アーダ。貧しいながらも幸せだったのだが、
    ある冬のクリスマスに運命が一変する。ニコラスひとり残して、家族は嵐の海で遭難して
    しまうのだ。海辺の漁師村に引き取られるニコラス。
    どの家も精一杯の暮らしだったが、みんなで一年ずつ交替で面倒をみてくれることになり、クリスマスが来るたびに次の家族へと引き渡されていく。。

    はじめは一年間の感謝をこめて手作りの贈りものをしていたが、だんだんニコラス自身の
    心の支えとなっていく過程が切ない。
    いつも必ず同一のものを作っては、亡き妹・アーダに捧げるために海に投げるのだ。
    どんな物を作ったのか、何故トナカイなのか、何故ソリなのか、そもそも収入源は・・
    それらが丹念に明かされる。
    おそらく、ニコラスと関わった村人たちの善意が、ニコラスの生き方を生んだのだろう。
    サンタクロースという可能性にかけた生涯は、困難ながらも美しい。
    そして、一番大切な「思いやり」の継承を強く祈り続けたのも、ニコラスだった。

    誰よりも悲しく誰よりも愛情に飢えていたニコラスが、ひたすら与える側の人生を生きていく。その、与えることの意味を伝え続けていくことがクリスマスの価値なのだろう。
    誰かのことを思って手紙を書いたり、大切なひとを思いながら贈り物を選ぶ。
    その時そのひとはもうサンタクロースになっている。
    無形の思いやりというのはなかなか目には見えないが、せめて自分の胸に灯し続けたい。
    クリスチャンでもなく、サンタクロースの存在を信じていないとしても。

    同タイトルの作品がいくつもあり、結果として訴求力に欠けるものになっているのが残念。
    ドラマチックに盛り上げようとする大げさな表現もあるが、小学生の自分だったら案外そこが好きだったかもしれないので、むしろ微笑ましい。

  • 子供の頃は、クリスマスとハロウィン、魔法系のお話が大好きで不思議とそのワードだけでワクワクしました。

    その頃の気持ちにふと、戻りたくなり児童書ですが手にしました。

    挿絵は殆どありませんし、文面も児童書にしてはそこそこ難しいので低学年向きではないかもしれません。

    作家さんがフィンランドを代表する脚本家ということもあり、文面から日本とは異なる空気が伝わってきますが、またそれが心地良く感じました。

    時々児童書も読みたいな、と思わされました。

  • 読書会の課題図書。
    クリスマス直前に読んで、とても心温まる話。
    宗教色が出てないのも良かった☆

  • クリスマス時期になるとクリスマスものをなにか読みたくなる。
    とゆーわけで借りてたわけだが、結局年明けてから読む。

    まあ、おもしろかった。
    サンタクロース誕生のものがたり。
    突然家族全員を失った少年が、哀しみの中にも、
    人々の温かさに触れ、その感謝の気持ちから始まるクリスマスプレゼント。
    これは、これで、いいんじゃないでしょうか。

    イーサッキとの交流話のとこが一番好きだった。
    けど、エーメリの言葉に賛成。
    クリスマスが全てじゃないだろう??
    それで十分幸せだった、とニコラスは言うのだろうけど・・・・。
    うーん。
    分け与える喜びってのは確かにあるだろう。
    大切だろう。
    でも、でもなあ。
    なーんか、どうせなら、ニコラスにはもう一度家族を得て、
    その協力のもと、プレゼントを配って欲しかったな。
    おもしろかったんだけど、どこか釈然としないものが残る。

    妹、見つかってないっていうからてっきり、そのご奇跡の再会でも
    あるのかと期待していたのに・・・・・・、残念。

  • クリスマスーサンタクロース、心温まる本で一気に読んでしまった、サンタクロースの国フィンランド、夢があるよね~、行ってみたい!

  • 50点。主人公がかわいそうすぎるし、なんだか脚本みたいな文章。映画化されたと聞いてなるほどと思った。メロドラマ。
    でもこういう泣ける的な話が好きな子や好きな人がいるんだよね。きっと。
    そういう「泣ける話が読みたい」という高学年以上の女子あたりにはおすすめか。

  •  幼い兄弟が海で拾った装飾のほどこされた古い小さな木の箱。箱の中のメッセージを読んだ祖父は、あたりに伝わる“クリスマス物語”という伝説を話してくれた。妹と両親が乗った船が転覆。5歳のニコラスは、孤児になる。村人が1年ずつ交代でニコラスを育ててくれることになるが…。

  • ふたりの兄弟が海の中から見つけた古い小箱。
    その小箱には、何十年もその土地に語り継がれてきたクリスマスの物語が秘められていた。
    祖父は幼い頃おじいさんから聞いたその物語を孫たち(兄弟)に語り始める。
    その物語とは、サンタクロースになった男の子のお話…。

    一夜のうちに父母と幼い妹を事故で亡くし、ひとりぼっちになってしまった男の子。
    村の人々の愛情をうけて悲しみから立ち直り、友を得て運命に抗わず自分の信念を貫いて生きる。
    職人になった彼は、手作りのおもちゃを毎年クリスマスに子どもたちに届け、その最後に自分の妹へプレゼントを捧げる。
    かたくなだけど、慈愛に満ちた彼の生き方や、彼にかかわる人々の優しさに、久々に心を揺さぶられ、何度も泣きました。

    小学校高学年から。

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