五感集

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 21
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062163736

作品紹介・あらすじ

昭和20年3月、神戸。秘密裏に営まれる娼館に幽閉されている娼婦ナオミ。馴染みの客は情事の最中、その肉体が、すでに彼女のものではないことを実感する。男が情事を終え、客室に戻るとサイレン音の後、「ナオミが消えた」という館主の叫び声を聞く。女は本当に消えてしまったのか-。

感想・レビュー・書評

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  • 第二次世界大戦中、神戸の古い洋館に閉じ込められ、娼婦として生きるナオミ。彼女の死と再生を、客や彼女自身の感覚に纏わる体験で綴る。五感シリーズの集大成と言うだけあって、突出した感覚の描写はさすが。割とトンデモ設定というか、薬の効果というだけでは弱いところに説得力を持たせている。ただ、癖なのかわざとなのか分からないが、種明かし的な展開になってからは同じような話を何度も繰り返すので非常にくどいし飽きる。もっとシンプルに説明出来る話なのにと思う。しかもあれだけ周到に準備した末の行動なのに結局うまく行ってないし。で何だったのかという読後感。どうにもスッキリしないのは、現実離れしているからというだけではないだろう。

  • ひとつの殺人事件を厚塗りして厚塗りして厚塗りして厚塗りしてどすっと重たく仕上げている。読み始めたときはなんやこれって思ったけれど、読み進めるうちになんだか切なくなるのは何ででしょうか。

  • 昭和20年3月、神戸。秘密裏に営まれる娼館に幽閉されている娼婦ナオミ。馴染みの客は情事の最中、その肉体が、すでに彼女のものではないことを実感する。男が情事を終え、客室に戻るとサイレン音の後、「ナオミが消えた」という館主の叫び声を聞く。女は本当に消えてしまったのか―

  • 様々な客に五感それぞれで感じさせる娼婦。官能小説と思いきや、これはもう立派な密室ミステリー。つかみどころの無い意味不明の表現、誰かがふと感じる小さなひずみ、官能で彩られた錯覚とも思われる謎の数々、それらはすべて最終章へ向けての序章でした。

  • 五感をテーマにした幻想ミステリ。序盤はまさしく幻想。いったい何が起こったのか、それすらはっきり掴めないまま進められる物語。感覚的な言葉が連ねられ、歪む世界観。これってミステリなの? なんなの?
    ぐるぐると雰囲気に流されつつ読みましたが。……間違いなくこれはミステリです! 最終章で見事に明かされる真相。伏線や手がかりはすべて揃っていました。だけど特筆すべきは、やはりこの独特の世界観ですね。一気読みすると、酔います(笑)。

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著者プロフィール

小説家。1998年、第8回メフィスト賞受賞作『ダブ(エ)ストン街道』でデビュー。2003年第56回日本推理作家協会賞を『石の中の蜘蛛』で受賞。他の作品に『ラストホープ』『実験小説ぬ』『ポルトガルの四月』『誘拐犯はカラスが知っている』など多数。著作はイタリア、韓国で翻訳され、『10センチの空』は中学校教科書に採用された。日本推理作家協会会員。最新刊は『困った死体』。

「2021年 『七転びなのに八起きできるわけ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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