獣の奏者 外伝 刹那

  • 講談社 (2010年9月4日発売)
4.19
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Amazon.co.jp ・本 (338ページ) / ISBN・EAN: 9784062164399

作品紹介・あらすじ

祝!アンデルセン賞作家賞受賞「自然や生き物に対する優しさと深い尊敬の念に満ちた」累計200万部突破の壮大なファンタジー!!


120万部突破の人気シリーズ「外伝」登場
エリンとイアルの同棲時代、師エサルの若き日の苦い恋、息子ジェシのあどけない一瞬……。
本編では明かされなかった空白の11年間にはこんな時が流れていた!


ずっと心の中にあった
エリンとイアル、エサルの人生――
彼女らが人として生きてきた日々を
書き残したいという思いに突き動かされて書いた物語集です。
「刹那」はイアルの語り、「秘め事」はエサルの語りという、
私にとっては珍しい書き方を試みました。
楽しんでいただければ幸いです。

                 上橋菜穂子



【本書の構成】
1 エリンとイアルの同棲・結婚時代を書いた「刹那」
2 エサルが若かりし頃の苦い恋を思い返す「秘め事」
3 エリンの息子ジェシの成長を垣間見る「はじめての…」


【著者プロフィール】
上橋菜穂子 (うえはし なほこ)
1962年東京生まれ。
立教大学大学院博士過程単位取得。現在(2010年)、川村学園女子大学教授。専攻は文化人類学。オーストラリアの先住民アボリジニを研究。
1989年に『精霊の木』で作家デビュー。
『月の森に、カミよ眠れ』(日本児童文学者協会新人賞)、『精霊の守り人』(野間児童文芸新人賞、サンケイ児童出版文化賞)、『闇の守り人』(日本児童文学者協会賞)、『夢の守り人』(路傍の石文学賞)、『神の守り人 来訪編・帰還編』(小学館児童出版文化賞)、『狐笛のかなた』(野間児童文芸賞)などで数々の賞を受賞。
ほかの作品に「守り人」シリーズ完結作『天と地の守り人』三部作や、『虚空の旅人』『蒼路の旅人』『流れ行く者』などがある。
2009年1月より、『獣の奏者 1闘蛇編』『獣の奏者 2王獣編』がアニメ化され、NHK教育テレビにて放送。
上橋作品は世界中で出版が始まっており、『精霊の守り人』は、バチェルダー賞(米国で出版された翻訳児童文学の中で最も優れた作品に与えられる賞)を受賞。
『獣の奏者』1・2も、フランス、ドイツ、スウェーデン、韓国、タイなどで翻訳が始まっている。

みんなの感想まとめ

物語の中で描かれる人間関係や感情の深さが、読者の心に響く作品です。エリンとイアルの同棲時代や、エサルの若き日の恋愛を通じて、登場人物たちの真っ直ぐで純粋な心情が丁寧に描かれています。特にエサルのエピソ...

感想・レビュー・書評

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  • 完結しているシリーズで本編に続けざまに外伝の類を読むようなとき、いつも思うのが、果たしてどちらが幸せかということだ
    どちらがというのは、登場人物たちにまた会いたい!とためてためてから読むのと時間をおかずに続けて読むのと

    結論を言おう、どっちも幸せ(じゃあ、なんの問いかけやったん?)

    今回深く感銘をうけたのは、当然あとがきだ
    このあとがきにおいて上橋菜穂子さんは「雑と達者」「効果と手抜き」について語っておられ、それを見極められる書き手であろうと日々精進されているとのことでした
    自分も作家さんたちの想いに応えられるような「雑と達者」「効果と手抜き」を見分けられる読み手でありたいと強く思いました

  • 獣の奏者、外伝。
    まさに外伝と呼ぶにふさわしい作品だった。

    わたしは物語の中に変に恋愛要素が絡んでくるのが好きじゃない。
    だから今回のこの内容が、外伝として収録されて本当に良かったと思う。

    「刹那」はエリンとイアルの、
    「秘め事」はエサルの恋愛エピソードを中心に描かれている。
    どちらも良かったけど、より心に響いたのはエサルのお話の方だった。
    意外と向こう見ずで喜怒哀楽がわかりやすく、
    自分の思いに真っ直ぐで。。
    作者の上橋さんにはもう少し穏やさを感じるものの、エサルは彼女と似ているような気がした。

    若い頃の、ユアンに恋焦がれるエサルを少し自分に重ねてしまい、苦しくなった。

    ユアンに対しても心は様々に揺れた。
    理解できない!と思ったあと、
    わかる!と気持ちがほだされたり。
    女たらしな人だな。。
     
    外伝まで読み終えたら、また最初から読みたくなった。
    これを読んだことによって、またさらに深くこの作品に触れることができそう。

  • 外伝…、本当に、しみじみと良かった…。
    終わってしまうのが悲しくて、あちこちに散らばる大切な言葉の全てのメモを取りながら、のろのろと読んだ。
    エリンやイアル、そしてエサルの真っ直ぐで純真な心に胸を打たれて涙が滲んだ。
    そうだなぁと思うことだらけで身体の中心からブルブルした。
    手元に置いておきたい本にまた出会ってしまった。

  • エサルの話がよかったです。エリンを教え導いてきたエサル師にも人間らしい過去があって、それを乗り越えて成長したんだなと感じました。
    エリンが大人になったことが受け入れられない私がずっといます(泣)エリンとイアルの馴れ初めもすごく良かったんですが、やっぱり子供時代のエリンを知ってるからなんか、受け入れ難くて、寂しいです。
    わたし的には、獣の奏者は1巻、2巻が全盛でした。もちろん3巻、4巻、外伝も面白かったですよ!
    素敵な世界に連れて行ってくださったこの物語に感謝です。現在高3なので、自分が結婚する時ぐらいにまた読み直したいです。

  • (2015年4月16日 再読)

    発行順ではなく時系列に沿って読もうかな、とこっちの外伝を先に読みました。

    エリンとイアルの馴れ初め、このお話めっちゃ好きです。
    何だろう、ときめきすぎて2回読んでしまった。
    エリン目線でも読んでみたいな。
    本編あってこそこのお話がすごく貴く感じられるんだろうな。
    エリンが普通の女の子で本当に可愛らしい。

    エサル氏のお話も切なく素敵です。

  • 待ちに待っていた外伝。
    エリンとイアルの切ない馴れ初め、教導師・エサルの淡い初恋話。
    そして、最後にジェシの幼少話。
    3本仕立てでしたが、子どもを産む母親の大変さなど、わかりました。

    エリンとイアルの二人は本当に素敵です。

  • 「獣の奏者」の物語が、王獣と闘蛇の因縁をエリンの目を通したお話とすれば、この物語はその世界に生きる人々のささやかな日常、ひとときの小さなエピソードを紡いだお話です。つまりベクトルがまったく違っていて、キャラクタの生々しい側面をリアルに繊細に感じることができました。本編のちょっとした描写からでも人々の感情のゆらぎがうまく描写されてはいましたが、これだけ正面切って描かれると確かになかなかの「引力」です。イアルの、エリンの、エサルの、それぞれだけに秘められた物語が痛々しくも眩しくて惹かれます。たしかに大人向けだとは感じましたが、子どもにも、この、いい大人同士の恋愛の物語を味わっても欲しいとも思いました。年代で分けられない大事なものがあると思ったので。

  • エリンとイアルの出会い、エサルの過去、エリンの息子ジェシについての三つの短編です。
    これが本編ではなく外伝とされていることに、
    上橋先生のバランス感覚の良さを感じます。
    物語の中で寄り添うことになる、もしくはそうなりそうな二人が出てくると、
    二人のその後が知りたい、出会いが知りたい、というファンも多いのはこの作品に限ったことではないと思います。
    自分はどちらかというと知りたくない方なので、もしこれが本編に書かれていたらがっかりしてしまっていたと思います。

    本編を読んでいるときとてもイアルに惹かれていて、孤独に生きていたイアルが
    エリンと出会い当たり前の人間のような生活の片鱗を手に入れようとする姿に心動かされました。
    今までの人生とがらっと変わってしまって呆然とするというのは、チャグムやバルサにも降り掛かった運命です。

    もし自分が刺客に倒されたらエリンは身内に空洞を抱えたまま一人で子どもを育てねばならない。
    独りの日々は、虚ろではあったが、平坦だった。いつ死んでもかまわぬ命の軽さは虚しいものだが、ある意味では、わが身ひとつのことだけ思えばよい気楽さでもあったのだ。
    孤独から愛する人を得て逃れたイアルが、孤独の意味を捉え直し共に生きることの恐ろしさ、幸せさを噛み締めていく様子が
    とても良かったです。

  • 生きるとはなんと濃密なことなのか。言葉にはできないが、なぜなのかは分からないが、何度も何度もはらはらと涙が流れた。それぞれに人生があり、思いがある。そんな当たり前のことに心が震えたのだ。

  • 外伝ということで、当然ながら本編を読了した人にしか楽しめないおまけ、みたいなもの
    でも、こんなに素敵なおまけってありますか?
    エリンとイアルの馴れ初めも面白かった、けど、個人的にはエサルの話がいい!世の中の体制・常識、そして実らぬ恋。越えていくエサルの姿に胸打たれます。

  • エリンとイアルの馴れ初めや、エサル師の学生時代の恋など、本編で触れられていなかった主に恋愛模様が、この外伝で描かれています。

    あとがきでも書かれていましたが、私もこの物語たちは外伝にして正解だと思いました。本編に入れたらせっかくの物語が崩れちゃいましたね。
    っていうかもっとはっきり言うと、ファンサービスのためのお話っぽいので、完結編で満足されている方は特に読まなくてもよいと思います。
    生き物との関わり方や生き方などをテーマにした本編と比べると軽くて、エリン達にまた会える喜びはあったにしても、本編のような感動はありませんでしたから。
    とはいえ、恋愛して結婚して母になることは、生き物の成長であるので、そういう意味では同じテーマを扱っていると言えるのかもしれませんね。

  • 空白の11年間を埋める恋物語?~エリンは何故,元聖なる盾であるイアルと結婚し,子どもを学舎で産むことになったか。エサルは何故,貴族の長女に生まれながら,カザルの獣ノ医師兼教導師長になったか。エリンの息子がどうやって乳離れしたか~女性ならでは視点かも知れない。特にイアルを書いている部分は。獣の奏者は児童文学ではないと言い切っている。まあ,そう声高に宣言する必要もないのにとは思うのだ。本編の方に余計な一滴を垂らしたくなかったらしく・・・でも物語は浮かんできて・・・という訳で外伝ができた。獣の奏者シリーズは完結していて,外伝らしい外伝だ。でも,もう沢山ですよ

  • エリンとイアルの出逢いやエルサの乙心等知りたかったことが満載の「刹那」でした。たくさんの内容がわかり、読み続けるほど彼女達に親しみが湧いてきました。人にはそれぞれの生き方や道がある事をあらためて知りました。

  • エサルの外伝が良かった!エサルの生き様が想像よりも激しかったな…一生独り身で過ごす覚悟、やりがい生き甲斐、束の間の許されない恋、家族思いの純粋な心。エサルの良さが凝縮されている一冊。

  • 話は楽しめた。作者あと書きは要らない、、、かなぁ

  • エリンとイアルの馴れ初め、エサル師の若き日の恋、それぞれの選択は対照的に見えるけれど、どちらも痛いほどまっすぐで、結果を引き受ける強さと覚悟に満ちていて、胸が詰まった。児童文学の枠は軽く越えてる。恋愛のままならなさを知る大人向け。

  • 本編のほうが好き…。

  • どちらも現在と過去をこまかく往来するので、読みにくい。
    エリンの話よりも、エサルの方が上橋らしい作品。
    それでも、やや説明過多。
    ジョウンをもう少していねいに描いてほしかった。

    「刹那」は、ほかの人が書いたかと思うほど文章が拙。

    ジョウンが主役の短編が読みたい。

  • 外伝。王獣編と探求編のあいだの主人公エリンとイアルのはなし。またエサル師の若いころのはなし。
    この物語には苦しくて切ないおもいをもった人たちが多いけれど、みんないまを懸命にいきているんだな。生まれてきてよかったとエリンが言ったのが胸に刺さった。


    思い返せば見えることが、なぜ、そのときには見えないのだろう。(刹那p136)

    雌雄が交わって実を結び、時代を育む花もあれば、自身が養分をしっかりと蓄えて根を伸ばし、その根から芽を伸ばして、また美しい花を咲かせる植物もあるものだ。(秘め事p309)

  • 「獣の奏者」を1巻からここまで一気に読了。
    詳しい内容は割愛。主人公の少女エリンの生涯を語った小説。

    この外伝だけは、作者があとがきに「本編に入れてはいけない一滴」というほど、人情味あふれた「人の営み」の話だった。とても自然でやさしい話ばかり。
    あれほど王獣に尽くしたエリンが、どういう経緯で結婚したのか。恩師たちの単純で複雑な過去。それを知ってから本編を読むと、また深い視点で読めるかもしれない。

    この外伝は、結婚してから読んだほうがいいと思う。子どもを持ってから読むと、また深みが出る小説だと思う。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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