獣の奏者 外伝 刹那

著者 :
  • 講談社
4.20
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本棚登録 : 2540
感想 : 334
  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062164399

作品紹介・あらすじ

王国の行く末を左右しかねない、政治的な運命を背負っていたエリンは、苛酷な日々を、ひとりの女性として、また、ひとりの母親として、いかに生きていたのか。時の過ぎ行く速さ、人生の儚さを知る大人たちの恋情、そして、一日一日を惜しむように暮らしていた彼女らの日々の体温が伝わってくる物語集。

感想・レビュー・書評

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  • (2015年4月16日 再読)

    発行順ではなく時系列に沿って読もうかな、とこっちの外伝を先に読みました。

    エリンとイアルの馴れ初め、このお話めっちゃ好きです。
    何だろう、ときめきすぎて2回読んでしまった。
    エリン目線でも読んでみたいな。
    本編あってこそこのお話がすごく貴く感じられるんだろうな。
    エリンが普通の女の子で本当に可愛らしい。

    エサル氏のお話も切なく素敵です。

  • 待ちに待っていた外伝。
    エリンとイアルの切ない馴れ初め、教導師・エサルの淡い初恋話。
    そして、最後にジェシの幼少話。
    3本仕立てでしたが、子どもを産む母親の大変さなど、わかりました。

    エリンとイアルの二人は本当に素敵です。

    • まっきーさん
      いまエリンの青い鳥文庫の方を読んでいます♪
      この外伝 刹那があるとは知りませんでした。とても読んでみたいです。

      紫苑さんの本棚素敵な...
      いまエリンの青い鳥文庫の方を読んでいます♪
      この外伝 刹那があるとは知りませんでした。とても読んでみたいです。

      紫苑さんの本棚素敵なのでフォローさせてください^^

      2012/08/12
  • 獣ノ医術師エリンの一生を描いた『獣の奏者』シリーズの外伝。前半は、エリンとイアルの馴れ初めからジェシの誕生までの物語。後半はエリンの師であるエサルの娘時代とエリンの子育てを見守り、生徒とともにある老王獣の病を診る物語。苦難と責任という重圧が一生続くであろう夫婦が生まれてくる子どもにも及ぶ事を危惧し、一方総領娘は、身分も恋も捨て、獣ノ医術師となることに悩む。だが人の一生は数々の刹那であり、悔いるときもあれば、喜べるときもある。生まれて、生きることこそ輝かしい。だからこそ彼女たちはそれぞれの“生”を選んだ。

  • 生きるとはなんと濃密なことなのか。言葉にはできないが、なぜなのかは分からないが、何度も何度もはらはらと涙が流れた。それぞれに人生があり、思いがある。そんな当たり前のことに心が震えたのだ。

  • 「獣の奏者」の物語が、王獣と闘蛇の因縁をエリンの目を通したお話とすれば、この物語はその世界に生きる人々のささやかな日常、ひとときの小さなエピソードを紡いだお話です。つまりベクトルがまったく違っていて、キャラクタの生々しい側面をリアルに繊細に感じることができました。本編のちょっとした描写からでも人々の感情のゆらぎがうまく描写されてはいましたが、これだけ正面切って描かれると確かになかなかの「引力」です。イアルの、エリンの、エサルの、それぞれだけに秘められた物語が痛々しくも眩しくて惹かれます。たしかに大人向けだとは感じましたが、子どもにも、この、いい大人同士の恋愛の物語を味わっても欲しいとも思いました。年代で分けられない大事なものがあると思ったので。

  • 空白の11年間を埋める恋物語?~エリンは何故,元聖なる盾であるイアルと結婚し,子どもを学舎で産むことになったか。エサルは何故,貴族の長女に生まれながら,カザルの獣ノ医師兼教導師長になったか。エリンの息子がどうやって乳離れしたか~女性ならでは視点かも知れない。特にイアルを書いている部分は。獣の奏者は児童文学ではないと言い切っている。まあ,そう声高に宣言する必要もないのにとは思うのだ。本編の方に余計な一滴を垂らしたくなかったらしく・・・でも物語は浮かんできて・・・という訳で外伝ができた。獣の奏者シリーズは完結していて,外伝らしい外伝だ。でも,もう沢山ですよ

  • エリンとイアルの出会い、エサルの過去、エリンの息子ジェシについての三つの短編です。
    これが本編ではなく外伝とされていることに、
    上橋先生のバランス感覚の良さを感じます。
    物語の中で寄り添うことになる、もしくはそうなりそうな二人が出てくると、
    二人のその後が知りたい、出会いが知りたい、というファンも多いのはこの作品に限ったことではないと思います。
    自分はどちらかというと知りたくない方なので、もしこれが本編に書かれていたらがっかりしてしまっていたと思います。

    本編を読んでいるときとてもイアルに惹かれていて、孤独に生きていたイアルが
    エリンと出会い当たり前の人間のような生活の片鱗を手に入れようとする姿に心動かされました。
    今までの人生とがらっと変わってしまって呆然とするというのは、チャグムやバルサにも降り掛かった運命です。

    もし自分が刺客に倒されたらエリンは身内に空洞を抱えたまま一人で子どもを育てねばならない。
    独りの日々は、虚ろではあったが、平坦だった。いつ死んでもかまわぬ命の軽さは虚しいものだが、ある意味では、わが身ひとつのことだけ思えばよい気楽さでもあったのだ。
    孤独から愛する人を得て逃れたイアルが、孤独の意味を捉え直し共に生きることの恐ろしさ、幸せさを噛み締めていく様子が
    とても良かったです。

  • 本編のほうが好き…。

  • 完結編を読んだ後、あまりにも切なくて苦しくて。
    外伝が出た後も読むのが怖くて、しばらく積みっぱなしでした^^;
    あれから数年…胸の痛みも和らぎ、ようやく読む時が来ました。

    エリンとイアルの馴れ初めが描かれた表題作「刹那」。
    熱病のような恋ではなく、枯れかけていた草が水を吸い上げるように、
    いつしか互いが互いに滲みこんでしまっていた、
    という表現が、二人にとてもしっくりきました。
    無口なイアルにそっと寄り添うエリンの様子が目に浮かぶよう。

    エサルの若かりし頃の恋を描いた「秘め事」も素敵なお話です。
    恋に、研究に悩みながらも自分の道を切り開いて行く。
    彼女をとりまく人間達も、魅力たっぷりでした。

    外伝とはいえ、やっぱりこの後完結編に繋がるのかと思うと、
    切なさはあるのですが、彼らの幸せなひと時を垣間見る事ができて
    良かったなぁと心から思いました。

  • 外伝。王獣編と探求編のあいだの主人公エリンとイアルのはなし。またエサル師の若いころのはなし。
    この物語には苦しくて切ないおもいをもった人たちが多いけれど、みんないまを懸命にいきているんだな。生まれてきてよかったとエリンが言ったのが胸に刺さった。


    思い返せば見えることが、なぜ、そのときには見えないのだろう。(刹那p136)

    雌雄が交わって実を結び、時代を育む花もあれば、自身が養分をしっかりと蓄えて根を伸ばし、その根から芽を伸ばして、また美しい花を咲かせる植物もあるものだ。(秘め事p309)

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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